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Exhilarationism

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最近の記事

村上春樹

村上春樹の作品ひいては村上という人格がミソジナスであるという主張について。 こうした話題が再燃するきっかけとなった編集者の方の発言に異論はない。真っ当な意見だと思うし、ご当人もこれは意見であると述べておられたから。むしろ、その尻馬に乗って「批評」をしていると主張して他者を駆り立てようとしている言説には、端的にアンフェアなものが多かった。そのことについて書きたいという動機でこれを書く。 結局、作品を通して垣間見える(と捉えられている)著者の内的現実がミソジニスティックなもの

    • グレアム・ハーマン 『関係性後のアート』 翻訳

      Graham Harman: Art Without Relations まず、「非関係性の美学」という概念をここに提示したい。これは、今も影響力のある『関係性の美学』(1998年)を著したニコラ・ブーリオへの批判を意図したものではない。ブーリオが「関係性」と言う時それは、普段匿名的にすれ違っていた人間同士がレトルトスープを一緒に料理するなどして交流するように演出したもの、という意味を持つ。一方、私が対立しているのは、広義の関係性であり、それもアート史においては既に十分馴染

      • Oneohtrix Point Never - Again (2023)について

        この文章は書き殴りである。 0PNはポスト・ロックを、つまり「ジャンルの死」をジャンルとしてここで引用しているのだが、これは0PNの作品群においても初めての試みであり、また0PNが初めて未知の領域へ──参照可能な過去から追放され、現在へ、何も確定されていない荒野に放り出された瞬間である。その意味で、『サインフェルド』的な(典型的な)80'sの主流メディアのキメラである前作mOPNは、明らかに過去の断末魔を思わせるものであった。 とはいえ、かつて0PNが「現在」をサンプリング

        • 【翻訳】 Coil Manifesto (1983)

          The Price Of Existence Is Eternal Warfare 存在の代償は永続する戦争状態 COIL is a hidden universal. A code. A key for which the WHOLE does not exist. Is NONEXISTENT, in silence and secrecy. A spell. A spiral. A serpents SHt round a female cycle. A whirlw

        村上春樹