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日常パート:正月

『『明けましておめでとうございます!』』
『『今年もよろしくね/よろしくなのだわ』』
エブモスの家の新年がはじった。
お雑煮を食べ、新年の特番を見る。
丁度、IBC駅伝が開始されていた。
今年の参加校の紹介が行われている。
それらの音を背景に会話する。
新年の初詣、どこに行こうか。
そんなとき、チャイムが鳴る。
『だれなのかな?ちょっとわたしが行ってくるね。ほら、アバランチ姉ぇは、お餅に集中!』
シークレット君が大量に送り付けてきたお餅。
どうやら、年末に大量に作ったみたいだった。
(発掘調査とはいったい!!?)
『はぁいエブ子ちゃん、お姉さまですよーただいま!そして、明けましておめでとーーー』
エブモスに抱き着いてきたオズモさんを躱し、『おめでとうオズモさん』そうあっさりと返す。
『うーん、つれないわー』
『そんな急に抱き着かれたら、エブ子とて驚くであろう』
『エブ子、久しぶりではないがな、明けましておめでとう』
そう続けるJuno姉ぇ
『Juno姉ぇーーー、おめでとう!』
抱き着くエブモス
『対応違くない?』とオズモ
『いや、日々の行いの差だろう?』とJuno姉ぇ
『そういえば、シークレット君やノノちゃん達は?』
『あー、彼女たちなら後でゆっくり帰ってくるわ』
『私だけ、一足先に帰ってきたの』
『研究所に届けるものがあったからね』
『でも、それも終わったし』誰に聞かせるでもなく紡がれるセリフ
いや、これは
『素敵な和服があるのよ』
今日は晴れの日でしょ?ならば、着たり着せたりしなきゃもったいないじゃない!!
でた!オズモさん特有の煩悩!
『そう、今日は美少女に合法的に可愛らしい着飾りを勝手にできる素晴らしい晴れの日!!』
『昔の文化人、よくやってくれた!!今日の自分よく仕事を終わらせた!!さぁ、条件はそろったわ!!レッツ着せ替えタイムよ!』
『煩悩爆発だな、オズモ』普段あまりつっこまないJuno姉ぇがつっこむ。
『何を他人事の様に!!、貴女も対象なのよJunoさん!!』
『えっっ///』
まさかのターゲッティングに、びっくりするJuno姉ぇ
オズモの美少女認定を受けるとは思わなかった。
『美少女』かぁ、でも自分はそんな年ではないし、と奥に引っ込むつもりが引っ張り出された。
『うんうん、自己評価低すぎよっ!!』
『あのとき、12年前戦場で見た貴女はまさに、戦乙女、戦う美少女だったわ』
『今は、内に乙女を抱え、色気が増した、いうならば純潔の女王よ!いいわ、すごくいいわ!!』
そういって、自分の世界に入り始めるオズモさん。
どうやら、この年末で新領域に目覚めたらしい。
流石、最新科学研究所所長。領域を拡大することに仕事もプライベートもないらしい。正直節操がない。
で、具体的には、何をするかというと。
『初詣よ!!』
『さぁ、我らのフロンティアに進むわよ!』そういうと、エブモスの家に上がり始める。
『何がフロンティアよ!!人の家なのだから少しは静かにするのだわ!!』
アバランチ姉ぇが正論を言った。
『ふっふっふ、正論なんかに屈しないわ~』そういうと転送ゲートを起動させ可愛らしい着物を取り出す。
(いつの間にそんな技を!!)
『ふふ、可愛らしい妹が協力してくれたわ~』
(ソラナちゃんだ、これ、ぜったいソラナちゃんが主犯だ!)
お姉さま!とオズモを呼ぶソラナがエブモスの頭に再生された。
ゲートから取り出された赤を基調とした着物、サイズは恐らくアバランチ姉ぇにぴったりのはず。
デザインもアバランチ姉ぇの朱色の髪に似合うようなもの、恐らく絶世の着物美人の出来上がりだ。
それをアバランチ姉ぇに渡した。
それとは、サイズが異なるものピンク色を基調とした可愛らしいつくり、それは『はい、エブ子ちゃんのものも』
と渡された。
『ありがとう、オズモさん!』お礼は素直にいう。
でも着付けが、『着付けだったら任せるのだわ』力強い姉がいた。
『さて、二人はこれで、よし!よ』
そういうと、オズモはJuno姉ぇに向き合った。
ふむ、どうしてくれようと考えこむように下を見て目を閉じる。
『いや、無理ならいいんだ、私はこのまま、初詣に』
『いーーーかせるものでーすか!こんな極上の素材調理しなけえれば!神様にもうしわけないわ!!』
めちゃくちゃなセリフを言い始めるオズモさん
『しかし、この年で派手なのは恥ずかしい!』
『その年で!とかいうんじゃありません!女の子はいつまでも女の子なのです!可愛いものは可愛いといっていいんです。身に着けていいんですよ!』
まるで、年齢によって女性の価値が決まるなんてお話しをしている男性に向かってプロパガンダを掲げる活動家の様に力強く言い切るオズモさん。
こんな力強いオズモさん、見たことない。
正気じゃないけど、強気。
『まずはこれよ』取り出したるは、色を出すためのスプレー、でもその前にシャンプーとヘアコンディショナー
『お風呂場借りるわよ!』『あなた、仕事から帰ってからお風呂はいっていないわね』『ああ、忙しかったからな』『だめよ、まずそこから』
『あなたを磨くわ!!』『えっちょっと、それって』『まってまって、あーーーー』





