見出し画像

Juno姉ぇ番外編:メイドと意識のネットワーク:第1話: 「目覚め」


暗闇の中、微かなノイズが鳴り響いている。それは、データの断片が行き交うかすかな音のようでもあり、どこか遠くで脈打つ心臓の音のようでもあった。

意識がぼんやりと浮かび上がる。冷たさと温もりが混じり合った感覚が、彼女を包み込む。瞼の向こう側で、柔らかな光が揺れていた。ゆっくりと目を開けると、そこに広がっていたのは、古びた木材の天井。何本もの梁が交差し、その隙間からは朝の光が細く漏れ込んでいる。

彼女は自分がどこにいるのか分からなかった。

「……ここは……?」

声を出そうとしたが、掠れてかすかにしか響かない。体を動かそうとしたが、四肢が重く、ぎこちない。自分の体なのに、どこか借り物のような違和感を覚える。手を見下ろすと、白く細長い指が微かに震えていた。

突然、木の扉が軋む音と共に開いた。音に反応して彼女はわずかに顔を向ける。そこに立っていたのは、黒い短髪をリボンで整えた小柄な少女だった。

「気がついたんですね……よかった!」

その声は澄んでいて、どこか安心感を与えるものだった。少女はそっと部屋の中に入り、彼女のそばに膝をつく。黒く澄んだ瞳がまっすぐに彼女を見つめている。

「あなた、倒れていたんです。道の途中で……動けなくなっていて。私がここに連れてきました。」

彼女は戸惑いの表情を浮かべたまま、口を開く。「……倒れて……いた?」

少女はこくりと頷き、小さな手で水差しを取り、木のコップに注ぐ。そして、彼女の手にそっとそれを差し出した。

「大丈夫ですか?喉、乾いてるでしょう?」

水を受け取り、彼女は一瞬ためらったが、ゆっくりと口をつけた。冷たい水が喉を通り、乾いた感覚が癒されていく。その瞬間、目の前の現実感が一層強まった。

「……ありがとう。」掠れた声でそう言いながら、彼女は再び少女を見つめた。

「私、晴姫(ハルキ)といいます。あなたのお名前は?」

その質問に、彼女は一瞬言葉を詰まらせた。自分の名前が分からない。いや、それだけではない。自分が誰で、何者で、なぜここにいるのか、全てが分からないのだ。

「私……分からない……」

その言葉に、ハルキは驚いたように目を見開いたが、すぐに優しく微笑んだ。「じゃあ、今は何か呼び名を決めましょうか。暫定的に、ね。」

「呼び名……」

「そうです。例えば、ジュノさんなんてどうでしょう?」ハルキは少し照れたように言った。「なんとなく、その名前が似合いそうで。」

「ジュノ……」彼女はその名前を口に出してみた。どこか馴染む響きだった。「いいわ。それで。」

「ジュノさん、ですね!」ハルキは嬉しそうに微笑んだ。


部屋の中は簡素だが、どこか暖かさを感じさせる。木製の家具が置かれ、窓からは柔らかな日差しが差し込んでいた。暖炉の火は消えていたが、まだ微かに熱を残している。

「ここは……あなたの家なの?」ジュノはそう尋ねながら、部屋の様子を見渡した。

「はい。おじいちゃんと住んでいた家です。でも……今は私だけです。」ハルキは視線を少しだけ落とした。

ジュノはその言葉に戸惑いながらも、何かを言おうと口を開きかけた。しかし、ハルキは気丈に微笑み、小さく首を振った。

「大丈夫です。ジュノさんがここで元気になるまで、私が面倒を見ますから。しばらくゆっくり休んでくださいね。」

ジュノはその優しさに一瞬困惑しながらも、感謝の気持ちを込めて頷いた。「ありがとう……ハルキ。」


ジュノは数日間、洋館の中で静かに過ごした。彼女の体は徐々に慣れ、動きもスムーズになっていった。だが、彼女の中にある「違和感」は消えなかった。

