「解らなければ飛ばして次へ」の罠

どんな勉強でも「わからなければ飛ばしてよい」と、特に初学期にはよく言われます。
あとから出てくる規定との建て付けを含めて理解しないと意味がわかりにくかったりするためです。当然、全体の学習を何周も繰り返す事を前提にそのような学習法が広く推奨されています。私も何の異論もありません。
ただし、この学習法の落とし穴が正しく語られているのを見かけた事がないので、以下に平易にまとめてみました。みなさんはそういう学習法が習慣になってしまい、試験の直前になってもまだ同じように進めていませんか??

試験直前期の学習は一定の時期からは意識的にまったく逆に「解らなければ解るまで掘り下げる」という作業を抜いてはいけません。
試験問題はまさにそういう箇所を選りすぐって出されます。
本試験で残りの2肢が切れないで当てずっぽうになったというのはそういう曖昧なままの知識が問われた結果なのです。
ラストスパートはもう8割見飽きた規定の中から覚え違いをしているものや、難易度が高いから置き去りにされた部分を探しながら進める事になりますから、地味で苦痛に満ちた勉強になります。必然的についやりたくない作業になりますから、強い意識で臨む必要があります。

本試験を僅差で涙を飲むのはこのプロセスを経ず、安易にやるところが無くなったという判断で、新しい教材に手を出したりする人です。
新しい教材は字面や表現の違い、少し角度の異なる出題に対応できる事が確認できるため、安心感は得られますが、事実は完璧に理解した所はもう解けて当たり前だし、詰めが甘く、曖昧な部分はやはり解けないのです。年度別過去問はすべて合格ラインを超えたのに本試験で歯が立たなかったというのはこうした所に原因があるように思います。
なおかつ自分にとって不完全なポイントを探すためには余分な時間が必要となり非効率この上ありません。

私はどんな勉強にも自分に対する戒めとして念頭にしているのは、

「すべて理解できたと思ってからが本当の勉強だ。」

という事です。

以上の事をできるだけ効率的に学習する方法についても少しずつ紹介していきたいと思います。

以上、終局を迎えての学習法で陥りやすい罠を解りやすくするために簡素化したので、一点だけ補足を。
すべての知識を徹底的に掘り下げようとはいいましたが、最後まで解らないままでもいいものも過去問等には存在します。4肢択一問題はその性質上、1肢は極論すればその試験にまったく無関係な事案を加えていても成立します(残りの3肢について知識が正確であれば消去法で無視できるという意味です。)ので、いかにも重要な論点のごとくほとんど目にしない規定がまことしやかに加えられてる事が珍しくありません。
その判別は初学者には少し難しいかも知れません。おおむねその周辺の知識をテキストを探してみても出てこない場合、それに当たると言っていいかも知れません。
この辺の詳細は「4肢択一問題の特徴」としてまた後日。。

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