新たな事業に取り組む企業の成長戦略について
経営を取り巻く環境が大きく変わるなかで、
成長を続けるためにはどのような成長戦略をとれば良いのか?
また、新規商品やサービスを開発するヒントとなる考え方は
フレームワークの一つがアンゾフの成長マトリクスです。
このフレームワークの一番難しい枠は、新規の市場×新規の製品
になります。
ここのポジシュオンは多角化と呼んでいます。
多角化戦略は、既存技術と市場の観点から4つに分類されます。
1つ目は、水平型多角化です。
いままでの技術やノウハウを活かしながら、
いままでの市場と類似した市場に
新製品・新サービスを投入する多角化です。
たとえば、自動車メーカーがバイクを生産する
ようなケースが考えられます。
このような場合は、いままでの技術・設備・ノウハウを活かすことができ、
相乗効果・シナジー効果も期待できます。
2つ目は、垂直型多角化です。
いままでの技術やノウハウとの関連性は低いものの、
いままでと似た市場(バリューチェーンの川上や川下等)
に新製品・新サービスを投入する多角化です。
たとえばスーツ販売店が、社内でスーツの製造も行うようなケースです。
水平型と比べると、技術・ノウハウの獲得、新設備の導入などの
多角化の負担は大きくなり、リスクは高くなります。
3つ目は、集中型多角化です。
いままでの技術・ノウハウとの関連性が高い新製品・新サービスを、
異なった市場に投入する多角化です。
たとえば「カメラメーカーが医療用レンズを開発するようなキャノンのような
ケースです。
4つ目は、集成型多角化です。
いままでの技術・ノウハウ・市場とも全く関係ない事業
に進出する多角化です。
他の3つとは異なり、相乗効果・シナジー効果が低く、
またリスクも高くなります。
ソニーは、エレクトロニクスをはじめとして
ゲームやエンターテインメント、音楽、映画、金融など
幅広い分野で多角的に事業を展開しています。
ソニーが多角化戦略で成功したポイントは、
映画や音楽などの分野からではなく、
技術力を活用できる分野から事業を展開したことです。
他にも多角化戦略の成功事例としては富士フィルムがあります。
富士フィルムはデジタルカメラや化粧品、医薬品、再生医療などの分野で
多角的に事業を展開しています。
写真フィルムの需要低下を見据えて早期に事業を多角化したことと、
既存事業の技術の新規事業に活用したことです。
写真フィルムの主原料であるコラーゲンやフィルムの劣化を防ぐ抗酸化技術は、
化粧品と親和性が高く、機能性を重視した化粧品を開発することで
競合他社との競争力を維持しています。
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