今日もミルクちゃんと一緒に、すや~
夜はなかなか眠れず、朝はなかなか起きられない。そんな社畜の典型的な日常を送っている私。いつものように、家からパンをくわえてバスに飛び乗ろうとする忙しい一日が始まった。しかし、家を飛び出して数歩進んだところで、小さな猫に出会ったのです。
その猫は本当に小さくて、やせ細った体に、毛はごわごわと絡まり、目やにで目もろくに開けられない様子でした。私はその場で足を止めました。本当は、直ぐにでも動き出さなければなりませんのに。バスがもうすぐ来るし、遅刻したら上司に叱られる。動き出す理由はたくさんあったけれど、たった一つの理由で私は足を止まってしまいました。
今日は私が居なくても、会社に大きな影響はないのだろう。しかし、今日この子を救わなければ、次の親切な人が現れるまで生き延びることができないかもしれません。私はその子猫を抱き上げました。柔らかく、温かく、少し早めの呼吸を感じました。毛が手に触れると、その感触がとても愛おしく思えました。もしこの子を無事に救えたら、一緒に食事をして、一緒に「魔王城でおやすみ」を見て、眠れない夜も互いに寄り添うことができるでしょう。祖母が亡くなってから、家の中にもう一つの呼吸を感じることが久しくなかった私にとって、それはとても大切なことでした。
猫を病院に連れて行き、治療を受けさせました。獣医さんは「栄養失調と少しの炎症ですが、しっかりお世話すれば元気になりますよ」と微笑みました。それから数日間、私はこの小さな命を守るためにできる限りのことをしました。ミルクを与え、温かい毛布を用意し、清潔な場所で休ませました。少しずつ、その子猫は元気を取り戻し、目もぱっちり開いて、好奇心旺盛に家の中を探検するようになりました。
一緒に過ごす時間が増えるにつれて、私は彼に「ミルク」と名前をつけました。ミルクは私が帰宅すると玄関で待っていてくれるようになり、夜は私の膝の上で「魔王城でおやすみ」を見るのが日課になりました。その小さな体で私の心の隙間を埋めてくれる存在に、私は心から感謝しています。
ミルクのおかげで、家の中には再びもう一つの呼吸が生まれました。夜は彼のぬくもりを感じながら眠り、朝は彼の元気な鳴き声で目覚める毎日が、私にとって何よりの癒しです。
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