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プチプラの国のアリス ホームセンターとスマホのレンズ
神宮前で逢いましょう
【プチプラの国のアリス ~ホームセンターとスマホのレンズ~】
学生時代(かれこれ10年前である。時の流れは恐ろしい……)にゴシック&ロリィタの世界に入り浸っていた時、ファッションセンターしまむらのお洋服というのは“ロリィタファッション”の対義語のように感じられた。
低価格・大量生産という販売形態も高価で細部のディテールまでこだわって作られた愛すべきお洋服とは、とにかく真逆だった。
夏に暑い時の普段着としてお世話になるイメージだった。
その時の私にもし会えたとして、今の私が、
「ロリィタモデルさんとコラボして、しまむらからロリ服が出るよ」
……と実物とタグを見せて告げても、恐らくすぐには信じてはもらえないだろう。
ここ一ヶ月でそのロリィタモデルさんこと青木美沙子さんコラボのお洋服がどっさりと発表されたので、来年の3月には…上手くいけば計4着近く手元にあるかもしれない。
これを書いている10月31日現在、つい先週に美沙子ちゃん×しまむら×サンリオ…というのが発表された。
私の財布が保たないっス美沙子先パイ。せめて9月に注文したお洋服が届いてから発表して下さい……と言いたいのはやまやまだが最初に届いた赤いギンガムチェックのワンピースのクオリティの高さを見ると今回のサンリオコラボのお洋服も楽しみで仕方がない今日この頃だ。
ちなみにお洋服の方は通販限定だが、受注生産(要は注文された数だけ生産する事。だから頼めば必ず届くうえ争奪戦にならずに済むのだ)な上にクレジットカードを持っていない私みたいな人種や学生さんにも優しくしまむらが近所や通勤・通学経路にある人は一旦その店舗に送ってもらってから店頭のレジにて現金でお支払いし、受け取る事もできる。
今度のサンリオコラボではマイメロディ・クロミちゃんの2パターンずつのお洋服が出る。
可愛いワンピースとしてもサラッと着られそうなデザインで、これを友達同士で揃えて双子コーデ(同じ洋服を色違いで着る合わせ方のこと)でピューロランドか池袋と鎌倉にあるサンリオカフェに出かけられたらさぞかし素敵だろう。
美沙子ちゃん×しまむらコラボのお洋服に、私はとても感謝している事がある。
『テーマパークに着ていくお洋服どうしよう問題』
が、一気に解消されたのだ。
ロリィタというファッションは、基本テーマパーク向きではないのだ。
パニエを履いたままではアトラクションに乗れないし、パレードに並ぶ時もカチューシャは外さなければならない…と、何かと制約が多いのだ。
あと、これは昔のお話なのだがディズニーでは(恐らくキャストさんとの混同を防ぐため)入園できなかった時期があったと聞いた事がある。
割とピューロはウェルカムだったそうだが。
今回のしまむらコラボは(美沙子ちゃん本人もテーマパークがお好きなので意識したそうだが)、
“ブラウン系のチェックワンピースはダッフィーフレンズのカチューシャに合わせやすい”
“赤いギンガムチェックのワンピースはミニーちゃんみたいですよね”
…とインスタライブ等でお洋服を紹介する際に話していた。
事実、届いたワンピースは可愛さもさる事ながら肌触りもよく今年の夏は大変お世話になった。
ブラウン系のワンピースは個人的にユニバにあるミニオンズのクマのぬいぐるみことティムのカチューシャにも合うんじゃなかろうか…と勝手に思っている。
最近はユニバでもクロミちゃんやマイメロディのショーをやっているし、今度のサンリオコラボは関西のテーマパークでも大活躍するであろう。
ここ数年はダイソー、Seriaなどの100円均一なども私が高校生の当時と比べると明らかにデザインが洗練されており、先程話題にチラッとあげたサンリオグッズもある。
またセリアなどは色のついたフリルやリボンやトランプなどのパーツ、とりどりのリボンコーナーなど“推し活”に助かるグッズも取り揃っている。
アイドルのLIVEレポなどをインスタなどで見ていると、推しのアイドルがプリントされたうちわの淵にフリルなどでデコレーションした写真が上げられている。
それが100均でもできるのだ。
また、DAISOには自分の手でアレンジできるリースというものもある。
