NHKを参照する理由
お気づきの方はお気づきかもしれません。江草の記事はちょいちょいNHKの番組や記事の参照が出てくるなと。なんなら、ちょうど昨日の記事でもNHKの番組を参照してました。
そうなんです。実はNHK好きなんですよ、江草。
「NHKをぶっこわーす!」と息巻いてる政党の方々もいらっしゃいますが、江草は「きゃー、ぶっこわさないでー」って思ってるタイプです。
NHK、単純に番組のクオリティが高いことが多いというのもありますけれど、広告が無いというのも大きいですね。広告が無いので番組に集中しやすいです。
民放はほんとたまーにしか見てないですね。まあ、実のところ、テレビ自体をほとんど見てないのですが。だから、そういう意味ではNHKもめちゃくちゃ見てるというわけではありません。
でも、それでも好んでNHKを参照することが多いのは、NHKが世の中の標準的感覚(スタンダード)を反映してると思うからですね。
変な話、江草は確かにNHK好きですが、NHKが番組で言ってることが「正しい」とか「高度だ」とか「最先端だ」とか思って観てるわけでもないんですよ。
たとえば、この記事とかタイトルからして、けちょんけちょんな言い草でしょう。
この記事なんかも、ちょいちょいツッコミを入れてますよね。
だから、必ずしも江草はNHKの番組の内容に納得してるわけではないのです。不満が残ってることも多々あります。
しかし、極論、番組内容に対する江草の感想が肯定的か否定的かはどうでもいいんです。ただNHKが提示する「この国のスタンダードな見方」に常に触れておくというのがけっこう大事だと思ってるんですね。
江草は、性格的なものや、家庭や仕事の事情もあって、勝手に自分で本を読んで独学しちゃうタイプの人間です。
で、独学の時に一番怖いのは知らず知らずのうちに独善的なものの見方をしちゃうことです。好きな物を好きなように独りで学ぶ条件下だと、いつの間にか、だいぶ独特の世界観にはまりこんでしまう可能性がある。
たとえば、一般的によく言われるのは「ニセ科学」とか「陰謀論」とかそういう類いですね。そうした独特の世界観が正しい場合も時にはあるのかもしれませんが、やはり蓋然性が高くはないでしょう。仮にそういうものを掘り下げていくにしても、アンカーとして社会の標準的な感覚には常に触れておくべきだと思うんですね。
戻ろうと思えばいつでも戻れる先、自分の位置を確認するための標識として、NHKがとてもちょうどいいのです。
偏向報道だとか、色々NHKも言われますけれど、それはそれでいいんです。そうした忖度や大人の事情が含まれるのも、それ込みで世の中の「スタンダード」だと思うので。
あと、単純にNHKの、引用先としての利便性と信頼性がちょうどいいというのもあります。
やっぱり、たとえばXのポストを引いて「こういう意見がありました」とやるよりも、「NHKの番組で言ってました」の方が信頼感ありますでしょ。さらには「民放のワイドショーで言ってました」「週刊誌のWeb記事で書いてました」よりもNHKの方がなんだかんだそれっぽいじゃないですか。
もちろん、実際にはXのポストなんかも引用はするんですけれども、NHKで引ける時には出来る限りNHKで引いてるのは、こういう事情があるわけです。
なんなら、noteで引く対象としては、NHKは論文よりもいいんじゃないかとも思ってます。
確かに、論文の方がNHKよりも高度で最先端な内容を取り扱ってるはずなんですが、論文の世界も魑魅魍魎で、普通にうさんくさい論文とかダメ論文とかも山ほどあるわけです。当たり外れの振れ幅が大きすぎるんですね。
だから、論文を参照すると「本当にこの論文やその筆者は信頼できるのか」から確認する感じになっちゃう。でも、NHKなら社会から既に一定の信頼感を安定的に得ている存在ですから、そこまで疑心暗鬼に信頼性チェックをしなくても済むわけです。
言ってしまえば権威主義なんですけどね。でも、魑魅魍魎渦巻くWild Wild Westでは、迷子にならないために権威を頼るのは悪くない戦略ではあると思うんですね。
これは別に権威を信奉してるとかそういうわけでなく、バランスを取るための足場として利用させていただく。そういう感じです。そもそも一般的に「権威」とは利便性のためにこそその存在意義があるようなものですし。
もっとも、論文非参照の傾向については、恥ずかしながら、江草の実力不足、勉強不足につき、各種トピックの論文までちゃんと渉猟できてないというのが大きいのですけれど、まあ、ここはあくまで所詮noteで、ジャーナルでも学位審査会でもないのですから、そこはご容赦いただけたらなと思います。
というわけで、褒めてるのか貶してるのか分からない感じになりましたが、ともかくも参照先として、一匹狼が迷子にならないためのアンカーとして、NHKが便利だなあと思っている次第です。
なお、ぶっちゃけ我が家で最も人気のNHKの番組は『いないいないばあ』と『おかあさんといっしょ』なんですけどね。
ちっちゃい子どもがいる家の宿命ですよなあ……。