0.2 約束だからねっ!
「あら、遅かったわね」
「うー。テストの結果が良くなかったから居残りだったんだよ」
「あなた、あまり頭良くないのね」
「ストレートだね!アヴァリアちゃん」
「ありのままを伝えただけよ」
「気遣いのカケラもないんだよっ」
「そんなことは無いわ。正直に伝えなければあなたが気付いて治せないのだもの」
「すごい自信だね!」
「えへん」
「エブモス。独特な子だね」
「そうなんだよっ。シークレットくん!」
「でも、悪い子では無さそうね」
「う、うん。多分」
「ただ、距離が近いわ!」
「もし、仮に悪い子で、私の兄様を誘惑しても私が渡しはしないわ」
シークレットの目をまつ毛が触れる距離で見つめるアヴァリアを引き離そうと引っ張るシェード。
静かに宣戦布告していた。
「うん。嘘は言ってない。でも、あなた。何か隠してるわ」
「それは、『シークレット』だからね」
秘密の一つや二つ、誰にでもあるものだよ。
と、口にするシークレット。
「確かに、否めない」
うん。と頷き肯定するアヴァリア
「さて、エブ子ちゃんも戻って来てくれたし私の歌を聴いてもらうわ」
そう言って、大きく手を開き歌を歌い出す。
まるで、新たな世界の始まりを宣言するかの様に、歌を唄い始めた。