ラッパー「Itaq」、soakubeatsと組んだ2019年発の1stアルバム「委託」のデラックス版を5月20日にリリース、追加収録曲"Morpheus"のMVを公開
異色のバックボーンと過剰なまでに鍛え上げられたラップスキル、そして自らの内面にある葛藤をあえて表に出し、それを芸術に昇華しようとする唯一無二のスタイルでコアなファンから熱い支持を受ける現在22歳のラッパー「Itaq」。
2020年には、ABEMAのオーディション番組「ラップスタア誕生」シーズン4でも注目を集めた。
そんな彼が、アンダーグラウンドでその名を馳せる国内ヒップホップ界の異端児「soakubeats」とタッグを組み、自身初となるアルバム『委託』をリリースしたのは2019年、彼が19歳の頃。アルバムにはuyuni、野崎りこん、ACE COOLなど豪華客演陣が参加していた。
あれから3年。2022年5月20日に再び結託したItaqとsoakubeatsにより、1st Albumのデラックス版『委託 (Deluxe)』がリリースされる。
本作は『委託』に収録されていた楽曲をItaq本人が再ミックス。イントロに関しては丸ごと差し替えられ、2018年~2019年のアルバム制作当時最初期に作られたイントロの原型がそのままブラッシュアップされて採用された。
そして、4曲のボーナストラック、さらには全曲のインストバージョンを追加収録。
昨年、既にシングルとしてもリリースされたボーナストラック1曲目(本編13曲目)の"Entrust"では、覚せい剤に依存しながら裏社会を生き抜く少女への恋慕を、荒涼としていながらもメローな楽曲へと昇華させた。
ボーナストラック2曲目(本編14曲目)、どこか彼の信仰も連想させるタイトルの"幸福"では、『委託』リリース当時の彼の女性に対する認知の歪み、憎悪などを3年の時を経て解毒しようという試みが、皮肉にもsoakubeatsのほんのりと明るいトロピカルなビートの上で展開される。
ボーナストラック3曲目(本編15曲目)"Morpheus"は映画「マトリックス」シリーズに感化を受けた楽曲。自分が信じる神と対峙し、使命感を持った自分すらも神によるプログラムでしかないとラップする一方、自分以上に自分のことを信じ続けてくれている人々を救世主ネオにとってのモーフィアスになぞらえ、信じた道を歩み続けることを改めて宣言するような楽曲となっている。
最後のボーナストラック(本編16曲目)である"あなたがいたから"では、支えてくれた人たちへの感謝をsoakubeatsの春の雪解けのような暖かみのあるビートの上で朴訥に歌い上げた。
このアルバムはデラックス版という形をとってはいるものの1st Album『委託』の事実上の"完成版"であり、18歳から22歳までという多感な時期を経てフラストレーションに満ちていた少年Itaqが1人の大人になって行くまでの過程を生々しく記録した貴重な作品である。
そして本日、『委託 (Deluxe)』から、"Morpheus"のMVが公開された。自らを映画「マトリックス」シリーズの救世主ネオに重ね合わせ、使命感を持った自分自身すらもプログラムなのでは無いかと思索しつつ、それでもミッションを果たし続けることを決意、soakubeatsの近未来的なハイパーポップビートの上でItaqが信仰と運命への苦悩をスピットする楽曲だ。
▼ MV: Itaq "Morpheus"
▼ Digital Album: Itaq「委託 (Deluxe)」