イギリスのティーン探究者との意見交換・こども家庭庁訪問
7月30日にイギリスのティーン探究者とオンラインでの交流、8月5日にこども家庭庁に訪問し、職員の方との意見交換を行いました。
ティーンボイスプロジェクトとは、国立成育医療研究センター、一般社団法人Everybeing、フリー・ザ・チルドレン・ジャパンの3団体で構成されたコンソーシアム「Every Child’s Voice」で実施しているプロジェクトです。
このプロジェクトでは、コロナ禍でどのような対策が良かったのか、悪かったのかについて検証し、地域や学校、国に対してより良いあり方について提案をしていきます。
ティーン探究者たちは、コロナ禍で様々な影響を受けた子ども世代のウェルビーイングやメンタルヘルスについて、考えたり調べたり、対話をすることを通して、提言を考えていきます。
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【イギリスのティーン探究者との意見交換】
この日は、4月末から政策提言に向けて取り組んできたことを日英それぞれのティーン探究者が発表しあい、共通の課題や願いについて話し合いました。
日本側は、”子どもが部活・学校・日常生活など幅広く相談や話ができる場所や機会について”、”すべての子どもにわかりやすい情報を伝える方法”、”子どもの声が聴かれ、子どもにとってウェルビーイングな学校や地域の仕組み”、”子どもが自分の心の状態について相談できる仕組み・体制・情報について”、”子どもに関わることに子どもの声が聴かれ、参加する方法・仕組みについて”、
、”子どもと大人が心のケアをできる仕組み、学校で子どもと大人が話し合う機会について”などのテーマごとに身近な人にインタビューを行いました。、
その結果、共通している願いとして、以下のようなことがわかりました。
社会のあらゆるフェーズにいる人々が
①子どもの権利を理解し、
②子どもは「社会の一員である」ということを理解し、
③子どもの声を聴いたり、子どもにわかるように情報を伝えたりしてほしい
また、各チームからは、「子どもたちがないがしろにされていると感じる」「子どもたちの考えや意見や気持ちが大切にされていないと感じる」「子どもの権利の保障という意識が大人側に足りていない」「などインタビューでわかったことを伝えました。
イギリス側は、調査で孤独感や困難、不十分な支援や情報源について注目し、
例えば政府に対しては「情報格差を埋める」、「メンタルケアへの資金援助を増やす」、「政府は公的支援のアクセス方法をより明確にする」、「医療提供者と協力して信頼できる情報源を示し、誤情報を打ち消す」、「必要としている方へより多くの経済的支援を提供する」といった政策提言がなされました。
その後、日本とイギリスのティーン探究者とで意見交換をし、「メンタルヘルスについてもっとサポートすること」や、「正確な情報へのアクセスをしやすくすること」、「子どもの声を聴くこと」などが共通の提言や願いとして挙げられました。
「子どもの声を聴くこと」に関しては、イギリスでは学校や、省庁などいくつかのレイヤーで「声を聴く」はなされているが、聴かれた声がどのように反映されたかのフィードバックが未整備だとティーイのメンバーが感じていること、日本にでは、日常・学校・地域や政策など様々なレイヤーで子どもの声が聴かれていないと子どもが感じている現状も明らかになりました.
【こども家庭庁訪問】
この日はティーンメンバー8名がこども家庭庁を訪問し、訪れたメンバーは先日の提言と同じ内容をこども家庭庁や文部科学省の職員の前で発表しました。
発表を聴いた職員からは、「リアルな声をインプットしてくれたのがよかった。なるべくいろんなものをインプットしてほしい。」「今日のお話で参考にできるものがあったと感じた。文科省ができることとしては良い取り組みを周知していくことだと思う。情報をわかりやすく伝えてほしいという話もあったが周知を頑張っていこうと思う。」といったコメントがありました。
発表後には、こども家庭庁の職員の方に普段の仕事内容や子どもの意見を聴くためにどのような取り組みをしているかなどをお伺いしたり、ティーンメンバーの提言がどうしたら実現するためのヒントとなるお話を聞かせていただきました。
春から始まったティーンボイスプロジェクトもいよいよ大詰めを迎えます。
今後はこの2回の意見交換の内容を踏まえ、6チームの願いや課題を1つにまとめた「提言」を作成し、国・自治体・地域・学校などに分けて、それぞれ自分の願いや提案が社会の中に溶け込んでいくように働きかけていきます!
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主催:Every Child’s Voice (構成団体:国立成育医療研究センター/ 認定NPO法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパン/一般社団法人Everybeing)
助成:公益財団法人CBGMこども財団/日本学術振興会 英国(UKRI)との国際共同研究プログラム/デロイトトーマツ ウェルビーイング財団