第六回 天籟(てんらい)能の会
第六回 天籟(てんらい)能の会
2018年9月17日(敬老の日)
午後2時(開場 午後1時15分)開演:5時30分終演予定
天籟能の会では、本番までの間に行う数回のワークショップや講座で、演目に対する理解を深めていただいてから能をご覧いただきます。
能は知れば知るほど面白くなります。さまざまな角度から演目を知り尽くしてから能を観る、それこそが観能の醍醐味です。また、ワークショップに出ることができなかったという方のために、当日は演能前の解説と、演能後のアフタートークも用意してございます。
今回の天籟能の会は「刀剣」をテーマに、観世流の加藤眞悟師をはじめ諸師をお迎えして、能『小鍛冶』を上演いたします。
勅命を受けた刀匠・小鍛冶宗近が稲荷明神の使いである狐の精霊の相槌を得て、名剣「小狐丸」を打ち上げる、変化に富んだ見どころの多い人気曲です。
また、三世梅若万三郎師の仕舞『遊行柳』、刀を巡って人商人と田舎者が駆け引きを繰り広げる狂言『磁石』もお楽しみいただきます。
また、舞台終了後には刀匠の川﨑晶平氏と、思想家の内田樹氏、そして安田登でたっぷり60分間のアフタートークもいたします。
好評の事前ワークショップも、演目についての講座、能・狂言の基本はもちろん、日本刀を深く知るワークショップや、漫画『KATANA』の作者、かまたきみこ氏やアンソロジスト東雅夫氏をお迎えして、刀剣の怪異についてお話いただくなど、充実の内容でお送りします(日程は後記)。
ご来場を心よりお待ち申し上げております。
【番 組】
解説 表きよし
仕舞 『遊行柳 クセ』梅若万三郎
狂言「磁石」
シテ・すっぱ 松田 髙義
アド・田舎者 奥津 健太郎
アド・宿屋 伊藤 泰
後見 奥津 健一郎
能「小鍛冶 白頭」
前シテ・童子 加藤 眞悟
後シテ・霊狐(稲荷明神の使) 加藤 眞悟
ワキ・刀匠 三条宗近 安田 登
ワキツレ・勅使 橘道成 高橋 正光
間狂言・宗近の下人 奥津健一郎
笛 槻宅 聡
小鼓 森 貴史
大鼓 大倉 栄太郎
太鼓 徳田 宗久
地謡 梅若紀長
青木一郎
八田達弥
長谷川晴彦
梅若泰志
古室知也
梅若久紀
青木健一
後見 梅若万三郎
梅若万佐晴
中村裕
脇後見 吉田祐一
アフタートーク
川﨑晶平(刀鍛冶)×内田樹(思想家)×安田登
・終演予定 5時30分頃
■チケット種別と料金
正面S席:10,000円
正面A席:8,000円
脇正面席:6,000円
中正面席:4,000円
GB席: 4,000円(脇正面の後方席)
※学生・てんらい会員は1,000円引き
(てんらい会員の募集は終了しました)
■問合せ・申込み先
チケットのご予約、公演・ワークショップのお問合せ
天籟能の会事務局
E-mail noh@watowa.net
TEL 080-5520-1133 (9時~20時)
FAX 03-3717-3507 (9時~20時)
ファックスやメールでお申し込みの方は、以下のことをお書きいただければと存じます。
ご住所 〒
ご氏名
連絡方法(お電話、メール)
ご希望の席種・枚数 ●席 ●枚
出演者から公演案内があった方は、出演者名をご記入ください:
■会場
国立能楽堂
【ワークショップ】
●第1回 5月31日(木)「能と狂言を楽しむ」
−能『小鍛冶』と狂言『磁石』−
●第2回 6月14日(木)「刀剣ワークショップ」
ゲスト:刀匠・川崎晶平氏
●第3回 6月27日(水)「シテ方から見た『小鍛冶』」
ゲスト:観世流シテ方:加藤眞悟師
●第4回 7月17日(火)「小鼓と大鼓」
ゲスト:小鼓:森貴史師(幸流)
大鼓:大倉栄太郎師(大倉流)
●第5回 7月31日(火)「刀剣と能と怪談と」
ゲスト:漫画家かたまきみこ氏(漫画「KATANA」作者)、
アンソロジスト東雅夫氏
●第6回 8月30日(木)「未定」
これまでのWSで足りなかったものをする予定です
●第7回 9月10日(月)「公演直前まとめ」—初めての方もぜひ—
追加ワークショップなどのイベントの情報はツイッターで随時発信しています。最新情報はツイッターでご確認願います。
Twitter @eutonie
参加費 お賽銭 各回19時~21時
会場 東江寺
渋谷区広尾5-1-21 東京メトロ日比谷線[広尾駅]下車徒歩5分
広尾商店街突き当りの山門をくぐって右側
※ワークショップや天籟能の会に関するお寺へのお問合せはご遠慮ください
飛び込み参加も可能ですが、資料をご用意する都合上あらかじめお申し込みいただけるとたすかります。都合により日程および会場変更等の可能性もございます。あらかじめお申し込みの方へは、変更があった際にご連絡をいたします。
ワークショップのお申込みは以下(寺子屋のメール)でも受け付けております。
info@watowa.net
*****曲目解説*****
能:『小鍛冶』
夢のお告げを受けた一条天皇は、刀匠、三條小鍛冶宗近(ワキ)に剣を打つよう命じます。しかし、宗近は自分と同等の相鎚を打つ者がいないために打てないと一度は断ります。が、天皇の命令、断り切ることはできない。そこで氏神である稲荷明神に参詣します。
すると、不思議な少年(前シテ)が現れて言葉を交わします。少年は剣の威徳を称える中国や日本の故事を語り、自分が相鎚を勤めようと約束して稲荷山に消えて行った。
宗近が鍛冶壇に上がって礼拝をしていると稲荷明神のご神体(後シテ)が狐の精霊の姿で現れ、ともに剣を鍛え上げるのです。
謡、型、舞ともに聞きどころ、見所の多い作品です。ワークショップでは、みなさんと謡を謡ったり、型をしてみたりします。
狂言:『磁石』
遠江国見附の国府(現在の静岡県磐田市)に住む男が喧嘩をして地元から追われ、京の都に向かいます。大津(滋賀県)まで来たところで有名な松本の市を見物していると、目を付けたすっぱ(詐欺師)に言い包められ、案内されるままに宿をとることになりました。
このすっぱ、実は人売りで宿の亭主もぐるでした。二人のやり取りを盗み聞きした遠江の男は逃げ出そうとしますが、すっぱに成り済ましてまんまと代金を手に入れます。事態はすぐに露見、すっぱは太刀を持って男を追い詰めます。万事休す、男は突然、太刀に向かって「呑もう~」。すっぱが何事かと問うと、男は磁石の精と名乗るのですが…。
中世の市井を舞台にそのままあげたような、たくましく生きる庶民を活写した名作の狂言です。