『人くいお母さん』ver.0001試演
先日『イナンナの冥界下り』の試演会を行いました。
そこで、アフリカ民話の『人くいお母さん』も試演しました。『イナンナの冥界下り』が、超古代の神話で、人形もシリアスなのに対して『人くいお母さん』は、教訓もないし、ストーリーもよくわからない物語で、人形もかわいいもの。シリアスな能と、お笑いの狂言のような組み合わせです。
▼番組とは
前回の試演会『イナンナの冥界下り』で「ずっと緊張していて息が詰まった」というご意見がありました。
前回の試演会の模様はこちらです。
https://note.mu/eutonie/n/n1d75028f6edb
そこで、今回はひとつ軽いものもやって息抜きをしていただこうということで、アフリカ民話の『人くいお母さん』を上演しました。
能の公演では、シリアスな能(雄)とお笑いの狂言(雌)が「つがい(番)」として「ペア(組)」で演じられます。ここから「番組」という言葉ができたとも言われています(異説あり)。そこで、狂言的な演目として上演をしようと思ったのが『人くいお母さん』でした。
タイトルの通り、お母さんは人くいです。そのためにふたりの子どもたちは生まれるとすぐにおじいさんのところに預けられるのですが、しかし子どもたちはお母さんに会いたくてたまらない。そして、その気持ちをおさえることができずにお母さんの家を訪ねてしまうのです。
さてさて、ふたりの運命やいかに。
人形を手にしたのが公演の前日(しかもお母さん以外はそこら辺で買ってきた)ですし、台本が完成したのが当日(これは僕が悪い)…ということで、今回は「ver.0001」(ver.1.0以前ということです)。
本番、安田はカミカミだったので、とても公開できるような代物ではないのですが、しかしこれからの変化を見るためにもアーカイブとして残しておきたいので公開いたします(みんなが見た!という記録が残るというブロックチェーン的な考え方)。
完成度はかなり低いですが、でも面白いですよ。ぜひ、ご覧ください。
※謡部分は能『黒塚(安達原)』より(一部、省略)。
▼動画
まずは前半。人くいお母さんの家を訪ねるふたりの子ども。
続いて後半です。
▼出演者
『人くいお母さん』も、『イナンナの冥界下り』試演会の出演者が演じます。
お母さん:名和紀子 声:安田 登
お父さん:大金 智 声:大島淑夫
お爺さん:金沢 霞 声:大島淑夫
子ども達:大金 智 声:金沢 霞
鳥さん :大島淑夫 声:大金 智
地の文 :安田 登
謡 :みんな
音 楽 :ヲノサトル 森山雅之
照 明 :山下昇平
人形制作:吉田美苗
▼お母さんの人形
人くいお母さんの人形を作ってくれたのはGirimOrbの吉田美苗さんです。手と足が外せるようになっています。
この人形は、大府の「猩々(しょうじょう)」がベースになっています。詳しくは「あいち妖怪保存会」さんのブログにありますので、どうぞご覧ください。
この公演もバージョンアップしていきます。