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シーシャを上手くなりたい人が知っておくべき知識(対照実験)

シーシャ、頭悪い人はうまくなれない。

なんてね。そんなことを言っても感覚にまで落とし込んでいる人はたくさんいて、賢いだけでは勝てない経験の部分も多い。だからこそ、上手にシーシャを作れる人がたくさんいるこの業界でお客様にうまいと言っていただくためには、効率の良い練習が必要。今回は練習において一番大切な対照実験に関して書いていこうと思う。

最後に、内容の理解度をチェックする確認テスト的なものをつけた。自信のある人は先に解いてみて欲しい。この記事を読めば解ける内容だが、これが解けない人は非効率な練習をしている可能性が高い。



対照実験とは

対照実験ってしってる?

これはおそらく小学校で習うやつ。どの変数がどのように結果に影響をもたらすかを考える時に、実験したい変数以外は同じ条件にしないと意味がないよねって話。
とりあえずネットの情報も載せておく。Wikiなのであくまでも参考程度にしておいて。

対照実験の例

似たようなことを義務教育における理科のテストでやった経験のある人も多いのではないだろうか。そんな対照実験のわかりやすいイメージを掴むために電気コンロ(以下コンロ)を例にとってみよう。

同じロット、同じ形の炭を2つ準備する。それを
A.電源を入れた電熱線
B.電源を入れていない電熱線
に乗せる。その状態で10分後に炭の状態を確認してみる。

いぶの脳みそ

なにを当たり前のことを。って思ったそこのあなた、ごもっともです。でもここで読むのはやめないでね。

ちなみに結果は自明。電源を入れたコンロに乗せた炭は赤く燃焼し始め、電源を入れてない方は何も変わらない。
そこからわかることは、電源を入れたコンロに炭を乗せると燃焼が始まるってこと。

「それ、電源を入れないコンロに炭を乗せる意味ってある?」

って思いますよね、自分も1回考えます。電源を入れずに炭を乗せたコンロはなくても、同じ結果がわかるような気もするよね。

ではなぜB.の条件を準備したのか。それは炭を燃焼させた要因は電源のついているコンロだってことを確認したかったからだ。

電気コンロに炭を乗せて電源を入れたら炭が燃え始めた。という結果だけでは、何が炭を燃やしたのかはかわからないのだ。

なぜなら、炭が自然発火している可能性や、コンロ自体に電源は入ってなくとも謎の力で炭を燃焼させている可能性もあるからである。

これを読んでいる人は知っている。炭はそこらへんに置いておいても勝手に燃えない。コンロに炭を乗せても電源を入れ忘れたら炭は燃えない。
だがそれはそれは経験があるから。経験がなければどうか。

炭が箱から取り出して数分後に自然発火している可能性(焔スミ説)や、コンロ内に生きている謎の生物が謎の電磁波を発して炭を燃焼させた可能性(コンロ生きてる説)は排除できないのだ。

基本的にシーシャの探求においては、何がどんな影響を及ぼしているかがわからないことが多い。結果も原因もわからないことが多い。だからありとあらゆる可能性を考える必要がある。

だからこそBの条件を準備することで初めて、以下の結論が導き出せる。

炭を乗せたのコンロの電源を入れると、時間経過で炭が燃え始める。

すばらしい!


ここで一つ誤解してはならない。コンロが高温になるから炭が燃焼したとは言えないのだ。なぜならコンロの電源を入れた時に、コンロの電熱線から目に見えないビームが出て、それが炭を燃焼させているかもしれないからだ。コンロが熱いのは、機械が頑張っているからかもしれない。

よくある失敗例

あなたは人生で初めて炭が燃えているのを見た。なんで燃えてるのかはわからない。でも人間は「スミ」と呼ぶものをを箱から取り出して電気コンロに乗せて電源をつけて焼いている。しかも「アツッ」とか言っている。

