袋詰
私がよく行くコンビニは、夜遅くに必ず決まった男の人がレジにいる。
一見ぶっきらぼうに見える中国の人。
背が高くて、声は高くて、たくさんのことはまだ知らない。
けれど彼がお会計をしてくれる時、残業で残り僅かな力で袋詰めしている私を、そっといつも手伝ってくれることは知っている。
疲労で袋を出すのすら忘れて立ち尽くしていると、「袋あるなら詰めます?」と一生懸命話しかけてくれる。
とても優しくて温かいな。
「残業お疲れ様」
「今日も頑張ったね」
「ゆっくり休んでね」
そういった言葉にはない心地良さと柔らかさがある。
今日の残業終わりは、とてもじゃないけど食欲があるほどの余力はない。
その足で今日もコンビニに行く。
心地良さになでられたい、そんな毎日。