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ヌン活あなたこなた ときどき、京葉線
横浜喫茶あなたこなた
番外編
【ヌン活あなたこなた ~ときどき、京葉線~】
ここ数年で、“アフタヌーンティー”と呼ばれる形式が爆発的に普及したように思う。
少なくとも私が学生の頃は一部の限られたホテルやカフェでひっそり提供している特別感あふれるメニューのひとつで、私がその存在を知ったのはディズニーファンという雑誌にて、ディズニーランドホテルのラウンジで提供される…という情報を見てからであった。
このホテルのアフタヌーンティーの事も、後で書こう。
“推し活“が普及してからは、3段トレーの柱部分に”推しカラー“のリボンを巻き付けて提供できる事をウリにしているカフェもあればピンクと黒、ハーネスや編み上げリボン…と言った『地雷系』ファッションをモチーフにしたお菓子や装飾のアフタヌーンティーなども出てきた。
言ってしまえば、オタ活や推し活といったものにアフタヌーンティーを結び付けたのは地雷系、のお洋服を着た方たちのインスタグラムの画像などの功績も大きいように思う。
東京にアフタヌーンティーしに行った事は、数回程度である。
今は横浜でも素敵なカフェというのが増え、また(夢のない話だが)比較的東京よりリーズナブルであり穴場と呼ばれる場所が多いから……というのもあって東京においては“気合を入れた”場所に行く事が多い。
今回は、襟を正した場所の話をしようと思う。
【ドリーマーズ・ラウンジ】
(舞浜・東京ディズニーランドホテル)
10年来の憧れは、唐突に叶った。
というのもここのアフタヌーンティーを予約できたのは時の運…というよりもひとえにデジタルに強いDヲタの妹のおかげである。
2021年1月。
泊まりでディズニーに行った時に着いてすぐのおやつの話になった際、私は、
「イクスピアリでクレープ食べようかなぁ」
と呟いた。あとあと行けたのでいずれこのクレープリーの話の事も話したい。
妹は…その時スタバの期間限定メニューがチョコレートドリンクだったからか、
「フラぺチーノでも飲んどくわー」
と言ってスマホをいじっていた。
当日になって、ネットで調べたのか一度“ウチもそこのクレープ屋いこっかなー”とそちらに気が向いていた事を母づてに聞いた。
お泊まりディズニー、しかもランドホテルのアリスルーム…という夢のようなスケジュールの中ひっそり、
(今回はさすがに、高望みってヤツかなぁ……)
と、公式サイトのアフタヌーンティーのページを見ていた。
自分のお小遣いをはたいてラウンジでお茶を飲むかも知れない、とだけ家族には告げていた。
それだけならば飛び込みでも可能なのが嬉しいポイントである。
このラウンジの紅茶はロンネフェルトという流通の少ない、レアリティの高いものを飲めるので紅茶マニアの間でもひっそり評判なのである。
(余談だが、ロンネフェルトの茶葉は横浜でも一店だけ取り扱っている。元町のラ・テイエールという紅茶専門店で、オリジナルブレンドもとてもおススメです)
事が動いたのは当日の出発直前。
身支度を整え、あとは車を出す時間を待つばかりとなった頃に妹がスマホ片手にこちらへ来て母に一言、
「アフタヌーンティー、キャンセル待ち取れちゃったんだけど」
と報告したのがきっかけであった。
夢が叶う場所、というのはあのテーマパークのキャッチコピーではあるが流石に…この3日間に去年一年(2020年)で見るはずだった幸せな夢を一気に利子付きで取り返した感があった。
全く夢のない例え方ではあるが……。
そうして車が出発して高速を飛ばすこと1時間前後。
横浜から高速に乗って舞浜に行くとレインボーブリッジやお台場の海が見える。
いよいよパークに近づくと車窓にはミッキー柄のボストンバッグを模した建物やシンデレラ城が京葉線の線路越しにはっきり映るので車で移動する時にはこの辺では(なるたけ)起きているようにしている。
ここ数年は京葉線に揺られて来る事もちまちま増えたが。
天井の高いロビーで待っている間、カメラアプリを立ち上げて色々な所を撮影したが客室に着いてからの方が総枚数は結果的に多くなってしまった。
一日目の山場というのは、私の中ではこの辺りからである。
その後周辺施設のイクスピアリに一人で赴いてQ-pot.でイヤリングを購入したのもあるが(自粛下で、お小遣いを使う場所がなかったので自然と貯金されていた)この年は1月初旬もまたひとつのピークであった。
そうして、お茶の時間が近くなったのでいそいそとエレベーターでロビーに降りてラウンジへ。
ダークブラウンの木目が綺麗な暖炉やテーブル、見上げればどこまでも広がるような天井から釣り下がる白硝子のシャンデリアをボンヤリ眺めつつ
母と妹は注文を聞かれる。
妹は一眼レフ片手に色々な写真を撮っていた。
そうこうしている内に、10年来の憧れだった三段トレーが運ばれてきた。
下から一段目がサンドイッチなどしょっぱいもので、真ん中がスコーン、上がピンクのムースとマフィンのような英国のケーキであった。
海老が入っている苦手な料理は母か妹に譲る。
恥ずかしい話だが、この時感激しきりで何がどんな味だったか…美味しかったのは覚えているが余り定かではない。
紅茶のポットもロンネフェルト製で、不思議の国のアリスのティーポットのような不思議な形をしていた。
後で調べてみると、紅茶を蒸らす時に起きるジャンピングという現象をより良くする為の形らしい。
お会計をした後、ロビーのソファの真ん中にあった船のオブジェを見る。
大きな帆を張った船は、これから三日間のディズニーパークに続いているような気がした。
その後に続く…世間では去年あんな事があった後、まだマスクが必要ながらもどうにか人々が生活を取り戻し始めた春の日にも。
この時はとりあえず、
(まぁ……今は、久々の泊まり旅行を楽しむ事だけを考えよう!)
と船のオブジェを背に一人イクスピアリへと歩き出した。
どうにか、2021年を無事に迎えた事に…ひいては何事もなくディズニーに来れた事に感謝しながら。
執筆 むぎすけ様
投稿 春原スカーレット柊顯
©DIGITAL butter/EUREKA project