2020年の《楽曲》10選
選びます、今年も。
とりあえず挙げた100曲(未達)の中から、さらに選りすぐって10曲。また、挙げる順序は順位ではありません。文中にリンクを忍ばせることで10曲以上紹介するズルを今回もやっています。
2020_100曲 - Google Spreadsheet
1. AiRBLUE - Colorful
ゲーム『CUE!』より
自分の中で『CUE!』の年になった今年、春の全体曲『beautiful tomorrow』のインパクトもさることながら、夏の全体曲として繰り出されたこの曲は、女性声優コンテンツにありそうでなかった空気感を持っているように思います。
既存の2次元“アイドル”コンテンツには意外と当てはまらない曲調じゃないですか?
リアルのアイドルはもはやどんなジャンルのどんな曲調だろうと歌っておかしくないですが、2次元アイドルは今も根底で「アイドル」にふさわしい楽曲を追い求めているような気がしています。
そんな中で、『CUE!』が、キャラクターたちがアイドルではなく「声優」であるというスタンスを強く打ち出している姿勢の、ひとつの表れを感じ取ったのがこの楽曲でした。
あと、キャラありき2.5次元実写MVをこの規模でやってくれるコンテンツって意外とかなり希少ですよね。そう、役者のコスプレじゃないんですよね、2.5次元で見たいのは。
丸山利恵(CV. 立花日菜)と九条柚葉(CV. 村上まなつ)をよろしくお願いします。
2. 上田麗奈 - あまい夢
衝撃。
初見の際には吹っ飛んで壁に突き刺さりました。
アーティスト上田麗奈の活動に連なるひとつの点として、”これ“が“アリ”なんだ、という驚きがありました。ラジオ等で本人の談を聞くに、このアウトプットも何か絶対的な変化というわけでないようで、やはり面白い人は底知れず面白い、と思わされます。
最新曲では楽曲の展開に合わせてボーカルの処理を細かく変えていくなど、音楽チームが“考えるアーティスト”のアーティスト性に引っ張られて良いものができていく様には、ワクワクするものがあります。
3. Leo/need - ステラ
ゲーム『プロジェクトセカイ』より
ボカロ、2次元音ゲー、声優ソング、自分が通ってきた様々なものがつながっていく感覚を覚えたのがこの曲。これが時代の要請。
作詞作編曲・じん、歌唱がCV. 野口瑠璃子・礒部花凜・上田麗奈・中島由貴。なるほどね。
プロセカは、実は最初一瞬だけスルーしたんですが、なんかハマってしまいました。これまでのコンテンツたちの反省が盛り込まれていて、ゲーム内にとどまらず全体的に快適です。
インターネットクリエイターマンは25時、ナイトコードで。を摂取しておしまいになれ。
4. シャイニーカラーズ - Dye the sky.
ゲーム『アイドルマスターシャイニーカラーズ』より
CUE! とシャニマスで2020年は完です。
A面の『シャイノグラフィ』ともども、聴けば聴くほど緻密かつ大胆でエネルギーがヤバい。
シャニマスがやっているのは、メタ的に「年月を経てキャラも成長したね」じゃなく、真っ向からキャラクターの成長と変化を描いてしまうことなんですね。
未来なんて実はどこにもない ~ 現在だけが存在の証明
ですってよ。
5. 月ノ美兎 - アンチグラビティ・ガール
やばすぎ。
メチャクチャにロックで、ハチャメチャにベースミュージックな、宇宙。
ジャンルって壊したときの衝撃のためにあるんだと思う。
6. DIALOGUE+ - 好きだよ、好き。
DIALOGUE+とかいう声優ユニット、みんな気づいてるとは思うけど、いま一番面白いと思う。あの田淵智也が現在進行形でガチで入れ込んでプロデュースしてるユニットだぞ、絶対面白い。
作詞作曲:田淵智也から「好きだよ、好き。」というフレーズが撃ち込まれる時点で、興味湧きませんか?
