ルンバさんと私
数年前に引っ越しをした
両親が引っ越し祝いをくれるという。少し広くなってフラットになったおうちのためにリクエストしたのはルンバ。
前の家は謎の段差が多くて、掃除機もかけにくく結局フロアワイパー的なものでごまかしていた。2人しかいないはずなのに、面白いほどに溜まりゆくホコリ。ああ、自動でやってくれる機能あればいいのに。
と、辟易していたのでルンバが手に入るのはとても嬉しかった。
ここに置くんだ!と決めていた場所に、ルンバの充電器を設置する。いろいろ設定を終わらせ、まずは本当に帰れるのかを見ようと思った。
少し動かしてホームへ戻るボタンを押す。
踵を返すルンバ。近くまで行って方向転換するルンバ。ホームへ向かうルンバ。予想外の方向に転換するルンバ。
なんだ、風が強い日の飛行機か。なぜ戻らない。
よくよく調べると、周りの壁が邪魔でうまく信号をキャッチできていないらしい。出鼻を挫かれるルンバ生活。つまり、あなた、お家ここだと帰れないのね?泣く泣くおうちの場所を再設定した。
その後も彼のために床に物は置かず、1日おきの稼働日の朝には家中の椅子を上にあげる。思いの外頻繁に「お腹いっぱいで動けない」と訴え、乗らなくていいところに乗り上げ動けなくなったところを家主の帰宅時に発見され、部屋干し用の扇風機をいつもとんでもない方向に向ける。
ああ、この子に名前をつけたくなる気持ちがわかった
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