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真夜中のコーヒー

15分寝付けなければ、一度起きていい

どこかでそんな知識を仕入れてから、割と気軽にそうしている。あまり歩かなかった日、きっちり昼寝してしまった日、一番多いのは布団に入ってから余計なことを言ってしまった日。

顔を見ないで言いたいことだから、それなりに勇気を出していることが多い。ふたりの時間の取り方、プライベートなこと、聞きにくいあれこれ。まあ、タイミングが最悪なのは認めるが、だいたいはぐらかされて終わる。

何年も一緒にいるから、今更「男心がわからなくて・・・」なんて言うつもりもない。夫のどこが自分の思い通りにならないかも知ってる。

でもねー、たまに試したくなるわけだ。

もしかしたら、変わったかも、と。

勝手に期待して勝手に傷ついて眠れなくなるのは自業自得。むしろここまで変わらない人が急に変わったらある意味やばい。

大抵寝付けない時は、体に力が入って手も足も冷たい。最近銀座のロフトでデカフェのティーバッグタイプのコーヒーを見つけた。音と光を気にしながらお湯を沸かす。

ぼんやりとした明かりの中で、いい匂いで温かい液体を口に運ぶ。

寝息が聞こえてから出てくるから、絶対にそんなこと起こらないのに、どうしたの?と寝室から夫が出てきたらいいのになと思いながら。

昔から恥ずかしい日記は夜中に書いたもの、と決まっている。体が温まったら布団に戻ろう。

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