なんとなく、視界が開けていると感じる今日この頃
私は、身長が164センチあり、女性の平均身長158センチよりはそれなりに高く、ヒールを履けば小柄な男性よりずいぶん背が高くなる。そのため、電車の中で人に溺れることはそもそもそんなになかったし、視界もそれなりに開けていた。しかし、最近、特に平日に関してより視界が開ける様になったのだ。まるで周りの身長が少しずつ小さくなった様に。なのでその理由を自分なりに考察してみた。
まず、考えたのが平均身長が少し小さくなったのでは?であった。しかし、統計を見るところ最も高かった時より男女とも3ミリ程度低くなっている様であるが、ここ30年程度は男性は平均170センチ、女性は158センチくらいで一定の様であった。つまり、絶対的な身長にはほぼ変化はない。別の要因がある様だ。
ふと、通勤途中の方の足元を見てみた。そして気がついたことがある。ヒールの女性がかなり少なくなっているのである。綺麗めな服を着ている女性でも綺麗めなフラットシューズである場合が多く、カジュアルな服装をしている人はわたしを含めスニーカーがほとんどである。スーツを着ている女性ですら、ローファーの様なヒールのない靴を履いている場合が多い。むしろ、リクルートスーツに身を包んだ就活生や新社会人の方がヒールの靴を履いているのではないか?と思えるほどである。現に、数年前からフラットシューズの売り上げが増え、ヒール靴はなかなか売れなくなってきている様である。
私自身は、ヒールの靴を履くことは好きである。ヒールの靴のシルエットは美しいし、ヒールの靴を履いて歩いているシルエットが好きである。夏場のサンダルはなんとなく、厚い底のものを選んでしまうし、せっかくヒールを履くならそれなりの高さのものをはきたいと思ってしまう。けれども、仕事に向かうとき、ヒールを選ぶことはほとんどない。健康のために歩きの多いコースにしているということもあるが、なんといっても歩きやすくて動きやすいスニーカーである方が、働きやすいのである。クールビズが一般化して、オフィスカジュアルで働くことが一般化した現在において、特にこだわりがなければ、働くための靴としてヒールではなくフラットシューズを選ぶのはごくごく自然なことであると思われる。
数年前は、働く靴はヒールが当たり前であった。男性が革靴で過ごす様に女性はヒールで過ごしていた。しかし、昨今スニーカーで出社する男性も少なく無くなってきているし、女性に至ってはスーツにヒールという人はあまり見かけなくなっている。まぁ、利用している駅によって様相は変わっていると思うが、少なくとも私が利用する駅ではそれが顕著だ。つまり、下がったのは外出時における女性の平均身長なのではないか、という結論を見出すことができるのではないだろうか。世間の変化というものをこんな形で感じることができるというのも面白い。
カジュアルな服で仕事をすることはとても楽だし、動きやすい。けれども、ドレスな姿で働くのもかっこいいし憧れる。素敵なスーツにサラッとしたヒールにはなんとも言えない美しさがある。フラットシューズで働くことができることに安心感を覚えつつも、ヒールで働く自分を演じてみるのも楽しそうかも、と思う日々である。