📦植物流通の5R：物流の効率化を追求する

ロジスティクスの使命と5R

ロジスティクスは企業の市場への供給を円滑に行うことを目的とする活動であり、その使命は以下の5つのRに集約されます。

ライトプロダクト：適切な商品を
ライトプレイス：適切な場所へ
ライトタイム：適切な時に
ライトコンディション：適切な条件で
ライトコスト：適切な価格でコストを
これらの要素を考慮しながら、物流の使命を果たすために企業内連携と企業外の連携が重要です。

植物の場合のライトプロダクトはなんでしょうか？
ライトプロダクトが生産者ごとに地域や生産者ごとに思想が異なるため、工業製品と異なって、いい意味での多種多様さがあります。美しさの基準や生産されるまでの背景が消費者にとっての価値が変わることがあるので正しさを定義することが難しいのかもしれません。
ここでの課題は、どのような植物が求められているのかが言語化されていないことです。
今後は市場と生産者を巻き込んだ相互理解が業界には求められているように感じています。

適切な場所・適切な時に、というと花卉産業ではロス率が業界で30%以上と言われており、花屋さんが店頭に置いてある花の約30％は廃棄されていることからも分かる通り、適切な場所や時に配分されているとは言い難い構造になっています。
そのためロスフラワーなどのグリーン物流ともいうべき販売活動も近年注目されています。

ライトコンディション、という点では海外から市場まで、または市場から卸売店までの温度管理は食品と同じような厳しい温度管理がされていますが、店頭に届くとその温度管理自体が難しい環境にあることがほとんどです。
冷蔵庫はありますが、水揚げの処理や分花する際には作業場全体を冷やすことが難しいため、花は温度変化の影響を受けてしまいます。
特に販売物流ではこの課題が大きく、配送会社の提供するクール便などを利用することもありますが、花や植物に最適化されていないため、クール便の温度設定がライトコンディションと言えるかというと、配送会社の設定に、依存せざるを得ない状況です。

企業内連携と外部のサプライチェーンマネジメント

ロジスティクスの効果的な遂行には、企業内のさまざまな部門が連携することが必要です。たとえば、販売部門、購買部門、物流部門、マーケティング部門、営業部などが一体となって活動することで市場への供給が円滑になります。しかしこれだけではなく、企業外の連携も不可欠です。サプライチェーン全体での協力がなければ、物流の使命を達成することは難しいでしょう。
市場やメーカー、問屋からの情報の取得は、欠品を防ぎ、競合他社との優位性を保つためにも重要です。
販売部門は、販売機会を最大化できているか？という視点から、購買部門と連携して販売機会の最大化を目指し、購買部門は不良在庫を減らし、適正在庫を常にアップデートしながら欠品率を抑えることを目指します。

こうしたサプライチェーン全体を考えた時には植物の流通は工業製品よりは食材の調達に近いのかなと考えています。
市場も、花卉と野菜が同じ敷地で扱われている場所も多いです。

物流効率化の変遷と分離

物流効率化の進展は業界や商品の特性によって異なります。売上高物流コスト比率が高い業界ほど、早く物流の効率化に取り組む傾向があります。また、商品寿命の短い業種は在庫削減を重視します。
花卉産業の場合は、商品の価格のうち物流コストは比較的高いです。

まとめ

ロジスティクスの目的は企業の供給を円滑に行うこと。その使命は「ライトプロダクト」（適切な商品）、「ライトプレイス」（適切な場所）、「ライトタイム」（適切な時）、「ライトコンディション」（適切な条件）、「ライトコスト」（適切な価格）の5つのRに集約されています。
物流効率化には企業内部と外部の連携が不可欠で、花卉産業でもロス率の高い部分の改善に注目されています。
また、温度管理などの課題があり、品質の良い植物を届けるにはサプライチェーン全体での協力が必要かなと思います。

過去記事

【プレビュー】📦：物流って？：ロジスティクス管理３級｜eur｜note