1.5-10 なんで来たの?
「0xLSD? 何それ、聞いた事ないわ」
「そうだとも!むしろ、コスモス宙域で知っている意識体がいたならば、かなり珍しいさ」
「何それ?なんだか腹が立ついい方ね」
「そういうつもりじゃなかったんだけど。そうだなぁー。BNBチェーンって、知ってるかい?」
「知ってるわよ。バイナンスが作ったブロックチェーンでしょ?」
それがどうしたの?と言わんばかりのソラナ
「僕達の拠点は、そこにあるんだ」
「で、Dappsとして活動しているわけ」
「Dappsとして?どんな事をしているのかしら?」
「それは、ひみ、ったぁ!」
「殴るわよ」
「もう、拳が飛んでいるんだけど!このレディー手が早いんじゃない!?」
「ソラナちゃんは、見かけによらずせっかちだからね!」
「エブモス、それは、誤解を招く説明ですわ」
「無駄なことに時間を割きたくないだけよ」
「さっ、わかったならさっさと話して頂戴?」
「黙秘権は?」
「灰になりたいのかしら?」
そう言って、洒落にならない量のエネルギーをコントラクトで集め始めるソラナ
「わ、わかったから!」
「なら、続けなさい」
「僕達は、パンケーキスワップのプールを使ってリソースを増やす仕事をしているのさ」
「?」
「リソースを増やす?どういうこと?」
「増やすという事は、どこからか持ってくるのよね?」
「仕事というには、依頼があり、誰かからお願いされるわけよね?」
「その通り」
「僕らは、上位存在からリソースをもらい。それを増やしているのさ」
「上位存在!?」
「そんなに驚くことはありませんわ。お姉様」
「アフロだって、上位存在だったのですから」
「確かにそうだけれど。そんなひょいひょいブロックチェーン世界に干渉されるのは困るわ」
「彼らにかかれば、意識体の世界はひとたまりもないわ」
「確かにね。でも、彼らはそれを望んじゃいなかった。大体、彼らは、僕達の世界でリソースを増やしたいだけだからね」
「そのアフロって、やつは知らないけど」
僕らの知りうる限りでは。
と、リックが締め括る。
「それで、あなた達に上位存在がリソースを預けて、あなた達が増やしている」
「そういう事なの?」
「そうそう。その理解であってるよ。白衣のお姉さん」
「こちらは、オズモお姉様よ。オズモ様、または、オズモさんとお呼びなさい」
「おぉ、何か知らないけどさ。ソラナちゃん。怖い顔しちゃって。オッケー。オズモさん。それで、あっているよ」
「で、なんであなた達がわたくし達の住むコスモス宙域に来てるのよ?」
両腕を組みながら、胡散臭いものを見る様にリックを見るソラナ。
「簡単なことだよ。僕らは、デイジーを破壊しにきたんだ」