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1.5-32 巻き返し
「落ち着いた?」
「はい。お姉様」
そう答えるソラナは、エブモスと一緒に座っていた。
見覚えのある部屋。
オズモの研究室だった。
「それで、リック君は見つからず?」
「うん!ポル兄ぃに聞いても、そんなやつはいなかった。だって!」
「デイジーさんも、消えちゃったし」
そう言って、どうしたものかなぁ。と口を尖らせるエブモス。
「もぅ!エブ子ちゃん。それ、ポルカ君の真似のつもり?」
軽く笑い、ぽんぽんとエブモスの背中を叩く。
妙に似ているエブモスのポルカドットの真似がツボに入ったのか、笑いが収まらないオズモ
「そんなに似てた?」
「うん。似てたわよ」
そう言いながら、彼女達の向かい側に座りソラナの頬に手を当てながら、エブモスにありがとうという。
「ほら、笑えてる。もう、大丈夫ね」
「エブ子ちゃんは、ほんとにすごいわ」
「わたし、何もしてないよ?」
「ううん。きちんとしているわ」
「ほら、おかげで、ソラナちゃんも」
「エブモス、ありがとう」
「わたくしと居てくれて」
「どうしたの!?ソラナちゃんまで、突然!」
「わたくし、悔しいですわ。今でも」
「だからこそ。巻き返しますわよ!」
そう言って、エブモスの手を取りぎゅっと両手で握るソラナだった。