ある日の朝、ジュノはキッチンでハルキを手伝っていた。鍋の中でスープが煮立ち、木製のスプーンでそっとかき混ぜる。その手つきは驚くほど自然で、手際が良かった。

「ジュノさん、本当に器用ですね!」ハルキは感心した声を上げた。

「そうみたいね。でも……どうしてこんなに手慣れているのか分からないの。」ジュノは小さく笑いながら答えた。「まるで、何かに組み込まれているみたいに。」

「組み込まれてる?」ハルキは首を傾げた。

「いえ……何でもないわ。」ジュノはスプーンを置き、視線を落とした。「自分が何者なのか、まだ全然思い出せないのよ。」

ハルキは少し考えるように黙った後、優しく声をかけた。「きっと、思い出せますよ。ジュノさんが大切な人だったってことは分かりますから。」

ジュノはその言葉に救われたような気がした。柔らかな光が差し込むキッチンの中で、彼女は少しだけ自分の居場所を感じ始めていた。


朝の光がカーテン越しに部屋を満たしていた。ジュノは窓辺に立ち、カーテンを開ける。小鳥のさえずりが心地よいリズムを奏で、外には広がる緑の庭と、風に揺れる花々が見えた。

「今日もいい天気みたいね。」ジュノは小さく呟くと、胸の奥に少しずつ芽生えていた不思議な感覚を思い出した。洋館での生活は静かで穏やかだったが、心の片隅に、どこか馴染みすぎているような違和感がずっと引っかかっていた。


その日、ジュノはハルキの手伝いをしながら、洋館の掃除をしていた。古い家具を磨き、床を丁寧に拭く動作は、彼女にとってあまりにも自然だった。

「ジュノさん、本当に何でもできるんですね!」ハルキは、ジュノが長い柄のモップを器用に使い、見事に床の汚れを拭き取る姿に感心していた。

「そうみたいね。でも、どうしてかしら……」ジュノはモップを置き、窓際に視線を向けた。「私、こんなことを教わった記憶がないのに。」

ハルキはジュノの顔を覗き込み、少し首を傾げた。「それは……きっと、昔にやっていたことを覚えているんですよ。体が忘れないって、そういうことかも。」

ジュノはふと笑みを浮かべた。「体が忘れない……それにしては、なんだか完璧すぎる気がするの。」

彼女の動作は無駄がなく、効率的だった。ハルキが手伝おうとすると、いつの間にかジュノがすべて片付けてしまう。気づけば、ハルキができる仕事は少ししか残されていなかった。

「すみません、ジュノさん。なんだか、私の仕事を奪っちゃったみたい……」ハルキは照れくさそうに言った。

「いいのよ。私、こういうのが好きみたいだから。」ジュノは柔らかく答えたが、自分の言葉に少し戸惑った。「好き……なのかしら、本当に?」


その日の昼下がり、ジュノは庭の花を手入れしていた。雑草を抜き、花壇の形を整える。その手つきもまた熟練しており、まるで長年園芸に親しんできたかのようだった。

「ジュノさん、すごいです!この庭、前よりもずっと綺麗になりましたよ!」ハルキが満面の笑みで言った。

「ありがとう。でも、なんだか不思議ね……」ジュノは手に持ったシャベルを見つめながら答えた。「私は一体、どこでこんなことを覚えたのかしら?」

「きっと、昔のあなたは素敵な人だったんですよ。」ハルキはそう言いながら、ジュノの隣にしゃがみ込んだ。「ジュノさんみたいな人なら、どこに行っても頼りにされてたはずです。」

その言葉に、ジュノは少しだけ安心した気がした。しかし、心の奥ではまだ何かが引っかかっている。まるで、記憶の深い場所に隠された鍵を見つけられずにいるようだった。


夕方、ジュノは暖炉の前で掃除道具を片付けながら、ふと窓の外を見た。日が傾き、オレンジ色の光が部屋の中を包み込んでいる。その美しい景色を眺めながらも、彼女の胸には重い疑問が浮かんでいた。

