人それぞれ。
私は格闘技ショップのオーナーをしている。
今年で10年になる。
オーナーです、代表です、と挨拶するたびにすごいねーと言われることも多い。
そんな私は大学を卒業していない。
テニス推薦で入学して、体育会に入部して、途中でオーストラリアに留学して、帰ってきてからは部活一筋の大学生活を送って、日本一目指してキャプテンやって、負けて引退してバーンアウトして、休学復学を繰り返して、あと少しで卒業というタイミングで辞めた。
最後まで頑張れない自分が許せなくて、送り出してくれた高校や恩師に顔向けできなくて、なかなか踏ん切りがつかなくて辛い時間が続いた。
ただ、辞めたくなかったけどずっと辞めたかった。
その頃を思い出すと今でも3秒で泣ける。
それから沖縄に戻って、テニスコーチの仕事をしてみたり監督の仕事をしてみたけど、心の病気を抱えながらの仕事はどれも上手くいかなかった。
周りに散々迷惑かけて全部中途半端なまま辞めた。
そして、テニスと距離を置いて全く関係ない仕事をしていた頃に格闘技のみんなと出会って私の人生が少しずつ変化し始めた。
何度も何度も心折れながら辿り着いた今、ワクワクとドキドキに囲まれて毎日とても楽しい。
大好きな人が増えて頑張る理由も増えた。
ただ。
小さい頃に憧れたなりたかった私にはなれなかった。
ジタバタ諦め悪く生きていたら今に辿り着いただけで、今の私は目指して辿り着いた私じゃない。
本当は、普通に大学卒業して普通に就職して適齢期で結婚して子どもを産んで家族のために尽くしたかったし、その選択に疑問も不安も持つことなく生きたかった。
時々、懐かしい友達や私がなりたかった大人になっている友達に出会うと
「どうして私はみんなの様に賢い選択をしながらちゃんと真っ直ぐ生きることが難しかったんだろう。」
と考え込んでしまうことがある。
ちゃんとしているみんなが羨ましい。
そう思うことばかりなのに、そんなみんなは私の人生をいいね!と言う。
人は無いものねだりだなと思いながら、私はみんなになりたかったよと心の中でそっと思う。
人生とは誰かにジャッジされるものではない。
私が私を最高だと思える日はきっとやって来ない。
それでも、日々にしがみついて、たくさんの人を想って、誰かの役に立ちながら、ありがとうを積み重ねて生きていきたい。
最高な私じゃなくてもいいじゃない。
苦しかった過去や過去に傷つけて裏切ってきた人たちへの懺悔と感謝を忘れなければ、いつか少しだけ胸を張れる日が来るかもしれない。
そんな日を夢見て今日も一日頑張ってみようと思う。