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OODA-LoopとPDCA
ミリタリーからビジネスへ
OODA-Loop ウーダループと読みます。
激しく変化する状況で物事を進めていくときに有効な考え方、方法論と言われています。
例えば、イノベーションの実現や未経験のエリアへのチャレンジなど。
よく対比されるのはPDCA。
こちらは決まった目標の実現を目指すときに有効です。
例えば、品質やコスト改善目標の達成などです。
赤字事業を立て直した執行役員さんが思わずつぶやいた一言、「赤字を解消するのは難しくない。スケジュールを決めて課題を潰していけばよい。でもその後の成長はどうしたら良いかわからない・・・」
こんな時OODA-Loop的アプローチは有効になります。
PDCAとOODA-Loopは対立概念ではなく、補完関係にあると考えます。
プランの実行に注力し情勢判断をオペレーションに組み込めていない場合、OODA-Loopの考え方を適用することで情勢変化に対応した意思決定の可能性を高め、情勢にあったPDCAを回していけるようにするなどです。
OODA-Loop
OODAループは、観察(Observe)- 情勢への適応(Orient)- 意思決定(Decide)- 行動(Act)- ループ(Implicit Guidance & Control, Feedforward / Feedback Loop)によって、健全な意思決定を実現するというものであり、理論の名称は、これらの頭文字から命名されている。OODAループ理論は、アメリカ全軍やNATO(北太平洋条約機構)加盟国をはじめとする西側各国の軍隊だけでなく中国やロシアを含む世界中の軍隊で採用され、その戦略を大きく転換させた。そして、今ではシリコンバレーをはじめとする欧米のビジネス界でも基本戦略として採用され、アメリカのビジネススクールでも教えられている。
・参考資料
Robert Coram, Boyd: The Fighter Pilot Who Changed the Art of War
Daniel Ford, A Vision So Noble: John Boyd, the OODA Loop, and
America's War on Terror
樋口俊作 防衛研究所 戦史研究センター戦史研究室
NIDS コメンタリー 第 207 号,
OODA ループと IDA サイクルについて