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退職を機に、第二子を産みたいのだと公表してみた

4年前に乳がん告知を受け、右胸全摘と再建のために入院手術を繰り返していた頃、「私は今後転職することなど無いだろうな。がんサバイバーの身でそんなリスクは取れない。きっちり立ち位置を築き上げたこの会社で、定年まで働くんだろう。」と思っていたことを覚えています。

そんなこと思ってるけど、あなた4年後に転職するよ。
と告げたら、4年前の私は驚愕することでしょう。

転職に至ったトリガーの1つに、第二子を産みたい件があったわけですが。
これについては、最後まで前職の上司(部長)には伝えずに辞めました
入社からずっと一緒に仕事してきた先輩方数名は、これを伝えないと納得されないだろうと思ったので、厳重に口止めした上で伝えましたが。
それらは、子ども産みたいから辞めた人、というイメージを持たれたくない、そういうイメージが広まってほしくない、みたいな、私の内側のプライドに起因する対応でした。
2人目産みたいけど産めるかどうかはわからない、産めたとしても自身の寿命を縮めることに繋がる可能性もある、というセンシティブな状況にあって、余計な言葉をかけられたくないという防御もあったと思います。

だけど、仕事のお付き合いを越えて親しくさせてもらっていた同性の同僚・先輩・後輩で特に信頼のおける方には、退職前にランチなどご一緒したタイミングで、第二子希望が退職の引き金の1つになったのだという旨を公表wしました。
どなたも私の乳がん治療の経緯も知っている方ばかりです。
家族と、ごくごく親しい友人数名以外に、第二子希望の旨を明かしたのはこれが初めてでした。
どうして伝える気になったのか、自分でもあまりよくわからないのですが、誰かに何か言葉をかけてもらいたかったのかもしれません。
すんごい矛盾してるけど。

少数精鋭の聡明で優秀な女性が集まり、不妊治療を経ての高齢出産も多い会社にあって、この打ち明け話を聞いた誰もが、一言たりとも安易な希望的観測や励ましの言葉を発しませんでした
その代わり皆がまっすぐ私の目を見て、異口同音に、「応援している」「上手くいくことを願う」「只々、優雨さんの希望が叶うことを願う」といった趣旨の言葉をかけてくれました。
それは、自らの努力だけではどうにもならない妊娠出産の難しさと、ワーママとして生きる苦楽を知り尽くした同志だからこその言葉でした。

それを受けて、最終的に第二子出産が叶わなかったとしても、出来るチャレンジはしたわけだから、いつかはその結果を受け入れて生きていけるのではないかと思うんです、と私が言うと、誰もが「きっとそうだよ」と微笑んで肯定してくれるのでした

私、本当に人との出逢いに恵まれたな。
人との出逢いに恵まれるよう生きてこられたのであれば、歩んできた道は間違ってなかったのだろうと思う。

いつになるかわからないけれど、いつか、このストーリーの結末を1人1人に自らの言葉で伝えられたらいいな。
そしてその時は、穏やかに笑っている私でありたい。

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