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【レポート】コミュニティ通貨ギャザリング 〜共感で循環する経済について考える〜

「円から縁へ、交換から共感へ」eumoの活動に賛同いただき、共感コミュニティ通貨eumoプラットフォームを活用した、独自経済圏で流通するコミュニティ通貨が続々とリリースを迎えています。

本イベントは、共感をベースに活動している全国のコミュニティが集い、それぞれが大切にしていること、目指しているコミュニティ像、活用方法等を”知る”ことで、共感で循環する経済について”考え”、コミュニティマネージャー同士が”繋がる”きっかけ作りを目的として開催しました。コミュニティづくり、コミュニティ通貨の組成に興味のある方を対象とし、一般参加も受け付けました。

ギャザリングの様子

本記事では、イベントの様子をお届けいたします。


コミュニティ活動報告

NISEKO eumo

NISEKO eumo(読み方:ニセコ ユーモ)は、株式会社ONNEAがコミュニティマネージャーを務め、SDGs未来都市であるニセコ町で、自然、人、共感、感謝の循環を目指し、北海道ニセコ町の素敵な加盟店で利用できる通貨です。期限切れの通貨は、全額ニセコ町の子供の未来のために使用します。

NISEKO eumo コミュニティマネージャーの新井(株式会社eumo代表)

NISEKO eumoでは、2022年11月より、ふるさと納税の返礼品として現地で使える「ё旅[いい旅]納税」のサービスを導入しています。

近年、返礼品競争の過熱が目立つふるさと納税ですが、制度本来の趣旨である「地域への寄付を通じた応援や交流」を促進するための適正化が進められています。

その中で、地域とつながりを持つ機会を楽しむ、その場で使える新しいふるさと納税の仕組み「ё旅納税」導入から2年が経過し、これまでの取り組みと今後の展開にを共有いただきました。

ё旅納税 サイトより抜粋

フェアトレードコイン

フェアトレードコインは、サスティナブル・ストーリー株式会社がコミュニティマネージャーを務め、フェアトレードやエシカルで、おもいやりの循環社会をつくる通貨として、フェアトレードやエシカル商品を扱う企業が加盟している通貨です。
期限切れ通貨は、90%を対象のユーザーに再配布、10%をフェアトレードを学ぶ機会に配布します。

フェアトレードコイン コミュニティマネージャーの中島さん

フェアトレードコインのリリースは2020年と、共感コミュニティ通貨eumoプラットフォームのサービス開始時より運営されており、通常の買い物のシーン以外でも、マルシェやイベントでの活用に注力されています。

当日資料より抜粋

4年活動を振り返り、リリース当初からの変化・発見を共有いただきました。

①対象者の変化
「フェアトレードを応援したい方々」から、「フェアトレードを知り、新たに応援してくださる方々」へ利用者の層が変化
②加盟店の対象
「フェアトレード取扱専門店」から、「フェアトレードに理解のあるお店」へと対象範囲を拡大
③エリアの対象・ユーザーの増やし方
「全国共通のテーマ」から、「地域でのイベントを通じて認知度と利用を促す」方法へとシフト
④テーマの扱い
「フェアトレードの応援」から、「エシカル消費や豊かな生活を促進するきっかけ」として、テーマの幅を拡大

ALPSCITY Pay

ALPSCITY Pay(読み方:アルプスシティ ペイ)は、一般社団法人エディションフォー・スタディーズがコミュニティマネージャーを務め、アルプスの山々をのぞむ、信州まつもとエリアで、街の人の「共感」を集めているローカルな店舗やサービスで利用できる通貨です。

期限切れ通貨は、70%を対象のユーザーに再配布、30%を地域課題解決に関するプロジェクトに利用します。 

ALPSCITY Pay コミュニティマネージャーの山本さん

ALPSCITY Payでは、中部山岳国立公園を挟み、長野県松本市と岐阜県高山市を結ぶ「北アルプストラバースルート」において、2024年4月より、環境省や観光庁とインバウンド観光を軸とした地域経済・社会・環境の好循環に向けた仕組み「Local Touch」プロジェクトにて、当社が提供する「カード機能」を活用いただいています。

