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番外篇 時には揚げものをかじって空を見る やっぱりチーズしか勝たん
洋食屋あなたこなた
番外編
【時には揚げものをかじって空を見る ~やっぱりチーズしか勝たん~】
恐らく、洋食屋巡り(…というテーマだが、いずれ和食の事も書くだろう)という題で綴っているこのエッセイはカフェ巡りでは余り書かないであろう男メシや肉料理のお店がメインとなる。
今回は自炊できるもの含め揚げ物などホットスナックの話を書こうと思う。
元々、味の濃いものは好きな人間である。
私がコンビニに行くと、実はジッと確認してしまうのはホットスナックで
余りに寒い冬の日はピザまんをちいかわのうさぎよろしくチーズを伸ばして食している。
コンビニチキンで好きなのはLチキで、YouTubeで見ている食事系ASMR(要は咀嚼音を聞く動画なので好みは分かれるだろう)では韓国のチェーンハンバーガー店のチーズがこれでもかと言う程かかったサイドメニューや
日本の投稿者ならコストコサーモンをチーズと共に炙った回転寿司風メニューを平らげるタイプの動画も良く見ている(ご飯の食べ方が綺麗な人に限られるが)。
横浜西口のビブレにお世話になっている事は他のエッセイでちょくちょく書いているが、ファッションに限らず一時期ホットスナック目当てに扉をくぐっていた。
韓国のホットスナックでチーズハットグやチーズボールという揚げものがある。
ハットグの方はアメリカンドッグの中にのびるモッツァレラチーズやソーセージが入っていて、チーズボールは揚げたての丸ドーナツの中にチーズがたっぷり入っている向こうの屋台から生まれたグルメである。
これをおやつに平らげた日には夕飯は入らなくなる代物である。
粉砂糖をまぶしてケチャップをかけた(書いているだけで、改めてジャンキーだと感じる)甘い生地と濃厚なチーズのコントラストが美味しい。
ビブレにある韓国グルメのお店のひとつに『ジョンノハットグ&ネネチキン』がある。
(あのビルには最近韓国風カフェもできたので、その内行ってみたいところである)
先程書いたホットスナック店はジョンノハットグだが、もう片方の韓国チキン店も一回利用した事がある。
こちらの唐揚げや鶏肉の竜田揚げは、作った事がある方はお分かり頂けると思うが生姜や醤油、にんにくなどでしっかりと下味をつけてから片栗粉をまぶしてあげるので白飯のおかずになるし、どちらかというと“食事”である。
ファストフードのチェーン店だとモスバーガーのモスチキンは竜田揚げにかなり近い。
私が頼んだスノーウィングチキン(甘じょっぱいチーズパウダーがたっぷりかかっている)を例にあげて書くと、とにかく“お腹いっぱいになる肉のスナック菓子”…に近い。
マックのナゲットなどのサイドメニューをメインに据えた感じだろうか。
後にお家で作ってみて分かったことだが、下味をつける際にお肉を柔らかくする為牛乳を使う事も多い。レシピによっては衣をザクザクにするのに砕いた無糖のコーンフレークをまぶしたものもある。
味付けもコチュジャンを使った甘辛いソースをからめた“ヤンニョムチキン”や(これはご飯のおかずになる)ポテトチップスのプリンクルス サワークリーム味に似たパウダーをまぶした“プリンクルパウダー”のチキンやチーズボールなんかもあるそうだ。
このパウダーはPLAZA(私の世代ではソニプラで通じるが)でも取り扱いがあり一回お家で作った時海外のぬいぐるみやお菓子の棚に囲まれながら探し、見つけた。
揚げ物とはまた違う話だが即席麺の話もしたい。
日本のインスタントラーメンに関してはオーソドックスなものを好む人間だと自負している。
カップ麺ではどれに浮気しても結局「結局カップヌードルのシーフードに帰って来る」し、袋麺の方でもチキンラーメンを作っている時にベビースターに似たかけらをひとつかふたつ程つまんでいる。
袋麺を作る際はもやしやらニラやら野菜をどっさり入れるのが一番好きだ。
ロングセラーのものは夜にラーメン屋の屋台が家の前に来ていた頃を想像する。
先程の韓国グルメの話と繋がるが、向こうの即席麵というのは恐らくだいぶ前から辛ラーメンが有名だろう。
向こうのドラマでも金色の鍋に(学校の家庭科室などでよく見る鍋である)赤いスープのインスタント麺を作り、鍋ごと部屋に持って行って独り鍋からお箸でつつくシーンが頻出するそうだが向こうの方のASMRを見ていても、チーズのスープのインスタント麺や(韓国の人が綺麗な肌をしているのは、日常的に発酵食品をよく摂っているからかも知れない)向こうの甘辛いプルダックソースを使った“プルダックポックンミョン”というのがある。
プルダック麺は英語圏のインターネットでは“fire noodle”と呼ばれ恐れられているらしく一袋をどれくらい食せるか、というチャレンジが街中で繰り広げられ大体の人が途中でリタイアを叫んでいる動画を見たことがある。
私も初めて食べた時は、ちょっとマイルドにした状態で食べたが甘辛いソースの麺が好きになったのもつかの間、後からスコヴィル値の数だけ舌を殴ってきたので、
「なんちゅー恐ろしいもんを考えたんだ!」
と半泣きでお冷を大きなコップ一杯に作って持ってきた始末である。
だが慣れというのは恐ろしいもので。
今は半年に一回のペースで食していて、コップ一杯三ツ矢サイダーを注いでおけば涼しい顔をして完食できるようになってしまった。
脂っこい食べ物の話が続いたので、最後は少し漬物の話をして締めたい。
韓国チキンを買うと一緒にチキンムが(正方形に切った大根の酢漬け)入っている事が多い。
味覚をさっぱりさせる効果があるようで、実際そうなのだ。
元々、私も漬物は好きで茄子の浅漬けは好物のひとつであり、余り漬かりすぎず味もシンプルなものが好みだ。
明太子やのりたまなど、好きなご飯のおともは多いがたくあんとみそ汁などずっと昔から親しまれたものがやっぱり一番おいしいよなぁと思う。
カフェ巡り・洋食屋巡りのエッセイを書いていて、ありがたい事にハイカラで美味しいものを綺麗な空間で頂いているがおにぎりにウィンナー、卵焼きにみそ汁といった食事をさっさと作り休日の自宅で心おきなく食べてその後ゲームをするか、また寝るかをぼんやり考える。
「なんでもない日」の食事が結局一番幸福だよなぁといつも感じる。
執筆 むぎすけ様
挿絵 シエラ様
投稿 笹木スカーレット柊顯
©DIGITAL butter/EUREKA project