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アンチエイジング
僕は40歳の誕生日に般若心経の現代訳を読んだ。
きっかけは「乃至無老死 亦無老死尽」という一節を知ったからで、ざっくり言うと、人は老いるとか死ぬとかは無く、それは概念として存在するだけであって実際は存在が形を変えてるだけですよっていう、結局存在は形変えて老いちゃってるんじゃ?と思ったんだけど、でも僕は老いないっていうパワーワードに凄く好感を持ち、釈迦やばい、めっちゃやばい、余裕で抱かれたい、と思うようになったのだ。究極のアンチエイジング。
それで般若心経にチャレンジしたんだけど、本当にやばい。
素人の僕が1回読んだ位で理解出来る様なものでは無いけれど、でもこれだけは言わせて欲しい「釈迦屁理屈王」と。
さすが金持ちの家出息子、負けず嫌いだったんだろうな。
弟子に色々と質問攻めにあって、中には結構芯喰ってる質問とかもあったんだろう。そういう質問がきた時必ず言った言葉は空(くう)なんだろうな。だってめっちゃ出てくるもん空って言葉。空とは、あらゆる物体に実態は無いという真実に便宜上名前つけちゃったわけ、釈迦が。世の中の不思議全部、空。
まず、般若心経ではこの世に自分の実体は存在しなかったというショッキングな内容から始まる。いくら考えてもどこを探しても見つからなかったらしい。まるで波平のおでこにあるメガネの様に。いやいや、あるじゃん実体。でもその自分の体と思ってるものも原子の集まりを体と呼んでるに過ぎないと。えっ?なんて?それ言っちゃったら話せなくなるけど?そのお前が喋ってるその言葉も誰かが作ったもので、それを使ってるから呼んでるに過ぎないとかなる訳やろ。実際、空って勝手に意味付けして使ってるし。ハアハア。
色即是空 空即是色
これは色即ぜねれーしょんって映画観たことあるからなんとなく聞き馴染みあるわ。
(存在は「空」であり、変化をする性質であるからこそ、あらゆるものは形をもつことができ、また形を変えることができるのである)と。へ?おちんちんの事かな?そう言えば色ってエロい意味で使われる事多いしな。ってかまた空ってるよ。
ギャーテーギャーテー
ハーラーギャーテー
ハラソーギャーテー
ボウジーソワカー
まてまてまてまて。どうした急に。頭おかしなりよったんか。と千鳥のノブならつっこむだろう。
ドグラ・マグラのチャカポコを思い出し、辛くなってきた。
よく読むとこれは呪文らしい。
言葉の細かな意味は知らなくてもいい。「尊ぶ」という心でもって唱えるだけでいい。頭で理解することが、理解の全てではないのである。
らしい。空だな。
こうして無事に僕は40を迎えた。
でもこの40年というのも時間という概念であって、存在しないので僕の事を40歳というのも止めていただきたい。
全ては空なんで。