人間の究極の心理戦を見せつけてくる「地面師たち」から感じる「違和感を無視しないこと」【失恋から立ち直る方法●】[2024/10/25]
プレ交際の人、お見合いした人、相席で会った人と10月入ってから話した3人の男性から面白かったと教えてもらったNetflixのドラマ「地面師たち」。
何となくウォッチリストには入れていたが、立て続けにレコメンドされたもので、そんなに評判良いなら見てみようかなと軽い気持ちで視聴開始した。
元々綾野剛さんは好きな俳優さん(空飛ぶ広報室とか実は好き)で、彼の出ている作品は結構優先的に観ているので丁度いいやという感じぐらいだったが、早々にこれは面白いわ!と確信した。結果、2日で最後まで見切った。
どちらかというと、思春期に好んで読んでいた社会派サスペンス寄りの作品だ。この原作がモデルとしている某大手住宅メーカーが被害にあった地面師詐欺事件は、もちろんリアルタイムでニュースとして知っている。
その頃NHKか何かの番組で、役割分担して犯罪が行われる手口を説明していたのを見たことがあり、内容としては入りやすかった。
全7話でちょうど話がまとまっており、登場人物の数も理解できないほど多い訳ではない。
このドラマは地面師側と警察側、騙す側と騙される側両方描いているが、どちらかといえば、主人公綾野剛演じる拓海が生業とする地面師側にフォーカスされている。
地面師って頭が良くないとなれない。
元不動産営業の拓海をはじめ、北村一輝演じる図面師、ピエール瀧演じる元司法書士、小池栄子演じるなりすましのプロ、染谷将太演じるハッカーなど、普通にその道で仕事していても十分食べていけるような人たちだ。
中でも、地面師集団ボスのトヨエツの存在感が凄まじくて、なかなかのサイコパスっぷりで血なまぐさい描写も多いのだけれど、あまり途中で見飽きるという感覚を得ることなく、スーっと見続けられた。
究極の選択を迫られたときの人間の心理や、何が判断を狂わせるのかみたいな部分が手に汗を握るようによく伝わってきた。
ネタバレ記事にはしないつもりだが、トヨエツが「人がゴロゴロ死ぬようなヤマにしましょう」と言っただけあり、前編のほぼ8割使って描かれるコアとなる事件では、「えっ、ここで死ぬんや」って感じで登場人物たちが消えていく。
特にそういうシーンが、配信もの特有のカメラの視点が結構切り替わる感じで生々しさがあり、刺激に弱い人はちょっと辛いかもしれない。
表現方法は置いておいても、有頂天になっていた人間が騙されたと気づいて、叩きのめされるように崩れ落ちるシーンや、怒りの持っていきどころがなく暴れたり慟哭するシーンには、あー、、という感覚になる。
騙される側の主要人物が、出世欲に燃えるイケイケ男性(欲が強い人は全般的に欲が強いという感じの演出)なのだが、やっぱり生きていて調子乗りすぎるのは怖いな~と思った。
そして、山本耕史って改めてイケメンだし、リリー・フランキーって良い味出すなぁという感想。池田エライザ演じる倉持みたいなパンツスーツが似合うカッコいい女性が好き!(4年前の記事と同じ事を書いている。)
詐欺ってやっぱりどこかそこに至る過程で違和感があるのに、それを手に入れた後の自分のメリットやデメリット回避に目が眩んで、正常な判断ができなくなっていて騙されているのだ。周りの人から何回か忠告があっても、それに耳を貸さず突っ走る結果となる。
何でも自分に置き換えるのが良い訳ではないけれど、婚活ひとやま越えたところで視聴したもので、やっぱり交際していて、何か違和感を感じる関係というのは見過ごしてはいけないのかもなと思った。
例えば好きな気持ちが盛り上がりすぎていたり、相手の良いところばかりしか目に入らなくなっていると、感覚で捉えていることを無視しがちだけれども、自分が感じる違和感みたいなものは大事にした方がよさそうだ。
娯楽で観たはずだけれども、何だか学びになっているかも?
必要なときに必要なものが与えられているな、と感謝。
普通に面白いドラマなので、観れる環境があってまだの方にはオススメします!