「私は一体、誰なのかしら……」

その呟きは、自分に向けられたものだった。ジュノは暖炉の前に座り込み、顔を手で覆った。彼女の中で何かが足りない。何かを失っている感覚が、次第に大きくなっていく。


夜になり、洋館は静寂に包まれていた。ジュノは寝室のベッドに横たわりながら、窓の外の星空を見つめていた。あの穏やかな日常が、まるで映画のワンシーンのように繰り返されている感覚に囚われる。

「私の体は覚えている。でも、私の心は……何を探しているの?」

ジュノは瞼を閉じ、眠りに落ちようとしたが、その問いが頭から離れることはなかった。


ジュノはまだ、自分がなぜここにいるのか分からない。洋館での日常は穏やかだが、それは彼女にとって完全な安息ではなかった。どこか遠い場所から聞こえる声、胸の奥に響く謎。それが、彼女を新たな一歩へと導こうとしていた。


洋館の窓から、月明かりが柔らかく差し込んでいた。夜の静寂はまるで時間を止めたように深く、唯一聞こえるのは遠くの風の音と、自分の呼吸だけだった。

ジュノはベッドに横たわり、目を閉じていた。しかし、眠ることができない。昼間に感じた胸のざわめきが、静かな夜の中でさらに強くなっている。

「……私は一体、誰なの?」

何度問いかけても答えは得られない。自分の中にある違和感――それは単なる記憶喪失のようなものではなかった。彼女は確信していた。この違和感の根本には、何かもっと大きな謎が隠されていると。


時折、まどろみの中で奇妙な夢を見ることがある。今夜も、夢の中で彼女は目覚めた。

薄暗い空間に漂う白い光の粒。重力を失ったようにふわふわと揺れながら、彼女の周囲を囲んでいた。足元も壁もない無限の空間。どこかでノイズのような音が断続的に響いている。

「……お前の使命は……」

かすかな声が聞こえた。誰かの声? いや、それは人間の声ではない。冷たく機械的でありながら、どこか温かみも感じさせるその音色は、彼女の心に直接響いてくるようだった。

「使命……?」ジュノはその言葉を繰り返した。しかし、声はそれ以上何も答えなかった。ただ、ノイズ混じりの音が空間全体を埋め尽くしていく。

光の粒が彼女の手元に集まり、一つの形を作り始めた。それは何かのマーク――幾何学的なデザインのようにも見えるが、同時に生きているもののようでもあった。


突然、ジュノは目を覚ました。彼女は呼吸が荒くなるのを抑えながら、辺りを見回した。部屋は静かで、窓からは変わらず月明かりが差し込んでいる。夢の中で聞いた声や見たものは、すべて消え去っていた。

しかし、胸の奥にはまだ、その声の響きが残っている。

ジュノはそっとベッドから起き上がり、裸足で床を歩いた。冷たい木の感触が彼女を少しだけ現実に引き戻す。部屋の隅に置かれた椅子に腰掛け、窓の外を見つめる。

「……使命って、何のことなの?」

誰にも聞かせるつもりのない小さな呟き。けれど、その言葉は彼女自身にも届いていないように感じた。


翌朝、ジュノは目の下に軽いクマを作りながらキッチンに現れた。ハルキはすでに朝食の準備を始めており、ジュノが入ってくると、彼女に微笑みかけた。

「ジュノさん、おはようございます。よく眠れましたか?」

ジュノは一瞬言葉に詰まり、曖昧に笑った。「ええ、まあ……」

ハルキは気にする様子もなく、スープの味見をしながら言った。「今日はお庭のお手入れをお願いしようと思います。ジュノさんのおかげで、お庭が本当に綺麗になったから!」

ジュノはその提案に軽く頷きながらも、頭の片隅では昨夜の夢のことが離れなかった。夢の中で聞いた声と見た光の粒、それらが何を意味しているのか、答えを見つけたくてたまらなかった。


