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羊と碧い月。

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思い出す昔、過ごす今の徒然。
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#エッセイ

お菓子鉢のお八つ。

お菓子鉢のお八つ。

小学生中学生の頃、下校して家に帰るとご飯の時間までの間にお茶をしながらお八つを食べた。ポテトチップス、ポッキー、ムギムギ、動物ビスケット、アルファベットチョコ、さいころキャラメル、お饅頭、どら焼、草もち、みたらしダンゴ…。どこの家庭でもお茶受けやお八つになっているごくありふれたものばかり。でもこうしたお八つのお菓子は必ずお菓子鉢にはいっていた。

キョウダイの各々にリンゴの形をした直径20センチく

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3人組。

3人組。

小学生時代を思い出す時、忘れられない男子三人組がいる。

彼らはヤンチャを絵に描いたような男子たちで、それはいわゆる女子にモテるようなヤンチャじゃなくて、男子でつるんでいるならではな女子から見たらちょっとバカっぽいヤンチャさで、でも彼らのヤンチャには悪意がなくて多少乱暴だけどそれは彼らの個性として認められるというような。

アタシはそんな彼らを気に入るともなく気に入っていて、先生に何人かでこれやっ

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きよし君。

きよし君。

アタシが通っていた保育園に途中入園してきた男の子がいた。体が大きくて、ほっぺが真っ赤で、少しハニカミヤで、でも大きな口でニカッと笑う、きよし君。

そのころ保育園では「さらさら砂」が大流行していた。地面の乾いたところを探して、砂利や大きな粒の砂をどけて、そのすべすべになった土面を手のひらのやわらかいところで何度も滑らせるようにかき寄せると、片栗粉みたいな粉のような砂が集まってくる。それが「さらさら

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