「君が僕を嫌いになる時は/僕が夢を捨ててしまう時だ」というフレーズに祈りのようなものを感じる、大好きな一曲です。個人的に4月に会社員になり、MVの舞台・東京国際フォーラム前を通って通勤する日々だった春には、この曲に精神を底上げしてもらいました。
このミニアルバムが出たのが今年4月、リモート制作のスピード感で予定外の新曲を作り上げたのが5月、配信ライブに振替となった1stライブで新時代のハイクオリティを見せたのが6月、その後も新曲を一挙5曲作ってCDではなくライブとしてリリースしたり、TIFで20分ノンストップMCなしパフォーマンスをしたり、あと年明け早々もなんか全曲ライブ2回しするらしい。熱量がメチャクチャや。
年明けの全曲ライブが配信チケット破格の1,000円なのでサクッと一度見てみては。 → https://dialogue-music.zaiko.io/_item/333177
7. 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 - NEO SKY, NEO MAP!
TVアニメ『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』ED
アイドルアニメのEDを作ってくださいと言われてこれが作れたかった人生だった。
アニメ虹ヶ咲は期待のさらに上を行く本当に良い作品でした。
誰が言ったか、ED映像で一人ひとりが持つ《傘》が象徴するように、これは個が個で叶える物語だけれど、「どこに向かうかまだわからないけど/面白そうな未来が待ってると/笑いあえる君がいれば嬉しい」と歌うように、それぞれの夢の中に《あなた》がいてくれることの尊さが詰まっていました。
璃奈ちゃんボードを防壁ではなく強化パーツとして、桜坂しずくの《仮面》を彼女の半身として、近江彼方の着地点を分かち合う愛として描いたりと、一貫した哲学を感じる良いアニメでした。
8. 放課後クライマックスガールズ - 学祭革命夜明け前
ゲーム『アイドルマスターシャイニーカラーズ』より
このタイトルでワクワクしないオタクおる?
シャニマス3周目CDシリーズ『GR@DATE WING』より代表して来ていただきました。
『放課後クライマックスガールズ』『五ツ座流星群』『学祭革命夜明け前』の字面が強すぎるだろ。
「教室改造計画」「燃えろ/超デコレート活動団」「ずっと王者がじゃがバター」「腕章/談笑/腕まくり」と3コーラスかけて学祭準備から当日までを描く曲ですが、それを〆る学祭本番にあたる一節が「ときめきのような/戸惑いのような/そうだ/そうだ/跳べ跳べ跳べ跳べyeah/革命だ」というところに、感情描写の妙を感じグッときます。
他のユニットも、サビで反則スネアドンドコしたり、7拍子したり、6分バラードのEメロで教会音楽したり、ここまでの積み重ねの上で大立ち回りを始めたシリーズでした。
ノクチルについてはノクチルのファンの皆さんが書いてください。任せました。
9. 夏川椎菜 - アンチテーゼ
今年の夏川椎菜枠。
最新曲『クラクトリトルプライド』が本人作詞シリーズに連なる重要曲なので迷いましたが、本リリースは2021年なのでこちらで。
僕を救済して/いや殺してくれ
と歌ってしまえる声優、夏川椎菜。
本人希望で、楽曲提供歴の無かった人気ボカロPの提供が実現したのも、夢のある話で面白いですよね。
あと本人編集の告知解禁動画が好きすぎる。
10. 川島明 - where you are
オタクソングだけ聴いてたわけじゃないんだぞ、というのが言いたいための枠なんですけど。今年たくさん聴いた曲でいうと、他には『Dropout / SEKAI NO OWARI』『Mela! / 緑黄色社会』あたりです。
見てもらえばわかるんですが、川島明はあの麒麟ですの川島で、この曲は、
Directed & Produced by 藤井隆
Vocal & Tenor Saxophone:麒麟・川島明
作詞:神田沙也加
作曲:堂島孝平
編曲:冨田謙
という感じです。藤井隆ミュージックへの信頼が更に高まりました。
川島明歌唱のもう一曲、あの『若者のすべて』のアレンジがメチャクチャに良いのでそちらもサブスクで聴ける人は聴いてみてください。
おわりに
2020年を三行で:CUE!/シャニマス/DIALOGUE+ という感じのムーブメントに身を任せた年でした。
書きながら感じたのは、去年10選を書いたときから1年でなんでもかんでもだいたいYouTubeにあるようになったな、ということです。いよいよ国内でも音楽シーンの土台がほぼ切り替わったんじゃないでしょうか。
2021年楽しみだな~~~~~!!!!!