私が買った事があるのは松ぼっくりのリースだが他にも『柳リース』などアレンジ前提で売り出されたものもあり、ドライフラワーのパーツなども豊富に取り揃えている。
ここだけの話、SNSなどで物撮りや料理の画像を上げる際に大変お世話になっている。
「SNSで映える写真を撮るためだけにモノを買ったり、お洒落なカフェに行くのってどーなんだろう…」
と、最初は思っていたがインスタやXでアカウントを作り、“#おうちカフェ”や“#100均DIY”などのハッシュタグを追っているうち、
「わからないなりにやってみるか。せっかく徒歩5分以内にダイソーがある訳だし…」
とある日思い立ってやった結果、沼にハマってしまった。
服のコーデ等を撮る時には(自撮りするのに、抵抗があるタチなのだ)レースのテーブルクロスなど大きな布地の上に置き、ショップのコーデ画像を参考に服を並べる。
薔薇の造花などをリボンで束ねてほどよい場所に置き、スマホのカメラアプリ越しに撮る事もある。
「わざわざそこまでしなくても……」と思われるかもしれないが、本人は楽しくてやっているのだから仕方がないのである。
何の用もなしに行くと不要なものを買ってしまうが、
「DIYの材料を買いに行く」
だったり、
「箪笥の中身綺麗にするためにパーテーションや圧縮バッグが欲しい」
など明確な目的を持ち、大きめのエコバッグや丈夫なトートバッグを持って出かける100均はまことに有意義なものである。
“こういう写真が撮りたいから、この辺を見てみよう”
でも然り。200~300円程度であれば想定外のモノも購入する事も私の中では良しとしている。
(棚を目にしてからポケットティッシュの補充に気づく事もあるし)
また最近DAISOは“THREEPY”、“Standard Products”という300円からのラインも取り扱っている。
“THREEPY”はインテリアではくすみピンクや小花柄、小物はレースやリボンのポーチなどガーリーテイストがお好きな方必見の品揃えである。
“Standard Products”はもう少し生活に根ざしたブランドで、長く使えそうな食器類や日本の工場で作られたチョークや丈夫な軍手などが取り揃えられている。
THREEPYが出来たおかげで4駅先のDAISOに遠征する事も増えてしまった次第である。
プチプラと呼ばれる商品がここまで定着してしまうと、時々、
『ちゃんとしたものに手を出す余力がなくなってしまうんじゃなかろうか……』
と思う事がある。
両親の若い頃のエピソードなんかを聞いていると、ディズニーランドのぬいぐるみは日本製だったそうだし、素敵な家具でインテリアを作ると相応にお金が必要だったようである。
勿論、昔と今は違う。
だが現代はネット通販の普及とYouTubeの“ルームツアー”動画などの影響もあり工夫次第で素敵なインテリアというのは誰の手にも届くもの、となりつつある。
インテリア作りの上手な人間が、瞬時に情報を共有してくれるのだ。
それに、昔より娯楽が増えている令和の世。
プチプラ×ロリィタという平成では恐らく相容れなかったものが手を取り、100均でもお洒落なお皿が出ている現代に私は大変恩恵を受けている。
ティーポットや可愛いティーカップなどは勿論100均でも満足できるものが手に入るかも知れない。
だが、私は茶器に関してはロンドンのティーポットブランドの物を使っている。
茶葉をとる匙はフンパツしてマリアージュ・フレールの物だ。6年近く同じのを使っている。
ティーカップもわざわざ輸入家具屋さんに赴き購入した。硝子の綺麗なものに紅茶を注いでいる。
(この辺、若干イヤミに聞こえるかもしれない。ゴメンね)
人のお金の出し所、というのは余りに多種多様で必需品が全てお金のかかるもの、だと本当にお金をかけたいモノをそもそも購入できないのがゲンジツである。
それに……何でもない、ただの休日でもパニエを入れない可愛いお洋服を着たい日も勿論あるし家族と車で出かける日などは特にそういう“ちょうどいい”お洋服は重宝される。
(パニエを入れようものなら、スカートの裾が隣の席にいる妹に触れる可能性があるし)
今年一年、価値観が令和にアップデートされていった年でもあった。
執筆 むぎすけ様
挿絵 麻菜様
投稿 春原スカーレット柊顯
©DIGITAL butter/EUREKA project