Jani mortui
ある日そこはかとなく
たそがれる
ペン先がわたしから離れ
キーボードの配列に
探したい文字の場所が
かすみがかりみえない
焦りのうちに
探しているけどやがて
何を探しているか
わからなくなる
電話はかけられず
住所が何だかわからない
昨日もそうだった
今日もそうだった
いつからいつに
何が何で
どこがどこだか
だれがだれで
どういうことなのか
全部何もかも
日常がうすれていく
何もかも逆回転して
消え失せていく
どこに帰っていくのか
それだけは最後に知りたい
とびらを開けることが
わかるうちに
とびらをひとつひとつ
開けて先に行こう
そこに無くしたものが
見つかる夢を見たから