人口が減少する日本では、税金だけでは賄いきれない課題が増加しています。こうした中で、「Local Touch」プロジェクトでは、インバウンド観光を活用し、ALPSCITY Payを通じて共的領域(commons)での財源の確保を図ります。

当日資料から抜粋

京都祭コイン

京都祭コインは、株式会社夢びとがコミュニティマネージャーを務め、京都市で自分のアクションを起点に、ひとりひとりが持続可能なまちづくりに関わるキッカケをつくる通貨です。アクションに集まってくる『祭』を使って、素敵な人や活動に繋がる、応援する。自分起点に素敵な循環を生むことを大切にしています。

期限切れ通貨は、90%をユーザーに再配布、10%をまちづくりに関わるキッカケづくりに活用します。

京都祭コイン コミュニティマネージャーの中田さん

京都祭コインでは、「地域企業共創実験」として京都市内の企業40社の協賛による通貨配布、地域企業と繋がるイベントや体験、生ゴミ堆肥循環、市営住宅の民間活用等、行政・教育機関と連携しながら地域課題のためのツールとして活用されています。

当日資料の抜粋

ファン

ファンは、一般社団法人 fanableがコミュニティマネージャーを務め、「社会課題と関係を持つ生き方」を選択する人を自然に増やし、応援が循環する社会を創りたい。『知れば、変わる。』そのキッカケになる、北大阪で流通する通貨です。

社会課題と戦う人たちの活動を応援するため、売上の一部・期限切れ通貨は全額を社会課題解決のための様々な活動に寄付します。

ファンコミュニティマネージャーの小西さん

ファンでは、会員及び加盟店の顧客等へ通貨を定期配布し、通貨で繋ぐ活動をされています(個人会員、賛助会員も募集中です)。

ファンHPより抜粋

い〜とmo

い〜とmo(読み方:イートモ)は、地域通貨い~と事務局がコミュニティマネージャーを務め、森林、海などの自然を大事にしながら、新しい経済循環の形を作り、地域全体を盛り上げていく、福岡県福岡市/糸島市一帯で流通する通貨です。

新しい循環経済と現在の資本主義的な世界の架け橋となるような通貨になることで、日本・社会の課題解決のひとつのモデルとなることをめざしています。

期限切れ通貨は、全額を困りごとを解決するため(応募→事務局で決定)、い~とを循環している店舗への奨励金に利用します。

い〜とmoコミュニティマネージャーの中村さん

い〜とmoでは、市民活動を可視化するための通貨「peace coin」と連携した取り組みをご紹介いただきました。

当日資料より抜粋

いいづなpay

いいづなpayは、一般社団法人わけしょがコミュニティマネージャーを務め、昔からの里山文化「共助の精神」が根強く残っている長野県飯綱町で、誰かの為(結い)、地域の為(普請)に生きる飯綱町の人やお店に着目した、いいづなっペぇ(いいづなっぽい)魅力を感じられる通貨です。

期限切れ通貨は、50%をユーザーへ再配布(結い)、50%を地域社会の為の活動に利用します(普請)。

いいづなpay コミュニティマネージャー補佐の市村さん

いいづなpayは、地域イベント(ロゲイニング)での活用を中心にお話しいただきました。今後も、「使えば使うほど飯綱の魅力が伝わる」通貨となるため、イベント活用連携等を中心に、通貨の浸透に向けた活動に取り組まれます。

当日資料より抜粋

AWA BLUE PAY

AWA BLUE PAYは、一般社団法人ネイテック吉野川がコミュニティマネージャーを務める、阿波徳島の吉野川流域で流通する通貨です。

地域のお店とお客様を良きコミュニティ仲間として一緒に盛り上げていくこと、贈与経済が地方の力になることを目指し、お客様との関係をファミリーとして大事にしている多種多様な会社やお店が加盟しています。

