落とし物を拾われました。

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駅に向かう途中で定期券の入ったカードケースをなくしていることに気がついた。

訪問先の1軒目を終えたときにはあったはずだが、恐らくあそこかもしれないというなんとなくの目星はついている。

とりあえず入れていたものを思い出し、必要な手続きを一通り済ませた。
現金はいいから、ものだけでも見つかってくれたらという希望的観測のもと、近くの交番に遺失届を出しに行くことにした。

数十分の説明を終え、交番を後にし、まだ開いているコンビニで夜を済ませることに決めた。

店を出たところの向かい側にある橋の下にハンカチが落ちているのが目に入った。
靴下や手袋の片方など、いつもは落ちていても特に気には留めないが、異様に綺麗なそれがどうしてか放っておけず、近づいて手に取ってみた。
薄黄色の綺麗な色で、控え目に刺繍を施した花の柄が一目見て特に気に入った。
自分のようにこれを落として困っている人がいるかもなあ。
そう思ったが届けるほどにもならず、柵のところにかけておいた。

痛手だったのはカード式の家のキーを一緒に入れてしまっていたことだった。便利な反面、こういうときに弱いということが浮き彫りになったが、良い機会と捉えることにした。
管理会社に問い合わせ、諸々の手続きを終えてなんとか部屋に入ることはできた。

シャワーを浴びると一気に疲労が襲い、横になったまま眠ってしまっていた。
スマートフォンで時間を確認するとAM 3:33の文字列に明るい疎ましさと少しの心地よさを覚え、再び床に落ちた。

目を閉じたときに違和感を覚えた。

電気を消した覚えがなかったのに部屋が暗かった。

気のせいではあって欲しいと願ったが、画面を光らせたときに向こうに影が見えた気がした。

目を開けることができない。

このまま時間が過ぎて、明るくなるのをただただ待つほかなかった。

空調の効いた部屋で背中にびっしょりと汗を溜め、寝返りを打つこともままならない。

なにもなかった

なにもなかった

なにもなかった

そう唱えながら夢現の微睡みの中、微かに声が聞こえた気がした。


頬にひんやりとした感触をおぼえた。

「拾ってくれてありがとう」

△

『落とし物を拾いました。／situasion』

この歌を題材に昨日あったことをフィクションを交えてちょっとホラーチックに。夏の終わりにね。

というかこの歌のアウトロ、めちゃくちゃきもちわるいんですよね。
不気味とかいうレベルを超えて。

運命的な出会いを果たしたという愛の歌、シチュには珍しく明るい(アウトロ以外)曲調。
もちろん振り付けとかもかわいい系なんですけど。

そんなわけないよなあと。
男の子と少女と捉えるのが捉えやすいかなと思って読み進めてましたが、ちょいちょい、ようすがおかしい。

出会ったその人は本当にこの世に存在する人なのか……奈？

【追記】

楽曲題材のショートを観れば繋がりがわかって得心いくものはあるようです。　

そんなこんなで、年を重ねました。

去年は遠征先で金庫の鍵が開かなかったり、
一昨年はサマソニだったり、
4年前は仕事中に猛烈に腰が痛くなって結石だったり。
なんかいろいろあって一筋縄ではいかないようですね。
朝から👮へ行き、この歳になっての初接触がおまわりさんでした。

これは身分を証明するものに困って一応持っていくことにした青眼の白龍

健康と平穏が一番！！！！☝ヨシッ！！！！👈

堂福みことさん

三原海さん

お誕生日おめでとうございます🎂🐈

良い一年を。