その声とともに拉致されるJuno姉ぇ、オズモさんに洗われてしまうんだ。あれから。



暫くして、2人、エブモスとアバランチ姉ぇの着替えが終わった。
まず、エブモスを着付けその後、アバランチ姉ぇが自分で着た。
ふたりとも、絵になるくらい美しい姉妹だった。

『磨ききってやったわ!』満足げに風呂から上がるオズモさん。
ノンメイクでもはっきりした目鼻立ちと肌から立ち上る自身、そして、大きな胸が強調されていた。
『ほら今から着付けするから、ヘアメイクからはじめるわよ』
そういうと後ろに隠れていたJuno姉ぇがオズモさんにより前へ出された。
均整の取れた体形、普段から鍛えられた引き締めらえれた体、しかし、胸は大きくきっちりと。
いつもは、そんなに目立たないピンク色の髪の毛も仕事でくすみがかっていたのか、よく洗髪されたそれは、
ピンクゴールドの光を放っていた。
控えめにいって『女神!』エブモスがいう。
『/////』めちゃくちゃまっかになるJuno姉ぇ。
鬼神だ、勝利の女神だ、作戦の最終兵器だとか、呼ばれて褒められることはあれど、
美しいとこんなにまっすぐに褒められたことが無いJuno姉ぇ。
その感情をどうすればいいかわからず『あぁ、ううー』とか困っているのは控えめにいて可愛かった。
『あーん、もぅ、可愛い!これは、お持ち帰りしてお嫁さん案件ね!』
オズモさん限界点だ。婚活限界女子じゃない。婚活限界女子に限界女子だこれじゃ。
『あっはい、不束ものですがよろしくお願いします』
ボケなのか本気なのかわからない返しをしはじめるJuno姉ぇ
特殊空間を形成しはじめる二人。やばい、頭にちょうちょが見える。
『あーーー二人とも少し正気に戻るのだわ!』
そういって、人肌と同じ温度の麦茶を2人に振舞った。

少しだけ、正気に戻る2人。
そこからメイクと着付けが始まる。
その様子をしげしげと見るエブモスとアバランチ姉ぇ。
嘘みたいにプロの様なメイクとヘアメイクを始めるオズモさん。
この人は何者なのだろうか。
凄腕の科学者でもあり、医者、そしてプロのメイクとヘアメイク、あと変態では語り尽くせない特殊性癖の数々。
神様が、オチをつけたあといくつもの才能与えたような人
そう考えている間に、着付けまで完了していた。
すべて、やれることはやったわ。
そういうと、そこには一人の大和撫子がいた。
神々しい光すら放ち、艶めかさと可愛さ、清楚さを同居させたような女神だ。


『さぁ、私も変身を完了させるわ!』
どこから取り出したのか、ブレスレットを装着して、トランザクションを打つ。
強い光を放ち、変身が完了する。
色っぽい着物に身を包んだ花魁の様な姿、清楚とは程遠いが、彼女のシンボルカラーの水色が清楚さをわずかに飾る。


Juno姉ぇとは、ことなる方向性の美しさ。
『オズモさん、最初からそれをJuno姉ぇにしたらよかったんじゃ』
『だめ!!それは、風情というものがないのよ!!それじゃ彼女に本気の輝きを与えられない!それは、却下だわ!』
『自分はいいの!』
『私は、どんな状況でもフルスペックがだせるわ。でもね、自身を失っていたものにとってそのプロセスも大切なのよ!』
『あなたたち、どこの最終決戦のセリフなのよ!エブ子も悪ノリするのはやめるのだわ。収集がつかなくなるのだわ』
そう、アバランチ姉ぇが締めくくる。

『さぁ、神社にいくわよっ!』
気合を入れて宣言したオズモ
この4人、特にこんなことを普段しない2人がが神社の話題となったのは、わかりきったことだった。
その後、通りかかったテレビ局によって美しすぎる軍人、妖艶な科学者と特集が組まれたのは、また、別のお話し。

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