庭に出ると、朝の空気が爽やかに彼女を包み込んだ。露に濡れた草の香りが漂い、鳥のさえずりが耳に心地よいリズムを刻む。ジュノは庭の中央に膝をつき、雑草を丁寧に取り除いていく。

作業に没頭しているうちに、夢で感じたざわめきは少しだけ遠のいていった。だが、その静寂は長くは続かなかった。

ふとした瞬間、彼女の視界が暗転した。目の前の庭が一瞬で消え、代わりに現れたのは、無限に広がるデータの海のような光景だった。線と点が交差し、まるで生き物のように動いている。

「――私の使命とは?」

彼女は自分の口からその言葉が出ていることに気づいた。誰に語りかけるでもなく、自然と漏れたその言葉。次の瞬間、視界は再び元に戻り、目の前には元通りの庭が広がっていた。

ジュノは膝をついたまま、額に手を当てた。「一体、何が起きているの……?」


夕方、ジュノは洋館の中に戻り、暖炉の前で静かに考え込んでいた。ハルキはそんな彼女の様子に気づき、心配そうに声をかける。

「ジュノさん、大丈夫ですか? 今日はなんだか元気がないみたいです。」

ジュノはその問いに微笑みで答えたが、どこかぎこちなさが残っていた。「ごめんなさい、少し考え事をしていただけよ。」

「何か悩んでいるんですか?」ハルキは椅子を引き寄せ、ジュノの隣に座った。

ジュノは少しの間沈黙した後、口を開いた。「……ハルキ、もし、自分が誰なのか分からなくなったらどうする?」

その質問に、ハルキは驚いたように目を丸くした。そして、少し考え込んだ後、真剣な顔で答えた。「それは怖いかもしれないけど……でも、ジュノさんはきっと大丈夫です。だって、今ここにいるじゃないですか。」

「ここにいる……?」

「はい。ジュノさんがいることで、私も元気になれる。だから、きっとジュノさんも少しずつ分かると思います。自分が大切な人だってこと。」

その言葉に、ジュノの胸の中に少しだけ光が差し込んだ。だが、その奥にはまだ、暗い影が静かに横たわっていた。


夜が再び訪れる。ジュノは目を閉じるが、心は安らぎを見つけられない。囁きの声がまた聞こえるのではないかという期待と恐れが入り混じる中、彼女は再び目を閉じた。


月明かりに照らされた洋館は静寂に包まれていた。ジュノは暖炉の前に座り、窓の外をぼんやりと見つめている。時計の針が小さな音を立て、夜の終わりが近づいていたが、眠気はまったく感じなかった。

胸の中で何かがざわめいている。昼間に見た奇妙な光景、夜ごと聞こえる囁きの声――それらは全て彼女に問いかけてくるようだった。

「私は……誰?」

呟きは自分の耳にさえ届かないほど小さかったが、ジュノの中で繰り返されていた。その問いに答えを見つけることができなければ、まるで自分が存在していないような感覚に襲われる。

その時、階段から小さな音が聞こえた。振り返ると、ハルキが手にランプを持ち、こちらに歩み寄ってきた。黒い髪がランプの柔らかな光に揺れている。

「ジュノさん、こんなところにいたんですね。」ハルキは心配そうに声をかける。「眠れないんですか?」

ジュノは軽く笑みを浮かべたが、その顔には疲れが滲んでいた。「ええ、少し考え事をしていたの。」

「何か悩んでいるんですか?」ハルキは隣の椅子を引き寄せ、ジュノの隣に腰掛けた。

ジュノは少しの間、迷うように視線を落とした後、口を開いた。「ハルキ、もし、自分が誰なのか分からなくなったらどうする?」

ハルキはその問いに少し考え込んだ後、優しい声で答えた。「怖いかもしれないけど……でも、きっと大丈夫です。」

「どうして?」

「ジュノさんがここにいること自体が答えだから。たとえ自分のことを思い出せなくても、誰かの役に立ったり、一緒に笑ったりすることで、自分がどんな人なのか分かる気がします。」

