【第2話】ローミニさん
ここは、クウ星のとある街にある、少食さん向けの会員制隠れ家カフェ。
マスター(店主)は、若いマーチさんです。(ママさんって皆に呼ばれたいそうです)
「ローミニさん!!!」
マーチさんは、お店に現れたヒョロッとしたクウ星人ローミニさんを歓迎しました。
「ああママさーん! お久しぶりです……う~……」
「ローミニさん、良かった~! 時々メールを貰っていたとはいえ、心配していたんです」
ローミニさんはちょっと照れながら頭をかきました。
「ママさんの料理もさることながら、ずっと色々とお話したかったんですが……でもあの~、その前にそちらにいらっしゃるお方はもしやぁ……」
ローミニさんはサッゴさんの方を見つめました。
「あ! こちらはちょうど今日から会員になってくださる方です」
「どうも、サッゴです……今申込書を書こうとしてて……」
サッゴさんは軽く立ち上がって挨拶をしました。
「おお! わ、私、ローミニと申します。 オ、オヨオヨ……」
その後、マーチさんが時折補足しながらローミニさんも自己紹介を始めました。
ローミニさんは自称「繊細と怠惰のマーブルアイス」で、いつもオヨオヨ(?)しているそうです。
頻繁にお店に足を運んでいたものの、半年前、会社を辞めてフリーのデザイナーとして働き始め、それであれやこれやで時が過ぎ、今日までずっとお店に顔を出せなかったとか。
フリーのデザイナーと言うと行動派のカッコいいイメージを浮かべそうですが、このローミニさんはそれとは対局なタイプ(自称)だそうです。
そんな自己紹介が終わると、ローミニさんはカフェのカウンターに座り、マーチさんと会話の続きを楽しみ、サッゴさんは申込書の続きを書き始めました。
そうして書き終えた申込書をマーチさんの所に持って行こうとした時、ローミニさんの言葉が耳に留まりました。
「フリーは大変ですけど、今のところ地味に食事会の色んなプレッシャーが減ったのが一番嬉しいかなぁ~なんて~ いや、誘ってもらえるのはありがたいんです、う~、存在感薄いので……ですけど……食事会の時、少しでも周りから見て私のお膳が減ってないって認識された場合……“そんなんじゃ太れないよ~?”って言われたり、言われないかって気にして、美味しそうな料理でも好きな順番で食事を楽しむ事が出来なくて……う~」
サッゴさんは固まってしまいました。
(第3話に続く)
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