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耐えたものだけが、得られるもの
痛い、痛い、イタタタたた…..
ちょっと、待って、こんなに痛いの?
5月に雪駄を買った、一目惚れだった。
これだっ!とハマるものが、見当たらなかった。お気に入りの柄シャツにマッチすることが唯一の条件だった。
靴だけはファストファッションではなく、いいものを履くようにしている。値段が全てではないけれど、靴の専門店で買うというこだわりがある。というのも、足の長さが28.5cmの幅広のため、シンプルに合う靴がないのだ。
ショックだったのは、HARUTAの革靴を買おうとした時に、「28cm以上の靴は作っておりません」と言われたことだ。身長や足が大きいと、規格外ってことなのかと悲しくなった。
近場の靴屋を3〜4軒まわったが、なかなかビタッとくるサンダルが見当たらない。
初のブーツをここで買ったことを思い出し、下北沢のTOP to TOP に向かう。質の良い仕入をしているなという印象がある。店長の目利きとセンスが、自分のセンサーにドンピシャなんだ。
「今着ている服とめっちゃ合いますね。」
異国感あるグレー色と黄土色が差し色の柄シャツと黒のスラックスにビタっとハマった。職人の手が入っている点も高評価。
流行りのKEENも試してみた。楽ではあったが、鏡で見たときの印象が微妙なことと、履き心地も悪かったのでやめた。
いいモノを先に履かせるという思惑には、気がつかないふりをしつつ、大和工房のこちらの雪駄CROSSを購入。
ズバリ、分厚いソールが最高なのだ。
店長いわく、靴で値段の違いが1番出るのはソールとのこと。確かに、KEENよりもふわっとしたクッション性で、何よりその厚さがイカつくてカッコいい。
帰宅後、うきうきしながら、
早速履き替えて近場のスーパーへ。
10分後……
いたい、痛すぎるっ!
普段の靴の歩幅で歩こうとするが、痛いため半分ほどの歩幅になる。しかも踵が浮くので、歩くたびにペチペチと音を立てる。なんだ、こんなことになるとは思っていなかったぞ笑!
買ったことを後悔したが、値段もまあまあしたので、痛みに耐えた。職場の上司もサンダルを履きたかったけど、痛すぎて諦めたらしいが、私は諦めが悪い。
耐えること1ヶ月。田園都市線が渋谷から動かない日があった雨の日曜日。5kmほどの道のりを、歩いて帰れるようになっていた。そう、痛みを克服したのだ。結果として、涼しさと快適さを同時に手に入れたのだった。
……風呂に入ると、ピリリとしみた。
両足の同じ薬指付近の皮がめくれていた。
そういえば、エスカレーターに乗った時、女性の踵が擦れて血が出ていたなあと。そこまでして履いて、得られるものって一体なんなんだろう。
*
痛みに耐えることで、何か得られると思ってなだろうか。得られる報酬があらかじめ分かってっていたから耐えられたのか。得たもので報われたと感じられるかどうか。
物理的で分かりやすい痛みであれば、すぐに気がつけるし対処もしやすいだろう。
一方で、精神的な痛みはどうだろうか。私の場合、辛い仕事に耐えることが目的となってしまい、乗り越える事が成長するのだと思い込んでいた時がある。
水から茹でられたカエルのように、気づかないうちに、取り返しが付かず、体や心が壊れてしまうかもしれない。
良薬は口に苦しという。その痛みが良薬か毒薬か、それに耐える事がどういう結果を生むのか、考えたいと思った。
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