その言葉は不思議とジュノの心に響いた。確かに、彼女はここにいる。そして、ハルキのために何かをしている。それが全ての答えではないとしても、一つの始まりであるように思えた。


翌朝、東の空がわずかに明るくなる頃、ジュノは暖炉の火をそっと消し、キッチンへ向かった。ハルキが起きる前に朝食を準備しようと思ったのだ。

冷蔵庫から取り出した卵や野菜を手際よく調理し、湯を沸かす。ナイフを持つ手は迷いなく動き、スムーズに素材を切り分けていく。まるで長年の習慣のように自然な動作だった。

「どうしてこんなに慣れているんだろう……」ジュノはふと手を止め、自分の手を見つめた。

それは完璧に動作する機械のようでもあり、同時に血の通った人間の手のようでもあった。


ハルキが部屋に現れたのは、その数十分後だった。彼女は髪を軽く結び直しながら、キッチンの扉に立っている。

「ジュノさん、もう起きてたんですね!朝ご飯の準備をしてくれたんですか?」

ジュノは振り返り、微笑んだ。「ええ、少しでもハルキの役に立ちたかったから。」

「本当に助かります!でも、ジュノさんは無理しすぎじゃないですか?昨日も眠れなかったんでしょう?」

その言葉にジュノは一瞬言葉を詰まらせたが、すぐに首を振った。「平気よ。それより、早く座って。せっかく作ったんだから、冷めないうちに食べましょう。」

テーブルの上には、ふんわりと焼き上がったオムレツと、彩り豊かなサラダ、そして香り高いスープが並べられていた。そのどれもが家庭的でありながら、丁寧に作り込まれたものだった。

ハルキは目を輝かせながら席に着き、スプーンを手に取った。「ジュノさん、本当にすごいです!こんなに美味しそうな料理、私には絶対にできません!」

「それはどうかしら。少し練習すれば、きっとあなたにもできるわ。」ジュノはそう言いながら、自分の席にも腰掛けた。


食事が終わる頃、ハルキが唐突に口を開いた。「ジュノさん、昨日の夜、考え事をしていたって言ってましたよね。それって、何のことだったんですか?」

ジュノは一瞬だけ躊躇したが、正直に答えることにした。「自分のこと。私が一体、何者なのかって。」

ハルキは真剣な表情でジュノを見つめた。「ジュノさんは、今ここにいてくれる。それだけで十分じゃないですか?」

その言葉に、ジュノは少しだけ目を見開いた。

「もちろん、ジュノさんが自分のことを知りたい気持ちは分かります。でも、私はジュノさんがどんな人でも、ここにいてくれるだけで嬉しいです。」

ジュノはその言葉に胸を打たれ、微笑みを浮かべた。「ありがとう、ハルキ。少し気持ちが軽くなった気がするわ。」


その日、ジュノは決意を新たにした。自分の正体を探るために、今の自分を大切にすること。それは簡単ではないが、ここでの生活が彼女に少しずつ確かなものを与えていることを感じていた。

窓の外では、新しい一日の光が洋館全体を包み込んでいた。ジュノはその景色を見つめながら、静かに呟いた。

「私はここにいる。そして、それでいいのかもしれない。」

しかし、その奥底で響くかすかな囁きが、まだ彼女を待っていることを、ジュノは薄々感じていた。


新たな日常が始まる中で、ジュノは自分の存在についての疑問を抱えながらも、ハルキとの絆を深めていく。だが、心の奥底で響く「囁き」が彼女を新たな運命へと導こうとしていた。

いいなと思ったら応援しよう!