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1.5-42 遅かったじゃないか
「やぁ、遅かったじゃないか」
右手をあげて、軽く挨拶するようにヒラヒラと振るリック。
彼の足元には、粉々になった橙色のコアが散らばっていた。
「何しているのかしら、リック」
底冷えのする声で、ソラナが尋ねる。
瞬きひとつせずに、その空色の美しい瞳は、粉々になったコアへと注がれていた。
「これかい?これはだね」
「あなたに時間をあげる。特別よ。だから、手短に説明なさい」
「説明って、僕がそれを君に」
爆音がし、リックの足元が抉れる。
硬質な床を吹き飛ばし、剥き出しの地面をさらす。
「言い訳は、不要よ。次はないわ」
「わかった」
「リック!」
「ゼクセルさま、言いたい事は、わかりますが、これもけじめなので」
「ここで、我々が一方的に攻撃しては、それはただの侵略者と変わらなくなってしまうが故に」
「わかったよ。真面目なんだね。リック」
「ありがとうございます」
「さて、どこから話そうか」
そう言って、リックは、ソラナ達に語り始めた。