3.54章空中都市MakerDAO
肩で息をするクニ
正確には、そのメイン人格は、キャプテンだが。
軽口とは別にその表情には余裕といったものがなかった。
(PoSの成長を担当するフォーク体エックスの体を持つこの体を持ってしても、まったく敵わないなんてどんな強敵でだよ)
双剣に目を落とす。
刃の部分は、刃こぼれしており、本体にも大きく亀裂が走っていた。
(人型があそこまで、やばいなんてね。これまでのdapps達とは逆じゃないか)
空中都市MakerDAOに乗り込みPoSとPoWのコアを回収しようとしたところ、人型に戻ったMakerDAOの強襲にあった。
都市へと足を踏み入れたクニに対して、巨大な銃口から一撃をはなった人影。
不意打ちの一撃を回避しようとした矢先に繰り出された長槍での薙ぎ払い。
その一撃で、双剣にひびが入り、そのまま都市の排気口へとわざと叩き落された
(あのまま戦っていたとしても、勝ち目が薄かったからね)
(さて、どうやってあの化け物を倒して、コアを回収したものか)
(化け物って、あなたも大概じゃないの?)
(はっはは!なんだクニ、起きていたのか)
(起きていたのか、じゃないわよ)
(人の体、勝手に使った上で勝手に負けて)
(手足が痛すぎて起きちゃったじゃない)
(私は、もう少し寝ているから、キャプテン、事態の収束、お願いね)
(やれやれ、これじゃー、キャプテンじゃなくていちクルーだね)
(いや、船そのものに言われているんだから。キャプテンか)
そんな考えをしながら、何とか勝つ方法はないかと空中都市の地下部分を探るキャプテンであった。