90年分のうた
ひっさしぶりにnote書きます。この件について。
写真左から、わたし・祖母・姉。
最後にnoteを書いたのは、子供が生まれた時。「出産ってすごすぎた」という内容で。
うちの子ももう2歳になりましたので…!!2年ぶりのnote。
2年間のノートはこれ↓
おばあちゃんちの話
おばあちゃんの家は大阪にあるので、関東からはたまにしか行けない。子供の頃から関東育ち、しかも我が家は大家族なので、昔から年に1回いくかどうかだった。
おばあちゃんの家につくと、大体はダイニングのところにあるテーブルと椅子でみんなでご飯を食べたりおしゃべりするか、レッスン室や2階の部屋でいとこたちと遊んだ。家にはベーゼンドルファーが置いてあるレッスン室があって、リビングにもグランドピアノがあって、2階の一室にもピアノがあった。今考えると、どう考えても不思議な家だ・・・笑 なんで家に3台グランドがあるん・・・
おばあちゃんは声楽の人で、お歌の先生をしていた。自分もステージで歌うことがあったからか、いつだって年齢よりずっと若く見えてすごく綺麗だった。髪をセットして、お化粧をして、いつも素敵なお洋服を着て、おしゃれな耳飾りやブローチをつけていた。
家族の話をし始めると、なんだかいろんな人に怒られそうだからあんまりしないんだけど・・・(笑)。
ただただ全てを美化したいわけじゃもちろんない。色々なことが相当たくさんあった家なことは間違いないし。(まあそりゃどんな家でもそうか)
ただそれでも、なんというか、音楽を愛し、音楽に生かされた人たちの家だなと思う。
でもまあ今日はそういう家の大変だったこととか周りの人たちの苦労とかそういうのは置いておいてね。
90歳のコンサート
おばあちゃん弱ってきてるわよと母にはきいていたんだけど、わたしも子供が小さいからなかなか大阪は行かれない。
ちょうど2年前が米寿のお祝いで(88歳)、生まれたばかりの娘を連れて母と飛行機で大阪に行ったけど、大変すぎて大変すぎて大変だった。
んで、帰省もなかなか…ちょっと気が引けていた。
とはいえ、おばあちゃんが無事にめでたく90歳を迎えるという。しかも小さなホールでコンサートを企画するとのことで、案内状が届いた。90歳で!? コンサート!? これはいくらなんでも、さすがにいかないわけにはいかない。腹を括った。
夫と子供を連れて車で帰省することを考えていたんだけど、直前になって色々バタバタがあり、結局わたしが一人で行ってもいいことになった。夫よ、本当にありがとう。心から感謝。
新幹線で京都につき、そこから電車とバスを乗り継いでホールへ。
親戚との嬉しい再会がたくさんありつつも、会場の案内係を頼まれていたために直前までバタバタ。色々とハプニングもあったし、なかなか大変だった。
だけど……ホールが暗くなっておばあちゃんが出てきた時は本当に感動した。
美しくって……!!
ステージに立つときに、輝くように生まれてきている人種がいるんだなと思う。おばあちゃんをみると、そう思う。
2〜3曲おばあちゃんが歌って、ゲストの声楽の方が歌って、またおばあちゃんが歌って、という繰り返しの流れで行われた2時間ほどのコンサートが行われた。
おばあちゃんはイタリア歌曲に憧れ、イタリアに何度も足を運んではレッスンを受けたりしていたらしい。でも最終的に「日本で生まれたからには日本語の歌を歌いたい」と変わっていき、日本歌曲も歌うようになっていったそうだ。
わたしの中では、おばあちゃんは童謡を歌っている印象が強かったので、歴史を知れてよかった。
おばあちゃんの末息子でありわたしの叔父でもあるMくんがMCをしてくれていたのだけど、すごくよかったな〜。
後半戦におばあちゃんが歌った、「くるみ」という曲がすごく良くて、何度も泣きそうになった。「くるみを割ると命がわかります」「くるみの木の、大きな木の命がわかる」というような歌詞だったと思うんだけど、聞いているわたしからしたら「あなたの歌からあなたの命がわかります」という感じだった。
最後に歌ってくれた「あなたのこと忘れない」という悲痛な叫びが印象に残る歌もすごく心に残って…。
別れの曲だったからこそ、色んなことが頭を巡って悲しい気持ちにもなった、正直。
でも、そこでふと思ったんだよな〜。
もちろん、この先おばあちゃんのこと忘れない。でも、忘れないとかそういう気持ちの問題だけじゃない。
おばあちゃんが生きた証はわたしの中に、そしてわたしの娘の中に、すでにあるんじゃん。
わたしの中に、わたしの娘の中に、この素敵な歌を歌うおばあちゃんの遺伝子が刻まれているのだ。
だから大丈夫。人はそうやって、ずっと生きられるんだ。などと思う。
おばあちゃんは長いことレッスン業をしていたのだけど、コロナのこともありやめてしまい、ほぼ三年間ほとんど歌を歌っていなかったんだそうな。本人がコンサートをやりたいと言ったわけではなく、5人の子供たちが頑張って企画したので今回のコンサートはおばあちゃんの子供たちの功績といっても過言ではない。
ありがとう母と母の兄妹たち・・・!
本当に誇らしかった。
この家系に、おばあちゃんの孫に生まれたことを誇りに思ったよ…!!
うれしかったこと
たくさん嬉しかったことあるんだけど、個人的にはおばあちゃんに
「わたし声楽習い始めたんだよ!」
と言えたのがうれしかったな。
91歳の誕生日には、おばあちゃんちのレッスン室でもっと小規模でもいいからコンサートをやろう! なんて話をしているから。
わたしも声楽のレッスンがんばるぞ〜〜〜〜!
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