これは設定だ。原始人になって現代にタイムスリップした気分で考えてみてほしい。

なぜ黒くて四角いものが燃えているのか気になったあなたは、同じように、謎の機械に黒い物体を乗せてつまみをひねってみる。そしたら熱を発しながら赤く光り出した。

「え?なんで燃えてんの???」

あなたの好奇心は止まらない。なぜならあなたは原始人なので、炎とは燃え移るものだと思っているからである。何かが突然火を放つなんてことは知らないだろう。だから、「なんでこの四角い物体は機械に乗せてツマミをひねると燃え始めるんだろう。」って思う。

後日、別のシーシャ屋に行った。そこでは、火のなかに炭を放り込んでいた。しばらくしてそこの店員が火から炭を取り出すと、その炭は燃えていた。

おい待てよ、やっぱりあの謎の光って火じゃん。じゃあなんであの魔法の機械からは火が出ていないのに炭は燃えるんだ?

機械なんてものは初めて見た。でも知識のない原始人はどんなに観察してもどうなってるのかわからない。じゃあ黒い物体に目を向けてみよう。

前置きが長くなったがここからが実験の始まりだ。検証したいのは

なぜあの黒い物体は火のない機械の上に乗せるとを燃え始めるのか。

魔法なのか???

現代科学では物体はそのものの温度が発火点を超えると燃焼を始める。と結論づけられている。
そこで仮説を立てた。あの黒い物体は、熱くなると火を放つのではないか。なぜなら、あの機械はつまみをひねると熱くなったのだ。理由は知らんけど。

ほな、別の熱いものの上に炭を乗せてみよう!

別の熱いものに乗せても炭が燃えるのであれば、炭というものは火に入れなくても燃え始めるということがわかる。

(厳密にはこの実験では上記の結論には至れないが、今回はわかりやすい例なのであまり気にしないで欲しい。byいぶ)

あなたは薪をくべ、そこに火を放った。そしてその上に平たい石を乗せ、その石に炭を乗せてみた。熱くなると燃え始めるならこれでも燃えるはず。

結果、炭は燃えなかった。

あら、それじゃこの炭と呼ばれるものは熱くなっただけでは燃えないのか。やっぱりあの機械が魔法で燃やしていたんやな。

そう結論づけてしまったらなかなか、正しい答えにはたどり着けない。

これは失敗例だ。悪いことではないが、この実験の条件で、「炭は熱くしても燃えない」と結論づけることが間違いなのだ。

比較したのは電熱線の上と石の上かの違い。材質は違うけどどちらも熱い。でも石の上に乗せた時は燃えなかったから、炭は熱くなっても燃えない。

これは温める材質を変えた対照実験のように思える。材質によって結果が変わったら、原因は材質だ。だがこのような比較をする時には、材質以外の条件は変えては、何が原因になったのかわからない。それではあなたは何を間違ったのか。

電熱線と石の温度が違ったのだ。

現代科学の観点から見れば、石でも電熱線と同じくらいの高温になれば炭は焼けるだろうとわかる。
(多分普通に木を燃やして温めた石では炭の発火点まで高温にならないと思う。検証してはいないけど筆者の個人的な予想。)

つまりこの実験では
・炭を熱するものの材質
・炭を熱するものの温度
の2条件が変わっていた。だが2つ目に気づかなかったあなたは原因が一つ目の条件に起因すると思ってしまったのである。

まぁ、温度計まで使った本格的な実験はなかなか出来ないから仕方ないんやけども、、、


よくある例ではないが、実験条件を2つ以上変えてはいけない良い例である。良い例であったと思う。

シーシャの練習における対照実験の例

ダブルアップルを甘く作りたい!!!

あ、あくまでも例ね、アップル嫌いな人も読んで欲しい。いぶの考えるアップルの美味しい作り方はまた後日。

これは多くの人が一度は思ったことがあるのではないだろうか。働き始めたお店、または教えてくれたシーシャ屋さんの通りに作ってもうまくいかない。そんな経験はみんなあるはず。

俺もかつてはそうだった。だからうまく作れる先輩の真似をした。そこで俺は

・フレーバーの量: 12g→18g
・アルミの枚数: 1重→2重
・穴の開け方: 剣山→ポーカー
・穴の数: たくさん→5個
・炭の数: 3個→4個
・蒸らし時間: 3分→7分

