ハンバート ハンバート、主題歌を担当した映画「ぼくのお日さま」が第77回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に正式出品
カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション「ある視点」部門へ日本人として史上最年少で選出された池松壮亮が出演し、『僕はイエス様が嫌い』の新鋭 奥山大史が監督・撮影・脚本・編集を務める映画『ぼくのお日さま』 が、フランス現地日時の5月14日(水)から5月25日(土)まで開催される第77回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレ クション「ある視点」部門に正式出品されることが、本日行われたカンヌ映画祭の公式記者会見で発表になった。
今年、俳優で監督のグザヴィエ・ドランが審査員長を務めることでも注目される「ある視点」部門へ日本人監督の作品 が出品されるのは、2022 年の早川千絵監督『PLAN 75』以来2年ぶりとなり、今年2月に28歳になった奥山大史監督 は、カンヌ国際映画祭のオフィシャルセレクション「ある視点」部門に、日本人監督として史上最年少で選出される快挙 となった。
「ある視点」部門は、過去の日本作品では北野武監督『ソナチネ』や黒沢清監督『トウキョウソナタ』、是枝裕和 監督『空気人形』など世界に名を響かせる日本を代表する監督たちの作品が選出されてきており、近年では特に、新し い映画監督を国際的な舞台へと輩出する部門として注目され、今年は、2000 本以上の作品の中から選ばれた。
会見の中で、「Hiroshi Okuyama」と名前が呼ばれると、カンヌ国際映画祭の総代表も務めるティエリー・フレモー氏から「コレエダ (是枝裕和監督)の再来だ。10 分もみればこれがまさに映画であることが分かる。ぜひとも大きなスクリーンで見てほしい。」と選出理由も述べられた。
本作は、田舎町のスケートリンクを舞台に、吃音をもつホッケーが苦手な少年タクヤと、選手の夢を諦めたスケートのコ ーチ荒川、コーチに憧れるスケート少女さくらの3人の視点で紡がれ、雪が降りはじめてから雪がとけるまでの、淡くて 切ない小さな恋の物語を描く。奥山大史監督が、撮影、脚本、編集も手がけている。
『君たちはどう生きるか』の主題歌である米津玄師「地球儀」の MV の監督・撮影・編集を手がけ国内でも注目される奥山 大史監督は、大学在学中に自主制作し、撮影・脚本・編集も手がけた『僕はイエス様が嫌い』で、第66回サンセバスチャ ン国際映画祭の最優秀新人監督賞、第29回ストックホルム国際映画祭最優秀撮影賞、第19回ダブリン国際映画祭最 優秀撮影賞など長編デビュー作からすでに海外で高く評価、注目されていた。今回、世界三大映画祭であるカンヌ国際映画祭のオフィシャルセレクション「ある視点」部門に選出されたことを受け、奥山大史監督は「「月の光」が繰り返し流れ る本作ですが、カンヌのドビュッシー劇場が初上映の場になるとは夢にも思っていませんでした。
物語のインスピレーショ ンを与えてくださったハンバート ハンバートさん、ずっと力強く背中を押し続けてくださった池松さん、そして、共にこの映画を作り上げてくださった皆さん。ここまで連れてきていただき、心から感謝しています。」と喜びとともに感謝を伝え、企 画段階から奥山監督を支え、コーチ荒川役として出演する池松壮亮は「映画そのものを祝福してくれるような世界最高 峰の地で、自分にとって本当に大切な作品を、様々な国の映画人、映画ファンにみていただけること、大変光栄に思って います。奥山さんをはじめ、主演の敬達、希亜良、キャストスタッフ、この映画に関わった全ての方々と、この喜びを分か ち合いたいです。」とコメントしている。
第77回カンヌ国際映画祭は、フランス現地日程5月14日(火)〜5月25日(土)に開催予定だ。
また、映画『ぼくのお日さま』は、9 月よりテアトル新宿・TOHO シネマズシャンテほか全国公開予定だ。
コーチ 荒川役/ 池松壮亮 コメント
映画そのものを祝福してくれるような世界最高峰の地で、自分にとって本当に大切な作品を、様々な国の映画人、映画 ファンにみていただけること、大変光栄に思っています。奥山さんをはじめ、主演の敬達、希亜良、キャストスタッフ、この 映画に関わった全ての方々と、この喜びを分かち合いたいです。
主題歌/ ハンバート ハンバート 佐藤良成 コメント
週末になると渋谷に出かけミニシアターで映画を観ていた高校時代の私にとって、カンヌの「ある視点」は”いい映画”の 指標のような存在でした。その「ある視点」に「ぼくのお日さま」が選ばれるなんて、嬉しすぎて恐ろしいです。
主題歌/ ハンバート ハンバート 佐野遊穂 コメント
私たちの作品が、発表から 10 年後に一本の映画になり、それがカンヌ映画祭の出品作となって、またたくさんの人たち と出会う事になるなんて、こんな幸せなことはありません。子育てをしていると、子どもによって自分の世界が広がる事が しばしばあるけれど、それに似た感覚です。
監督・撮影・脚本・編集 / 奥山大史 コメント
光栄の至りです。「月の光」が繰り返し流れる本作ですが、カンヌのドビュッシー劇場が初上映の場になるとは夢にも思っ ていませんでした。物語のインスピレーションを与えてくださったハンバートハンバートさん、ずっと力強く背中を押し続け てくださった池松さん、そして、共にこの映画を作り上げてくださった皆さん。ここまで連れてきていただき、心から感謝し ています。
奥山大史(おくやま・ひろし)プロフィール
1996年2月27日、東京生まれ。SIX 所属。大学在学中に制作した長編初監督作『僕はイエス様が嫌い』(2019)が、第 66 回サンセバスチャン国際映画祭の最優秀新人監督賞を史上最年少となる 22 歳で受賞。自身で撮影・脚本・編集も手 がけた本作は、第 29 回ストックホルム国際映画祭最優秀撮影賞、第 19 回ダブリン国際映画祭最優秀撮影賞、第 3 回 マカオ国際映画祭スペシャルメンションを受賞するなど、海外で高く評価され、逆輸入されるかたちで、日本での公開が 決まり、インディペンデント映画としては異例の興行形態で公開された。公開後は、第 11 回 TAMA 映画賞最優秀新進 監督賞を受賞するなど日本でも大きな話題となり、是枝裕和監督、岩井俊二監督らにも一目置かれる存在に。その後、 是枝裕和総合演出の Netflix シリーズ「舞妓さんちのまかないさん」で 5、6、7 話の監督・脚本・編集(5 話は是枝監督と の共同監督回)を務めている。また、CM、MV などの監督・撮影も担い、2021 年には、HERMÈS より抜擢され 8 人のクリ エイターたちの旅を追ったドキュメンタリーフィルム『HUMANODYSSEY ―それは、創造を巡る旅。―』の総監督を務め、 2023 年には『君たちはどう生きるか』の主題歌である米津玄師「地球儀」の MV の監督・撮影・編集を手がけた。また今 年 3 月に放送された NHK 夜ドラ「ユーミンストーリーズ」では、第 3 週「春よ、来い」(主演:宮﨑あおい)の演出を担当、 次世代の映画界を担う若手監督として注目を集める。