日記を本にして、販売します
寝苦しい夜が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。さて、このたびわたしがWordPress上に載せている日記の一部を一冊の本にまとめました。それをboothという通販サイトで販売します。すべて手作業で製本しているので、販売できる本の数は限られているのですが、予想より多くの人に購入していただければ、もうすこしつくるつもりです。もし赤の他人の日記にすこしでも興味があれば、ぜひご購入いただけると幸いです。本について詳しくは、boothのサイトをみていただければわかると思います。1冊500円で販売します。そして別途、送料が180円かかります。すでにわたしに会う予定があるという方は、わたしに連絡していただければ、本の代金だけで手渡しすることも可能です。
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「あとがきにかえて」でも言及したのですが、日記を自分ひとりで書籍化するというアイデアは、哲学研究者で批評家の福尾匠さんからいただきました。福尾さんは自身のウェブサイト上で日記を掲載されており、昨年、一年分の日記をまとめた『日記<私家版>』を発売されました。わたしはそれを購入し、読んでいるときに、福尾さんという他者の生活に入り込むことのおもしろさと怖さを同時に経験しました。しかも、それがフィジカルなものとして、日めくりカレンダーのようにわたしの部屋に飾ってあることは、奇妙なことに思えます。わたしが自分の日記を本にしようと思ったのは、福尾さんの日記を読んで感じたことを他の人に経験してほしいから、ということよりも、わたし自身がちょうど本をつくってみたかったことがモチベーションとしては強かった気がします。だからといって、本であればなんでもよかったわけではありませんでした。日記を本にすることはわたしにとって「ちょうどよかった」のだと思います。気を張りすぎず、でも十分に個人的である日記という形式は、自分でつくる最初の本としては適切だったと感じています。
本のかたちとしては、デザインに凝ったことはしておらず、あくまでも文章を読んでほしいという思いが念頭にあります。ふとしたときにペラペラとページをめくってもらえるようにと、持ちやすいB6サイズにしました。文章の校正から製本まで、すべてがはじめての経験だったので、瑕疵や後悔はありますが、最初にしては満足のいく仕上がりになったと自負しています。日記はWordPress上に残っているのですが、紙で読んだときの感触を味わってほしいです。
これを機に、より多くの人が日記に興味をもってくれると嬉しいです。いまだにどうして日記を不特定多数の読者にみせているのか、自分でもよくわからないところがあります。だれにもみせない日記を毎日書いている人もたくさんいるでしょう。そんななか、日記を本にして販売することは、日記というものの性質から遠く離れている気もします。しかし、同じことが繰り返されているように思える毎日も、日記をつければ、日々の暮らしにたいする見方や考え方が変わることがあるのではないでしょうか。そのひとつの例としてわたしの日記を手に取っていただき、そこからいろんな人の日記を通じて、いろんな人が過ごす日常を知っていければ、この世界もすこしは明るくなるのかなと感じます。そんな些細な願いを込めた一冊です。
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