にして作った。一吸い目はバチバチで甘かったが、すぐに焦げ始めた酸味が出てきてしまって失敗した。

学んだことはアップルって難しいってことだけ。

リコリスや糖蜜の甘さは高温帯で強く感じられることは知っていたが、何が影響して温度がどれくらい上がりやすくなったのかはわからなかった。

結局その後俺は、まずはフレーバー量を普段の作り方と変えて比較、その後アルミの枚数を変えて比較、と全ての要素をひとつづつ変えることになった。とても無駄なことをした。

あの時一瞬で焦がした18gのアップルさん、ごめんね。今度会うことがあったら美味しく作ってあげるね。


前置きが長くなるのが俺の悪い癖、実験はここから。

様々な変数があるが、自分が対照実験をした最もわかりやすい例で言うと、蒸らしの時の炭を3個を基準として、2個、4個と数を変えてやってみた。フレーバーの量や詰め方、アルミの貼り方や穴の数、蒸らし時間などは変えていない。

予想通り数が少ない時には同じ蒸らし時間でも低温の状態からの吸い出しになるので煙量は薄く、炭が多い時にはそこそこ高温で甘い状態からの吸い出しになった。

条件として炭の量を変えると、火力そのものが変わるので、吸い出し時点での火の入り方が大きく変わることがわかった。まとめると、
蒸らし時の炭を多くすればフレーバーは熱い状態に、少なくすればフレーバーはあまり熱くない状態になる。
もちろん同じ時点での温度の話。あと厳密にはフレーバーの温度には分布があるけど、平均温度で見たらほぼそうなる。

炭の量を変えた場合はどうなるか分かり易いけど、そのほかの変数は扱いが難しいんだよね。

そのほかの変数に対する実験はいつかまとめる予定。。今回は何の役にも立たないけど、もっと実践的な記事も書くのでお楽しみに。


シーシャ作成における対照実験をする意味

ちょっと難しい(かもしれない)説明

これは単に、上達のための試行回数を減らすためである。

ここで、ある実験の変数をふたつ、x、yと仮定しよう。

基本的にx、yが各々どのような影響を及ぼすかは、

実験A
a1.xはそのまま、yもそのまま。
a2.xをx'に、yをそのまま。
a3.xをそのまま、yをy'に。

これが正しい。

この3回の実験をすればよい。まぁシーシャの場合は変数の影響が複雑なのと、ちょうど良い塩梅が存在するから3回では済まないことが多いけども。

では同時に変えてしまうとどうなるか?

実験B
b1.xはそのまま、yもそのまま。
b2.xをx'に、yをy'に。
b3.x'をそのまま、y'をyに戻す。
b4.x'をxに戻す、y'をそのまま。

これをしている人が多い。

この通り4回やらなければならない。一回多いね。じゃあ何が不要か。
よくみるとa1とb1、a2とb3、a3とb4は同じ条件であることがわかる。
つまりいらないのはb2、条件を2つ同時に変えた実験は無意味なのだ。

おい突然難しくするなよ。って言わないでね。このあとにわかりやすく説明し直してあげる。

五歳児でもわかるわかりやすい説明

蒸らし後に高温の状態から吸出しがしたいとしよう。ここで変数として
x: アルミの枚数
y: 炭の数
をとってみる。

普段はアルミ1枚、炭は3つで作っていると仮定する。

1.Bの実験でいうと、いつもの作り方がb1である。
2.熱くしたい!って言ってb2を試す。アルミを二重にして、炭も4つにしてみよう。おそらく多くの人は違いがよくわからないのではないか。
3.じゃあ次はb3。アルミは二重、炭の数はいつも通り3つで作ってみる。吸出し時の温度はいつものb1の時よりも低い。
4.最後にb4。アルミは1枚。炭の数を増やして4つ。吸出しの時の温度はいつもより高くなる。

じゃあ実験Aのやり方ではどうか。
1.いつもの作り方はa1。b1とも同じくアルミ一枚、炭は3つ。
2.ほな次はa2。アルミの枚数は2枚に、炭の数は3つで作ってみよう。吸出し時の温度はいつものb1の時よりも低い。
3.その次はa3。アルミの枚数1枚。炭は4つ。吸出しの時の温度はいつもより高くなる。

