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仕事だけが人生ではない


仕事に生きがいを感じ、やりがいのある仕事で充実しているという人を見ていると、一体何が楽しいのだろうかと疑問に思うことがあります。もちろん、そうした人々の価値観や生き方を否定するつもりはありません。もちろん好きな事を仕事に出来ているひとはいい。だが好きな事を仕事に出来る人は殆どいない。大半は好きでもないことを仕事としてやっている人が多いだろう。「人生は本当に仕事のためにあるのか?」という問いは常に頭をよぎります。

私たちロスジェネ氷河期世代は、就職氷河期という厳しい社会状況の中で社会に飛び出しました。多くの人が理想とする仕事に就けなかったり、不安定な雇用状況に悩まされたりしてきました。その経験から、仕事をあくまで生きるための手段として捉える傾向が強いのかもしれません。「やりがい」や「生きがい」といった概念を、仕事に過度に求めることに対して違和感を覚えるのは、そうした背景があるからです。

もちろん、仕事が好きで、それを通じて自己実現を果たせる人もいます。多趣味で好奇心旺盛な人が、仕事に情熱を注ぎ、充実感を得る姿は尊敬に値します。ただ、現実には、多くの人が仕事のためにプライベートを犠牲にしているのではないでしょうか。そして、「やりがいのある仕事で充実した人生」を掲げる人たちの中には、どこか建前のように感じられるケースも少なくありません。

"やりがい搾取"と働く人々の現状

近年、「やりがい搾取」という言葉が広く知られるようになりました。これは、やりがいという名目で過酷な労働環境や低待遇を正当化する状況を指します。特に、仕事にやりがいを感じられない人が、その理由を「自己責任」とされる風潮は問題です。そうした空気が、働く人々をさらに追い詰める要因になっているように思います。

実際、仕事に対して「やりがい」を感じるかどうかは個人差が大きいものです。にもかかわらず、仕事中心の価値観が押し付けられる社会では、それに共感できない人が肩身の狭い思いをすることになります。それは本当に健全な社会のあり方と言えるのでしょうか?

人生の豊かさは仕事以外にも広がっている

私自身も若い頃、仕事が人生の中心であるべきだと考えていた時期がありました。しかし、年齢を重ねるにつれ、健康、人間関係、心の余裕がどれほど大切かを実感するようになりました。家族や友人との時間、趣味や旅行、自分自身を見つめ直す時間など、仕事以外にも人生を豊かにする要素はたくさんあります。

もし、仕事以外に生きがいを見つけられていないと感じるなら、ぜひ一度立ち止まって自分自身に問いかけてみてほしいのです。「本当に自分がやりたいことは何だろう?」「仕事を辞めたら、自分は何をするだろう?」といった問いは、新しい価値観や生き方を見つけるきっかけになるかもしれません。

ロスジェネ世代として考える

ロスジェネ世代として、私たちは仕事に対して現実的な視点を持つことが多いように思います。やりがいや自己実現を仕事に見出すことが難しかった環境で育ったからこそ、仕事を手段として捉える視点が染みついています。その一方で、そうした視点が私たちを地に足のついた生活に導いているとも言えます。

仕事だけが人生ではありません。人生はもっと広がりと可能性に満ちています。もし今、仕事に追われる日々の中で何かを見失っていると感じているなら、ぜひ自分の心の声に耳を傾けてみてください。仕事以外の生きがいや喜びを見つけることは、人生をさらに豊かにする大きな一歩となるはずです。

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