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dormiens pennata

手も足も
もはや自分のものだということも忘れ
全身すみずみ
からだの奥まで
眠りにひきこまれ
どこに来たかも
いつからだったかも
どこにどうして打ち伏せたかも
憶えぬまま
すべて自分の持続が消え失せる時
うつりゆき
眠りの底の底にいたって
数えられぬ時の果て
突如目もあざやかに
灼熱の砂漠に立って
焼けつくような足を
砂にとられつつ
歩むや数歩
背を鷲掴みされて
大空に舞い上がる
さしつらぬく光のなかを
突き抜け
大宇宙のブランコのごとく
広大な砂漠を
軽々と
弧を描くように舞渡り
エメラルドの大海原に
躍りでて
島々を眼下に
見下ろしながら
ひとしれぬまに
何ものか笑みふりそそぐ
かんばせによりそわれ
ほほよせながら
もろともに
この地の果てまで
大宇宙のパノラマに
とろかされて
身もこころも
妙なる息吹に
消えていく

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