どちらの実験でも蒸らしにおいて、アルミの枚数を増やせば温度は上がりにくい、炭の数を増やせば温度は上がりやすいことがわかる。

でもBの方は4回実験しないといけないのに対して、Aは3回で済む。そう、今のシーシャプレイヤーにはBのやり方をしている人、またはBすらもしてなくて結論が導けてない人が多いのだ。(だからこの記事を書いたんだけどね。)

たかが一回、されど一回。シーシャの変数なんて数えたらキリがない。膨大な練習が必要であるからこそ、その一回が大きな差となるのだ。


確認テスト

はい、ここまでよく読んでくれました。簡潔に伝えられないのは悪い癖。今後はもっと短くまとめます。ごめんなさい。

でもここまで読んだ人はしっかり理解できたんじゃない?どうでしょうか?

ってことで確認テストを出してみよう。正解できたあなたは、ぜひPukuPuku恵比寿で働いてください。

問題

問題: シーシャの吸い感に関する実験をしたい。ここで水の量(通常,多め,少なめ)とホースの種類(a,b)を変えることにした。
その他の条件は全て同じで、水の量とホースの種類を変えて実験をする。そこで、以下の7つの実験をした。

実験:
1.水の量は通常。ホースはa。
2.水の量は多め。ホースはa。
3.水の量は少なめ。ホースはa。
4.水の量は通常。ホースはb。
5.水の量は多め、ホースはb。
6.水の量は少なめ、ホースはb。


問: 水の量と吸い感の関係を知りたい。1~6のうちどれとどれの実験結果を比べれば良いか。考えうる組み合わせを全て答えよ。

回答,解説

回答: 1と2、1と3、2と3、4と5、4と6、5と6

解説: 最初から結構難しい。そしてひっかけ。ごめんなさい。
ここまで読んだ人なら、水の量が吸い感に及ぼす影響を調べるなら、ホースは変えちゃだめってわかるよね。
そしたら、1と2、1と3の比較をする必要があるのはわかると思う。
ホースを変えなければ比較していいことに気づけば、4と5、4と6の比較も気づけるかな。
はいここからが難しいよ。
問われているのは、水の量と吸いの関係。水の量は通常に対して多めと少なめの変化があるから、多めにしたらどうなる、少なめにしたらどうなるって知る必要がある。ただみんなは多くるれば多くすれほど吸い感は重く、少なくすれば少なくするほど吸い感が軽くなることは知ってるよね。だったら正直1と3だけ比較すれば良いと思うけどそうではない。
実験しているということは答えは知らない前提。ある量において吸い感がめちゃくちゃ軽くて、そこから増えても減っても重くなるかもしれない。
普通に比べて、水を多くしても少なくしても吸い感が重くなったとしよう。じゃあ、水の量が少ない時と多い時どっちの方が重いの?そもそも水をどれだけ増やしたり減らしたりしたら吸い感はどう変化していくの?
それを調べるためには2と3、4と6の比較も必要になる。
たとえば、水を同じ量減らしたり増やしたりした時に増やした方が吸いが重いなら、水の量と水の重さはこんなグラフになるんじゃないかなぁって予想が立つから。

字が汚いのは許して

まぁ実際はこんなグラフにはならないけどね。どんな可能性も検証する。その心を持てばどこまででも上手くなる。

理解度のチェックって名目のテストでめちゃくちゃ難しい問題を出しました。でもこれも試練、乗り越えて強いシーシャ屋さんになろう!!!

最後に

今回の内容をしっかり理解していれば、絶対に上達する。これは言い切れる。

もちろん一個ずつ検証していくのは大変やけど、それが実は一番早いのだ。楽して上手くなれることはない。だが効率は高められる。今回はそのためにまず一番最初に覚えておくことをまとめた。

もしシーシャの練習の仕方が分からなかったり、いつまでも納得のいく作り方が見つからない人は、ぜひ今回の内容を意識して練習してみて欲しい。

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