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不定期連載小説『YOU&I』24話

中野と市ヶ谷が楽しそうにゲームをしている姿を見て、心に棘が刺さったような感覚を、國立は「嫉妬」だと自覚した。

その瞬間に怒りを覚える。それは市ヶ谷に向けたものではない。自分自身に向けたものだった。

(……なんで俺は友達に嫉妬なんてしてるんだよ。情けないにも程があるだろ)

國立にとって、市ヶ谷のはただの友達ではなかった。まだ知り合ってから日は浅いものの、ここまで仲良くなれた人は今までいない。

ご飯や服を買いに色々なところに連れて行ってもらいたくさんのことを教えてくれた。格好良くて人気者なのにそれを鼻にかけることもなく、自分とも対等に接してくれる市ヶ谷は、友達でもあり憧れでもあり尊敬もしていた。

そんな友人に対して自分は嫉妬心を抱いている。

そのことが許せなかった。

(もう本当に中野さんのことを気にするのはやめよう。このままだと冬真との人間関係にも影響するかもしれない)

國立は、ついこの間中野に対する恋心に気づいたばかりだったが、諦める選択肢を取らざるを得なかった。

市ヶ谷に嫉妬心を抱いてまで中野のことを好きでいたくない。そう思い、自分の心に更に重い蓋をすることにした。

しかし現実はそんな簡単には割り切れない。

頭の中ではそう考えているものの、目の前には市ヶ谷と中野が二人肩を並べている。神田の言う通り、國立から見ても二人の息はあっているように感じた。

その現実が國立の心にさらなる棘を突き刺していく。中野のことは諦めたいのに気持ちは変わらない。市ヶ谷に嫉妬なんて抱きたくないのに心が痛む。

ゲームで楽しむ市ヶ谷たちをよそに、國立は一人心に傷を負っていた。

▶To be continued

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