サービスの受け手側の心構えも必要では…?
またまた介護の話で失礼します。
介護の金づる化、の続き。
介護スタッフ側ばかりが悪く思われるのはやっぱりイヤだし、気になっちゃう。
たしかに虐待案件は実際あるし、高齢者や介護が必要な人を金儲けの手段としてしか見ていない悪質な業者はいる。それはもう、介護保険が民間の参入を踏まえてはじめられた時点で予想はついていたはずだし、これからも出てくるだろう。
そこに法的な処置も含めて対処法を作っていくことは、いたちごっこになる部分はあるだろうけれど必要だろう。
ただ、サービスの提供者側だけでなく受け手にも受け手ならではの資格や資質も必要ではないか?
医療福祉のプロにつなげれば何でもすべてやってもらえるしめいっぱい利用すればいいというスタンスでは、対等な関係性ではないのではないか。
医者にかかれば、病院に行けば、すべての病気がなおるわけではないし、介護施設を利用すれば認知症の症状がよくなって毎日楽しく穏やかに、終末期を安らかに過ごせるわけではない。
そこはあくまで、ご家庭で、在宅での生活を続けるための負担を減らす一時避難所というスタンスであるはずなのに…。
介護は長く続く。子育てと違って相手の機能は落ちていく一方。
日々レベルの落ちていくご本人はもちろん、ご家族も現実逃避したくなる、直視したくなくなる。
私は、ロストケアの犯人の気持ちもわかる気がしたし、救われたご家族も確かにいたのだとも思う。
それでも、時折見る満面のステキな笑顔でニッコリされたり、「ありがとう」と言われたりするととてもうれしいし、その人のこともまた愛おしくなる。これこそが介護の仕事の醍醐味なのだと思うし、私たちがしんどくても介護の仕事を続ける理由はきっとそこにある。
考えてみれば、飲食店やスーパーなどで買い物をしたり、車を買ったり、何かの学校で授業を受けて勉強したり何かしらのやりとりをする時には、必ず金銭の授受がある。
公的な学校だって、国庫からお金は出ているわけで。
私たちは、お金を払って、様々なサービスを受け取っている。
カスハラが徐々に取り沙汰されてるけれど、本当にぞんざいな人というのは世の中に一定数いるので、してもらって当たり前というスタンスはなかなか変わらないかもしれない。
でも、あらためて逆の(サービスを提供する)立場になったらどう思いますか?ということを、実際に介護の仕事に携わっていない人たちに聞いてみたい。
考えさせられるところも多いんじゃないかな。
そう思えば、介護サービスだって金銭の授受があって当たり前だし。
上乗せの料金がかかろうが、実際の介護を肩代わりしてもらうのだから、それは住み込みの家政婦を雇うことなどを考えれば本当に国の制度で今は大幅な補助はされているわけで。
この人手不足の環境要因を考えると、何を家族さんはこちらにしてほしいのか、求めているのかというところは一番聞き取らなくてはいけないところだし、同時にサービスを提供するにあたり、ご家族の協力も不可欠。
介護施設に預けているからこそ、日中家族さんは仕事をしたりリフレッシュの時間を作ることができたりする。一日に何回ものトイレ介助の手間も、狭い自宅のお風呂での介助の手間もかからない施設が存在しているから…。
日中の見守りに関しては、ペットの監視カメラ?みたいなものでご自宅の様子が確認できるなら、一人で過ごせる程度の方に関してはデイなど利用しなくても大丈夫だったりする時代が来るのかな…?
いずれ高度なAIの搭載された人型のロボット(アンドロイド?)がお世話を各家庭でする時代も来るのかもしれないけれど…。
まあまだ先のことなんだろうな。
ついでに加算について。
認知症対応型のデイ、と言えば、研修を受けている人間の有無で加算が取れなかったりもするけれど、実際問題、かなりの認知症の方をそこかしこの普通のデイや施設などで見てるのが現状。
慣れたところのほうが利用者さんも安心して過ごせるし、家族さんも使い勝手がいいから、あらためて新しく認知症対応のデイや施設に、という選択肢はなかなか取りづらい。
当然加算は取らずに少ないマンパワーの中で対応しているところも実は多い。
認知症の研修を受けているスタッフが何人、という括りでの加算の取り方ではなく、認知症のため特別な配慮が必要な人ごとに、個人個人で加算を上乗せできる制度にできないかな、とも思う。
細かくなりすぎるからだめなのかもしれないけど、食事の介助、トイレの介助などを一回いくら、とかにしたら、日々手を取られている介護の手間もちゃんと換算されてると思えば働いてる人間のモチベーションも上がるのではないかな…?
まあ、請求業務も煩雑になりそうだからこれは現実的ではないけど、例えば専属のヘルパーをつけて日中過ごしてもらったらいくらかかるか、を具体的に考えてみるのも大事かも。
家事代行サービスの高さにはビックリするし、介護代行サービスがあればおそらくかなりの値段設定はされるだろう。
今一度、一般の人達の感覚の是正が必要なのかなあ。
何かテレビの番組とかでうまいこと取り入れられないかな…。
今後に期待(笑)。