言葉の威力。
昨日の芸人さんの会見で喉を締め付けられるような感覚に襲われて、京都で起きたいたたまれない事件のことを思い出すと重ねて胸が苦しく、選挙のことで頭がいっぱいの人たちのTLを他人事のように眺めている。
人間は自分が重なる部分がある出来事に心を持っていかれるもので、ここから先はちょっとだけ重い話。
精神疾患についての話になります。
苦手な人は読まないでください。
京都の事件、犯人が精神疾患という情報が飛び交っていて、精神疾患患者に対しても様々な批判、暴言を目にします。
そう言いたくなるくらい悲惨な事件だとも理解しています。
私も精神疾患と診断された過去があります。
完治はないと言われ、いつ再発するかわからないから一生付き合わなければいけないと主治医の先生に言われています。
今のところ、再発はしていません。多分。
先日、テレビを見ていたら毒親の特集をしていて、よくこんなこと自分の子どもにできるよな…引くわ…と、思いながら眺めていたら、最後に彼女が精神疾患だったという告白番組がありました。
私と病名が一緒でした。
あーー、私も間違えればそっち側の人間になる可能性を秘めているんだなと思ったら背筋がすっーと冷たくなって、ものすごく苦しくなりました。
精神疾患は、その言葉1つで収まりきらない色々な症状、重症度、現状があると思います。
医師と呼ばれる人たちでも様々な判断や見解があります。
きっと、絶対なんてない。
事件を起こした犯人に精神疾患があるたびに、言葉一つが悪のように独り歩きする世の中にうんざりするし、これでまた精神疾患と向き合う人たちが自分のことを話しづらくなるな…と絶望してしまいます。
私が病気を公表したのは、隠していることで沢山の人に迷惑をかけたからでした。
本当ならずっと隠して、何食わぬ顔で戻ってきたかった。
精神疾患に対してどんなに説明しても理解がない人がいることは知っていました。
私も偏見を持つ一人だったから。
それでも、話さないとたくさんの誤解を生むし、私は生きづらさが増す。
例え傷つく結果になったとしても、隠して生きて誰かを傷つけるよりマシだ。
そんな思いからの公表でした。
仕事を断られたこともあるし、なんだー!頭おかしくなったって噂で聞いたけど全然普通じゃん!心配して損した!笑 と言われたこともある。
好きだった人が話した途端、離れたこともありました。
公表することで、生まなくて良い溝を私は生んでしまっていないか、と悩むことは今でもあります。
それでも、理解してくれる人のほうが何倍もいるし、人の優しさを素直に受け取れるようになったのも公表がきっかけだったと思うので後悔はしていません。
実は私もそんな過去がある。
家族が精神疾患を抱えているけどどうしていいかわからない。
誰にも相談できなくて辛い。
など、たくさんの相談を受けるようにもなりました。
私が憧れていたあの人も、そんなこと微塵も感じさせないあの人も。
精神疾患で苦しんでいる人はたくさんいるし、偏見や壁は私が思っているよりもはるか高く分厚いということも知ることができました。
何をすればその偏見や壁が取り除けるのか、正直わかりません。
ただ、みんなにひとつだけわかっていて欲しいことは、あなたの何気ない言葉が誰かに刺さっているかもしれないということ。
今現在も精神疾患の病名がついて、その病気に向き合ってどうにか前を向いて生きていきたいともがきながら闘っている人がいる、そして、その人には家族もあるということ。
その人たちは、事件に対しても独り歩きした精神疾患という言葉に対しての心無い暴言にも傷ついているということ。
優しさとは想像力です。
だから、私は声をあげたいと思います。
精神疾患は悪じゃない。
絶対に悪なんかじゃないから、今、苦しんでる人もその家族も恐れることはないし、今、世の中で起きている批判や暴言はあなたに向けられたものじゃない。
私みたいに、人生やり直している人間もいっぱいいます。
どうか、心折れないで欲しい。
人間、得体の知れないコトやモノは怖いです。
だからこそ、知る機会と話す機会が必要だと思う。
ハンデがある人が生きやすい世の中になればまた世界は変わると思う。
その代わり、同じように悪いことをしたら同じ分だけの罰も受けるべき。
みんな同じ人間です。
最後になりますが、理不尽な人生の終わりを迎えることになってしまった34の御霊にありがとうとごめんなさいとご冥福をお祈りします。
今を生きている私たちができることは何だろう。
誰もが生きやすい世の中にするには何ができるだろう。
そう思うから、やっぱり選挙も行かなきゃね。(私は期日前投票済み)
まずは隣にいる大切な人の笑顔を守れる私になりたい。