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利用者様の希望を叶える 沖縄での家族との思い出作り

皆さん、こんにちは。土屋訪問介護事業所 よこはま コーディネーターの江頭です。今年の夏に、利用者様の沖縄旅行に外泊支援として同行させていただきました。重度訪問介護を活用するとできることの事例としてご紹介させていただきます。
(※利用者様の許可をいただいて掲載しています。)

旅行の行先は沖縄で、3泊4日です。利用者様はALSで、気管切開はなし、吸引はあり(口)※午後から頻回になる傾向あり、食事は経管栄養+経口摂食です。
コーディネーターの私にとって、実はご利用者様との初めての旅行支援でした。3泊4日の沖縄旅行となると、私にとってもビッグイベントです。
ご家族の構成が、ご利用者様と奥様、お子様2人(小6.高1/男子)という中で、いかに黒子になって支援するかを考え、対応しました。

事前準備について

今回依頼した旅行代理店はHIS、航空会社はANAです。飛行機の中や車の中での移乗の際は、カラー(首を固定するためのバンド)を付けるようにしていました。それに加えて、ゆれが激しいと見込まれるタイミングで頭を固定するためのヘアバンドを使うことにしました。

飛行機内に持ち込む医療機器について

飛行機に医療機器を持ち込む流れを紹介します。まず、主治医に今回の旅行のことを説明し、どの医療機器が必要か相談をしました。そうすると、主治医が医療機器の指定をしてくれます。今回は吸引器と呼吸器を飛行機内に持ち込むことになりました。
上記2点の吸引器と呼吸器は、事前に航空会社に申請する必要があります。申請無しだと持ち込み不可となり、場合によっては飛行機に乗れない可能性もあります。

これらの申請は、利用者様の奥様が手続きをされました。

申請無しで使用できた医療機器
・パルスオキシメーター
→飛行機の離着陸の際に使用

申請無しで使用できなかったもの
・頭を固定するヘアバンド
→離着陸の際に座席に頭を固定するのに使用しようとしたが、申請されていないということで、航空会社から許可おりませんでした。

※飛行機内に持ち込むものは、事前にご利用の航空会社に問い合わせすることをおすすめします!

沖縄旅行3泊4日の流れ

初日~自宅から空港での手続き~

自宅から羽田空港まで介護タクシーで向かいました。この時からカラーを装着しました。フライト2時間前に到着し、障害者専用の窓口で手荷物検査をしました。

航空会社の方が医療機器の電池は何に対して使用しているかを確認するため、ここは少し時間がかかります。
説明書を見たり、医療機器にある電池の表示を確認されていたようです。

手荷物検査が終了後、少し待機時間があったのでその間にトイレや吸引、服薬の対応をしました。(吸引は障害者専用トイレにて)

飛行機への搭乗から離陸、着陸

呼吸器と吸引器を機内に持ち込みいざ搭乗。一般者より前に搭乗するので、出発1時間前の搭乗となりました。
鳥山様の車椅子だと、座席間が狭く通れないため座席まで、航空会社が用意した車椅子に乗り換え座席まで誘導していただきました。
(誘導→航空会社 移乗→ヘルパー)

そして、無事着席。座席のとなりは奥様です。

離陸時について
座席に座った後はカラーを外しました。
離陸時には、パルスオキシメーターを指に装着し、spo2の数値が下がりすぎないか確認します。
上空だと、平地より数値が下がります。鳥山様の数値が上空でミニマムで88になっていましたが、本人は苦しい気配はありませんでした。

着陸時について
着陸時には頭が前に倒れてしまいます。女性だと力の関係で抑えられるか心配なため、奥様とヘルパーが席を交換してヘルパーが頭を抑えることにしました。(着陸時はカラーを装着)

そして、無事飛行機が着陸。着陸後、一般者が全員降りた後に飛行機から降りることになります。

空港からホテルまで移動

空港からホテルまでの移動は介護用レンタカー(ハイエース)を使用しました。
ここではカラーを装着していますが、揺れが激しくホテルに到着までとても苦痛そうでした。途中からカラー+ヘッドバンドを使用して頭を固定。こちらの方が楽だとのことでした。

ホテル到着後

ホテルでは、介護ベッドをレンタルし部屋に設置しました。

・顔拭き、スキンケア、トイレ介助、更衣、シャワー浴(奥様とヘルパーにて対応)、ラコール注入

上記のケア終了後にヘルパーは退室し、近くのホテルに帰宅しました。

2日目

念願の海とプールに行き、お子様と思う存分楽しまれていました。

3日目

お子様たちが初めて体験したバナナボートではしゃいでおり、それを見て
利用者様も終始にこやかにされておりました。

そのあと、美ら海水族館に行きジンベエザメ見て、皆さん楽しまれてました。

最終日

お土産を買い、無事に羽田に到着!介護タクシーにて帰宅しました。
※空港等での一連の手続きは行きと同様になります。

最後に…

実は旅行前に奥様が体調を崩され、入院していたのですが、
その時、旦那様より
"最後だから行こう"というメールが届いていたそうです。

ですが、帰る時には次の旅行、それも海外に行きたいとおっしゃっていたので、旅行に行くことは気持ちも良い方に向かっていけているのだなとヘルパー視点で思いました。

いかがでしたでしょうか?土屋訪問介護事業所事業所では、上記のような外泊支援にも対応しています。ユースタイルが目指すビジョンである「だれもが互いの可能性を信じ、 自分らしく生きられる社会」の実現に向けて、黒子となりながら利用者様の「希望」を叶えていきます。

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