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山猫瓶詰研究所に宿泊する
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さあこれから盆休みだ、という週末、我が家は家を出て、一路鹿児島は枕崎を目指す。途中、安住さんのザ タイムでも紹介された神社を訪れたり、あえてのカーフェリーを利用したりして走りながら、今回は、宿そのものが目的の旅である。その分、その過程は子どもたちが喜びそうなルートをとってみたのだった。
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長年懇意にしてもらっている年下の女性たちがいて、そのうち一人が結婚するというので、我が家にきて食事しつつ、式に向けて作る本をどうするか、話し合いをした。新婦はもちろんサプライズなので今回はこず、やってきた一人は絵描きさんで、もう一人はグラフィックデザイナー。高校時代、文芸部に所属して文を書いたり(絵描きさんの文章は絵もさることながら圧巻のうまさ)、本を作ったり(デザイナーさんのデザインはすごく洗練されていて、京都在住なら、NHKの「京いちにち」のタイトルロゴデザインしてる人だと言えば分かるかと。)していたそうで、今、二人とも独立して自分の道を歩み始めている。
その2人がこの前鹿児島に出かけて泊まった宿が素敵だった、という話をしてきた。基本そこは瓶詰めのオシャレ食品を販売するところであり、マフィンを中心としたカフェであり、そうして、一日一組限定の宿を提供する、元郵便局という情報多めの説明を受けて、それをはたから聞いていた妻は、ネットで検索、翌日には予約をとっていた。
「山猫瓶詰研究所」
古民家を改装した、実に落ち着きと味わいと、ユーモアのある宿であった。
しかし、よくもまあこんなところを見つけてくるものだ。クリエイター故の感度の高さゆえか。
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ふと考えてみると、子どもができてから、いわゆる観光ホテルみたいなところを利用したことがないかもしれない。
九州といえば大分は別府に杉乃井ホテルがあるが、ここなんかは子ども連れには最良のホテルだと思う。しかしこんなところに泊まったことがない。ビジネス系か、ちょっとクラシックだったり。だが、こうしたコンセプトの宿というのも初めてである。
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カフェの空間には、到着時、まだお客さんがいて、その間を縫って居室に向かうのはなんだか変な気がした。
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入り口のキャプションにしろ、寝室(?)にしろ、お店の名前にしろ、コンセプトが宮澤賢治の「注文の多い料理店」だと言うのが分かるかと思う。寝室のこの洞窟感は、つまり山猫の腹の中、というわけだ。
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宿の外に野良猫がいた。スタッフさんによると12匹いるらしい。一定の距離を保ちつつ、「無駄に逃げませんよ?あたしゃ」とした態度。
長男は、じっとこちらを見ている猫の様子に「僕のこと好きなのかなあ?」と嬉しそうにしている。息子よ、じっと見ているのは好意とは限らぬのだよ。なんたるポジティブ。将来が心配である。
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6時ごろにはスタッフさんもいなくなるので、カフェスペースも貸切となる。ちょっと怖いくらいの雰囲気。古民家モダンは、少し何かが出るんじゃないかという空気を持っている。
食事は、前もって用意された蒸し料理を好きな時間に蒸して食べるスタイル。必要な道具、カトラリーや、蒸し器、翌朝の食事のためのトースターなどは、予め準備されている。
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瓶詰研究所らしく、蒸し料理に出されるソースが3種類あって、これがなかなかいい。だけど、それにもまして主食として出されたマフィンがウマい。甘くない、鰹節(この地の名産)を織り交ぜた生地がしょっぱくて、お酒に合う。HPに夕食の説明がかかれているけど、蒸し料理だけの紹介になっている。これ、このマフィンもちゃんと紹介しておけばいいのに、としきりに妻が言った。
テレビはない。静かな夜だ。周囲も所謂集落なので、人の声もしない。いつの間にか家族全員眠ってしまっていた。10時前には眠っていたんじゃなかろうか。
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さて翌朝、恒例の朝の散歩である。空き家の目立つ、限界集落と言っても過言ではない場所。小学校は平成年間に閉校となっており、今はIT企業が社屋として利用しているらしい。都市景観を撮るような刺激はない。自分の実家から、ちょっと山の方へ行けば似たような光景が広がっている。こう言ってはなんだけれどもありふれた寂れた集落だ。門だけ残って草に覆われた土地、朽ちていく最中の空き家がそこここにある。その中で、まだ人が住んでいる古くからの家屋もあれば、築浅の家もあったりする。集落の入り口には市営だか、県営だかのアパートもあって、何か不思議な気分にさせられる。
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この集落は、山の谷間にできたところのようで、平地はすぐに山へ続く坂につながっていく。凹凸が激しいから、少しのぼると狭い視界が開ける場所があって、海の向こうの風力発動の風車が望めたりする。
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カメラはM240 M10-R。レンズはヘリアークラシック50mmを中心にノクトン28mmと、35mm、望遠としてテレエルマー135mmを持参した。28mmは宿を撮る、35mmは旅の道中を撮る。50mmは滲みで草を撮る、135mmは海を望む、と言うふうに設定しての携行だったが、だいたいそんな感じの用途で使い回した。たぶんテレエルマーに関しては旅に初めて持って行ったかもしれない。
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こう言う自分の暮らしと特段変わらない雰囲気の場所を撮り歩くのは、なんとも微妙な気分にさせられる。違うのだけど、変わらない。真新しいものがないけど、でも違う。だから、写真を撮る目がなんでもかんでもとはシャッターを切らせない。つまらない、見慣れた、でもいつもの場所とは違うというのは、スナップの練習にいいかもしれないと思う。
宿を出て、ちょっとお土産買って、ついでに寄ったのは、先に挙げた女性が教えてくれた蒸留所。
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こじんまりとしているが、試飲させてもらい、これがもうね、たまらんのね。
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夏の旅は暑さもあって無理はできない。子どもらも暑さに参ってしまいそうになっていた。そんな時、宿と、その周辺を楽しむ旅はちょうどいいように思う。
ただ、小さな子どもがいる家庭だから、そうもいかない。
この後大きな公園に向かい、変わり種の自転車に乗り、プールで遊んで、と盛りだくさん。翌日の親たちはぐったりとしていましたとさ。
とはいえ、とても良い雰囲気の宿を楽しめて良かった。こんな宿を再び探してみたいものだ。