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ソラナちゃんのいちにち-5
「さぁ!お姉さまを叩きのめすわよ」
「そして、一日デートをもぎ取るのよ!」
「ソラナ、何でもいうことを聞く権利じゃなかったの?」
「そうよ!だから、それを使って一日デートをするのよ!」
(そんなこと、ソラナがオズモさんに頼めば普通にやってくれるんじゃ)
「あっ!今、それ意味ないんじゃない。なんて考えてなかった?」
「何でバレているのよ」
「イーサソムリエの資格を持つわたくしは、そのくらい当然に気付けるのよ」
(イーサソムリエって、何?)
「いつも、お姉さまから施されるだけだったわたくしにとって、『勝ち取るデート』は意味があるものなのよ」
「それって、ソラナの心の問題じゃ」
「そうよ。だから、これは、わたくしにとって、とても意味がある行いなのよ」
「イーサにも付き合ってもらうわ、いいかしら」
(有無を言わせない勢いね)
「ただ、イーサにも、お得な事がなくちゃいけないわ」
「そこで」
「えっ、別にいらないけど?」
「?」
「どうして?」
「だって、強者との戦いでしょ。むしろ、腕がなるわ」
「コスモスの英雄、Junoさんと戦えるのよ。これ自体、もう、ご褒美よ」
(戦闘狂ですわね)
「でも、イーサにも、報いるものを渡せないとわたくしの気持ちが治りませんわ!」
「だから、後日らあなたとも出かける事にします」
「それ、別にご褒美でもなんでもないんじゃ」
「これを見ても、まだ、同じ事が言ってられるかしら?」
ちらっと、水着の胸元を開き亜空間の収納口を展開し、中からチケットを取り出して、イーサに見せるソラナ。
そこには、コスモスの外宇宙であった出来事を映像化した映画のチケットがあった。
スーリーは、カーアクションなのだが、人物によるアクションも素晴らしいんだとか。
普段は、技による戦いを主戦場とするイーサにとって、ゴリゴリマッチョな主人公やヒロインの繰り広げるアクションは、スカッとしてたまらないんだとか。
シリーズものの第六作までみたイーサが絶賛していた。
「ワイルドで、素晴らしい」と。
「それ!見たかったやつ!」
その第七作目の映画のチケットがソラナの手の中にあったのだ。
人気絶賛、なかなか席の取れない最新作をベストポジションで鑑賞出来るチケットが。
「ふふん、どうかしら?」
「ソラナちゃん!」
「何よ。きゅうに『ちゃん』って気色悪いわよ。あなた」
「でも、気に入ってくれて、よかったわ」
「さぁ、この戦い、絶対に勝ちにいきますわよ」
互いの拳と拳を叩き合い、試合会場のゲートへと向かう二人。
一方。
「やるしかないわね」
「そうだな」
「Junoが強いのは、わかるけど」
「ただ、今回は、相手が悪すぎるわ」
「そうだな」
「技に優れたイーサさん。ちからだけら、比類ないものがあるソラナ」
「タッグで相手にするには、危険すぎる組み合わせだな」
「って、そういいながら、なんか楽しそうなのよねー。あなた」
「当然よ。強い相手と戦えるんだ」
「憎しみでも、利害でもない。ただ純粋に技を競い合うフィールドで」
「これが、楽しくないわけがない」
「ちょっと、負けたら言うこと何でも聞くって約束忘れてるでしょ?」
「あぁ、そうだな。忘れてしまうくらいワクワクしているよ」
「それに、別に買ってしまえばいい話しだろ?」
「そうね」
「流石、Junoね」
「頼りにしているわ」
「サポートは、任せたわ」
「任されなさいな」
「きっちり、やり切るんだから!」
「普段研究ばかりで鈍ってないか?」
「心配無用よ」
「私、フィールドワークも得意なんだから」
そういって、抱き合い、互いの背中を叩き健闘を祈った。