期限切れ通貨は、50%をユーザーに再配布、50%をまちを元気にするための活動に使用します。

AWA BLUE PAYコミュニティマネージャーの原田さん

AWA BLUE PAYは、空き家を活用した若手芸術家支援「kumu project」を中心に、空き家や教育、人材といった地域課題解決に向けた活動資金としての活用を計画しています。

当日資料より抜粋

グループディスカッション

一般申込者参加型として、コミュニティマネージャーを含め、4チームに分かれてグループディスカッションを実施いたしました。

グループディスカッションの様子

当社の「共感コミュニティ通貨eumo」を取り上げてくださっている映画「ロマンチック金銭感覚」監督・主演の佐伯さん、緑茶さんにもご参加いただきました。

グループディスカッションでは、映画のイベントとして、コミュニティ通貨eumoが当たるガチャガチャを企画いただき、そちらに当選したことがきっかけでeumoを使い、本イベントに参加された方など、様々なバックグランドを共有しながら、各チームとも非常に盛り上がり、あっという間の1時間半となりました。

ロマンチック金銭感覚でのガチャガチャイベントの様子

Special Thanks!

懇親会(ル・クロ・ド・マリアージュさん)

当日は、懇親会にて、コミュニティ通貨「ユーコイン」加盟店の「ル・クロ・ド・マリアージュ」さんにて、ケータリングをご用意いただきました。

ル・クロ・ド・マリアージュさんは、大阪谷町のオフィス街にあるユニバーサルレストランです。 レストランからブライダル、福祉事業、ケータリング事業まで、幅広く多様で多目的に利用できる、他にはない新しい形を提供されています。

イベント会場(KUUHAAさん)

イベント会場は、ギャザリングの趣旨に共感いただき、大阪谷町の「KUUHAA」さんをお借りしました。

KUUHAAさんは、「価値に共感した人が集う場、また集う人たちが起こす新たな活動をビルから発信する」というテーマのもと、非営利と営利の壁を超えてより良いものを創り出していくソーシャルな事業活動をする仲間が一堂に介する空間を提供されています。

KUUHAAさん 施設写真

KUUHAAさんは、「儲かる」「安い」といった従来の価値基準だけでなく、「それ、ええやん」と共感でつながり、新しいビジネスへ発展できるように、「循環」「共感」「つながり」をテーマに、循環型のオフィス設計+あいまいな境界空間設計を取り入れられています。 様々なソーシャル課題に取り組むインパクト企業とそれをサポートする企業のつながりの場となることを企図されています。

通常、KUUHAAさんのご利用には、契約(メンバープラン・コワーキングオプション・フレキシブルオフィスプラン)が必要となりますが、タニマチコイン払い限定のドロップイン利用を計画いただいておりますので、ぜひご利用ください。

コミュニティ通貨の組成に関心をお持ちの方へ

「共感コミュニティ通貨eumoプラットフォーム」を利用した独自コミュニティ通貨の導入には、通貨デザインコースの受講が条件となります。

※コミュニティ通貨導入に関するコンサルティング及びコミュニティの独自要件がある場合は、別途費用は要相談となります。

通貨デザインコースは、年2回(春期、秋期)の開講となり、次回は2025年2月の開講を予定しております。現在、受講生を募集しておりますので、「共感コミュニティ通貨eumo」だけでなく、地域通貨について学びたい方の受講をお待ちしております。
※本講座は、定員に達し次第、募集を締め切らせていただきます。

最後に

コミュニティ通貨ギャザリングは、来年も開催予定です。
ご興味のある方は、当社peatixページをフォローいただきますと、イベント公開時に通知が飛びますので、ぜひフォローをお願いいたします。


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