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逆噴射ピックアップ第二回(20241119)

 いつもお世話になっております、復路鵜です。

 投稿期間が終了しました。現在は集計期間中であり、おそらくは年内に最終的な結果が出るとのこと。年内……12月中ですか!? 早いですね!!
 素早くピックアップ行為をすることにより、公式の見解に引っ張られる前に「わたしはこの作品のこの辺が良いと思った」を展開できる良いチャンス! 善は急げ!
 また作品をピックアップすることにより、「あの作品は具体的にあの部分が琴線に触れて良かった」「自分の作品がピックアップされてレビューされるのが嬉しい」など、ポジティブなエネルギーが発生しやすいので、ぜひ皆様も書かれることをおすすめします。

 様々なピックアップがあります!

 パルプ小説は数が多いため、単独では追うのがわりかし難しいので、こうしたピックアップは非常にありがたいものです。

 それでは始めます。



1.アインシュタイン・ベア

 ヘッダー画像、ややトボけた熊の視線と、空というか……虚無……を見ているアインシュタインの並びが面白い。っていうかこんなに前面にアインシュタインを強調してもいいんですか!?
 最初は単なるシリアルキラーによる惨劇かなと思っていましたが、後半になって様変わりしていき……
 最後の文章が不気味さを醸し出しています。
 相当シリアスな事態が発生しているのですが、シンプルな筆致で書かれているため、それほどドロドロした感じを持たず、さっぱりした感じ。
 奇怪さよりも、人がサクサク死んでいく軽い感じのホラー(R指定)を思い出しました。
 Wikipediaにも載っている事件について調べてみました。

PETAが最初に世間の注目を集めたのは1981年のシルバースプリング事件である。これはシルバースプリングの行動学研究所で行われていた17匹のカニクイザルを使ったエドワード・ターブの動物実験についての論争である。

シルバースプリング事件とは何?

 そうか……動物実験か……大変バイオな感じです。この描写だと、生み出されたバイオな存在が葛藤を重ねる『ダーウィン事変』のような展開もありますし、もう少しゴアな方向性に発展することもありそうです。


 バイオハザードでこういう存在が出てきたら、ロケットランチャーぐらい強い兵器を持ち出さないとなかなか勝てませんが、どのように打倒していくか……気になります!

2.僕の考えた超人

 スタンドバトルのようでもあり、あるいは伊藤潤二のホラーを思わせるつくり。最後の引きがまさにホラー漫画のようでぞくぞくします。
 超人の名前がほぼゆでたまご先生のアレなのですが、かえってパロディを出すことによって陰惨さと残酷さが強調されます。面白いです。
 展開的に一段落ついてしまったというか、ショートショートで収まってしまった感はありますが、このまま作品を続けていけば、中編ぐらいまで伸びていくのでは……と思います。
 クラスに一人はいる「漫画がうまい奴」を落とし込んだ作品。キャラクターが正攻法でやられるならともかく、ウンコマンみたいな二秒で考えたような存在に殺される辺りがリアルでした。小学校、中学校ではこうした理不尽さと隣合わせでしたが、かなり再現されており、恐ろしさも際立っています。


3.令和幻想 落語引導(れいわえいあぁる らくごいんどう)

 落語の世界です。『あかね囃』では声優が落語界に殴り込みをかけてきたり、落語で領域展開のようなことをしていて度肝を抜かれますが、この作品ではSF方面から殴ってきます。



 ARを導入しようとする弟子の話です。これが若い弟子と師匠の話だったら、「少年漫画とかにありそうな展開だな」で終わるところ、見たところ老人と老人(推測だと七十歳と九十歳ぐらい?)の会話なので、弟子の方でも相当考え抜いたのだな……と推測させる真剣さがあります。
 老人が主役の作品と聞いて思い出すのは『デンデラ』です。デンデラでは、姥捨て山に捨てられた老婆たちが羆と戦ったり内紛を起こしながらサバイバルしていますが、こちらはどうなるか。

 時代の流れとしてどんどん技術革新が進んでいますが、伝統芸能もそうした道から外れては生きていけない……
 映画館では既に4DXで展開されていますが、これが寄席や大喜利、落語の世界に導入されたら実際にどうなっていくか、気になるところです。『あかね囃』型アトラクションもいずれ登場しそうです。
 
 

4.知らないラッパーが家にいる

 ラッパー……ラッパーですよ!? ラッパーあるある「帽子をかぶってサングラスをつけており、マイク片手にブカブカのシャツを着てる黒人(ガムを噛んでいるとグッドポイント)」がいる!
 しかし作中でラッパーは一言もしゃべらないし、ノンバーバルコミュニケーションだけで主人公らの問題を解決しています。このまま喋らないルートもありますが、やはりいつかはDJや面白黒人のように喋りまくって面白いことをするのだろうか……
 最初はカオナシのように場を混乱させるだけの存在かと思いましたが、かなり主人公を助けてくれるのが嬉しい。かなりの確率で善人。
 ラッパーというと外国人が多いイメージがあるので、主人公を戸惑わせたり、あるいは知らないうちに恐ろしいことをしでかしている先入観がありましたが、今作ではほぼ無条件で助けてくれる。
 トークできないものの、会話は聞こえる神様が人間を助けてくれる構図でもあります。どのように発展していくか楽しみです。


5.デッドマンスイッチ・ラブ・シャンプー

 自爆テロに使われる主人公! イスラム圏とか酷い有様になっていそうだ。ちょっとピタゴラスイッチを思い出しました。
「シャンプーは環境に悪いんだよ^^」と笑顔を振りまきながら殴ってくる悪役が……すごく時事的な感覚に乗っかっているようで……地獄みがあります。
 同時に、主人公の心理描写もぬめっとした感覚がまさに恐怖小説。拉致されるまでの流れも瑕疵なく書かれています。
 悪役の造形はこれから決定していきそうですが、ネジの外れ加減が強いので、キャラクターがどう出てくるか楽しみです。


6.泉より湧くそれと

「由布岳」「大分川」「別府グローバルタワー」と、地方色あふれる描写が面白い。別府グローバルタワーで検索したら良い景色が出てきました。
 こうした地方味のある作品はあまり見ない……気がするので新鮮。舞城王太郎では福井県の西暁、スティーヴン・キングだとデリー、ニンジャスレイヤーではネオサイタマなど、事件が起きやすい架空の町がありますが、そうした架空の街を扱った作品も登場してほしいですね。
 閑話休題。
 作品中、主人公らが未だ全体像が判明していない、虫っぽい生物と戦っていますが、『スターシップ・トゥルーパーズ』というより、もうちょっとジュブナイル寄り。
 作品では温泉がキーポイントというか、敵が温泉そのものを嫌っているので、温泉を防衛しながら主人公が戦っています(装備品としても温泉を使っています)。いずれ温泉を敵に吹きかけて、『サイン』のように宇宙人をやっつけるシーンとかが出るのだろうか……?


 銃剣みたいな扱いで戦斧も変わらず使われているようです。
 名湯の地で大激戦が繰り広げられているので、他の温泉が出てくるところ……例えば越後湯沢、秋保温泉、飯坂温泉……などの場所も、ハリネズミのように武装しているか気になります。温泉って割と地下を通していろいろなところに通じているので、日本全体が陰陽道や神道といった感じでアプローチされてたら嬉しいです。


 ピックアップでした。今回は以上です! また次回よろしくお願いします。

《終わり》


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復路鵜
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