世界消失日記10〜夢日記〜
現実とは異なるもう一つの東京の中で、高い建物を昇って屋上に出る。そこから下を眺めると、誰もいない東京の都市一面がいつの間にか海で覆われていて、鏡のように上空の世界を逆さまに映し出している。
地球のどこか遠い場所に存在する草原で、かつて誰かが唄ったメロディーが鳴り響いている。宙を漂流して砕け散っていく音符たちの一つが偶然にも渡り鳥の広げた翼に乗っかることで、いくつもの海や、陸や、森や、砂漠や、誰もいなくなった都市を越えて果てしない向こうの地平線から運ばれて来る。そして、いま